黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

小さな変化に気付けない~ソフトバンク和田毅が2試合連続で緊急降板

7月20日楽天戦に敗れ、ソフトバンクが6連敗となった。工藤公康監督就任以来のワーストタイ。6連敗は日本ハムに11.5ゲーム差をひっくり返された年以来というのだからソフトバンクにとっては縁起が悪すぎる。ベテラン和田毅の力で何とか連敗を5で止めてほしかったのだが、和田自身は楽天打線を無失点に抑えたものの、リリーフの一人、椎野が浅村に犠牲フライを打たれて0-1で終わった。

 

降板後の和田いわく、スパイクの刃の周りには土がこびりついていたという。状況が悪くなっていく、その小さな変化に気付けなかった。それが失敗だと受け止めた和田毅はさすがだったのだが、チームが負けてしまってはどうしようもない。けがの具合が気になるが、一日も早くよい状態に戻してもらいたいと思う。

サウスポー論 (ワニ文庫)

サウスポー論 (ワニ文庫)

 

 

 

和田毅が注意散漫だったなんて、そうは思えない。むしろこの危機的な状況で、絶対に自分が勝たねばならない、連敗を止めなければならない、そのためには先取点を与えてはいけないのだ、という気負いがあったのではないか。だから自分のことを後回しにした結果、スパイクの刃に土がこびりついていたのを見落とした……。優しい人が陥りそうな悪循環だ。

 

だとしても和田毅は責められない。もはや回復力の高い以前の体ではないだろう。無理は禁物だ。責任感の強い和田毅のことだから、チームが危機を脱するまで自分のことを二の次にしかねない。それを避けるためには打線が奮起するしかない。

 

連敗中のソフトバンクは貧打が響いている。頼みのグラシアルは代表活動のため離脱、その穴を埋める筆頭の福田秀平は脇腹痛。1軍には長谷川や江川らが昇格してきたがまだ結果が出ていない。2ゲーム差に迫ってきた日本ハムの勢いとは対照的だ。工藤監督も頭が痛いところだろうが、各自でやれるのはその打席ごとにやれることをやるのみだ。ここまで何とか踏ん張ってきた投手陣に応えるためにも、1試合でも早く打ち勝つ試合を見せてほしい。


福岡ソフトバンクホークスランキング