黒柴スポーツ新聞

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爪痕を残したら次につながる~カープ曽根海成、ショート小園海斗と田中広輔のはざまで

「僕みたいな打者は首脳陣も期待してない。でも爪痕を残したら次につながる」

いい言葉だ。発言の主イコール僕とは曽根海成。広島の内野手だ。

 

広島では期待のルーキー小園海斗が売り出し中。6月20日にスタメン起用されたことによりショートを守ってきた田中広輔の連続フルイニング出場が635試合でストップ。翌21日は出場自体なかったため、連続出場が636試合で途切れた。

 

アグレッシブ

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そのショートのポジション争いに顔を出したのが曽根海成。小園は拙守を連発。安打が出ているため評価が急落とはなっていないが、いかに田中広輔の打率が低い(記事執筆時点で1割8分4厘)とはいえ、田中は守備はうまいぞとカープファンから田中広輔復帰待望論が出てもおかしくない。同時に、広島は曽根のショートも試行するようで、曽根は小園に代わってショートの守りを命じられいくつかの打球をさばいた。

 

曽根にしてみたらビッグチャンス。カープ3連覇の立役者の田中広輔とゴールデンルーキーの小園海斗という豪華なショート定位置争いにちょいとノミネートされたのだ。ならば爪痕は残したいところ。確かに爪痕さえ残しておけば次につながる可能性は出てくる。私はこのような考え方が大好きだ。

 

広島では前の野村謙二郎監督が堂林翔太を使い続けた例がある。だが堂林は一皮むけきれなかった。若手を使い続けるには辛抱がいる。指導者もその若手にも覚悟がいる。西鉄三原脩監督が豊田泰光を起用した時はエラーをするものだから二人とも辛辣な言葉を浴びたとか。小園はまだまだ顔見せ興行的な、いわゆる初心者マークが付いた状態でもあるからカープファンも静観中とみるが、今やSNSで誰もが論評する時代。小園はそれとも戦わねばならない。それはプロ野球選手の宿命であり、小園がれっきとしたプロ野球選手になったという証拠でもある。

 

それだけでも十分興味深いのだが、虎視眈々と曽根が内野手としての出番を狙っているのがさらに面白い。打撃では小園の評価が高いから曽根は守備面でアピールしたいところだ。年齢的には田中や菊池涼介らの世代と小園との間の24歳。世代間の穴を作らない。さすがカープだ。結果を残した先輩たちと、期待のルーキーのはざまで曽根がどこまで自分をアピールできるのか注目してみよう。


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