黒柴スポーツ新聞

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ミスは自分で取り返す~ソフトバンク松田宣浩2連発&松本裕樹今季初勝利

DeNA戦、おいしいサヨナラのチャンスで見逃し三振。ソフトバンクファンをがっかりさせた松田宣浩が6月18日のヤクルト戦で汚名返上の2打席連続ホームランを放った。先制弾に勝ち越し弾。試合展開からしても価値あるホームランだった。

 

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いつも元気いっぱい。イケイケの熱男も守りに入ることがあるんだなとびっくりしたDeNA戦。しかし松田のことだ。次こそは、と燃えていたに違いない。環境もよかった。舞台は神宮球場亜細亜大学時代に汗を流した「庭」だ。気分転換にはもってこいだっただろう。

 

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見逃し三振から、2打席連続ホームランで挽回というのも松田らしい。radikoKBC実況を聴くと2発目は打球がグングン伸びてフェンスを越えた様子。松田の気迫が飛距離を伸ばしたに違いない。過去は戻らないのだから、次が大事。悪い記憶や記録はよい結果で上書きするに限る。

 

この日の先発は松本裕樹。いわゆるローテーションの谷間であり、松本にとってはまたとないアピールのチャンスだ。充実の救援陣に対して先発が手薄なソフトバンク。松本が結果を残すことはチームにとっても大きい。だから早く1勝する必要があった。

 

松本裕樹は試行錯誤していた。サイドスロー転向も模索した。変わらなきゃ。そんな姿勢が伝わってきた。結局サイドにはしなかったが、いろいろ試したことは自分を納得させるためにも必要なプロセスだったのではないか。結果的には球速も取り戻せた。肘を傷めた過去があるだけに、そのあたりのケアは十分してもらいたい。

 

まだまだ長いイニングは投げられず、何とか5回を投げきった。勝ち投手の権利が得られるか、という5回は不運な当たりとはいえ連打を浴び、1点差まで追い上げられた。ああ、また松本裕樹は勝てないのか。いや、ここで何とか踏ん張ってほしい。ここを乗りきることができれば、新しいステージに一歩進めるんじゃないか。私はほのかに松本裕樹と自分を重ねながら、実況を聴いていた。頑張れ松本裕樹、踏ん張れ松本裕樹。君がこのピンチを乗りきることができたならば、私自身も何とかなるんじゃないか。私は勝手に自分自身と松本裕樹を重ね合わせていたのだった。

 

松本は勝ち投手の権利を何とか守ったまま降板した。この日は打つ方でも貢献した。二塁打スクイズ。特にスクイズは、自らのミスで同点に追い付かれた後。松田がすでに勝ち越しホームランを打ってくれてはいたが、甲斐らがつくったチャンスにセーフティスクイズを敢行。2連続悪送球のミスを取り返した。

 

一旦radikoから離脱して、あらためて実況を聴き始めたのだが、スマートニュースのアプリを開いてしまった。「ソフトバンク甲斐野 『頭が真っ白』でプロ初S逃す」。日刊スポーツの見出しを見て、嫌な予感が。まさか、甲斐野が救援失敗?

 

ドキドキしながらradiko再開。甲斐野はアウトをとりつつも四球あり暴投あり押し出しあり。フォークボールは制御できない。2点差まで追い上げられ、アウトあと一つとしながらも嘉弥真に後を託して降板。嘉弥真がしのいで甲斐野の代わりにプロ初セーブを記録した。

 

ということで、打てないことも抑えられないこともあるプロ野球選手。だからこそいつまでも引きずれない。それはわれわれ社会人も同じだ。やられたらやり返す。それしかない。松田宣浩と松本裕樹はよい方向に行けたから次ぎは甲斐野だ。鉄腕・森唯斗のけがは思ったより重く、早期復帰はどうやら望めない。甲斐野が今後どんな役回りになるのか分からないが、任されたイニングはきっちり抑えてもらいたい。ミスは自分で取り返す。私もその心意気でやっていこう。


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