黒柴スポーツ新聞

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イメージとのギャップをいかに埋めるか~ソフトバンク内川聖一、衰えとの戦い

内川聖一の勝ち越しホームランから優勢に試合を進めたソフトバンクDeNAを下した。前日、エース千賀で負けただけに「ムードを変えられた」と工藤公康監督も褒めた価値ある一発だった。

 

中継の解説は若菜嘉晴だったが、内川聖一の第一打席では打撃のイメージ論が出てきた。リポートによると、内川自身、日々変わるコンディションに戸惑っているという。そこは必ず年を取るゆえに誰もが逆らえない。特に内川聖一は2000安打達成者。数々のよいイメージが頭にこびりついている。今はそれと結果との間に相当のギャップがある。

 

「内川は打つ方向を決めて打席に立つタイプ」と若菜。それがイメージ通りにはできていない。「若いうちはイメージした球が来たらイメージ通りに打てていた。それが遅れたり詰まったりする」。実際、この試合の8回の打席では速球に対して振り遅れたり、とらえたかなというタイミングでもファウルになったりしていた。おかしいな。そう一番感じているのは内川聖一自身だろう。

 

内川聖一は36歳。「一番難しい年齢に入った」と若菜は解説した。衰えは受け入れなければならない。だが「ここを抜ければまだやれる」とも。かつてのような対応力がない前提で再び打撃を確立せよということなのか。内川聖一がどう対応していくのかは非常に興味深い。

 

若菜は、内川や松田に世代交代を促すような若手がいない、とも指摘。特に右バッターがいない、と。まったくいないわけではないが、後輩たちは内川にも松田にもまだまだ及ばない。守備も含めた総合力ではやはり内川聖一松田宣浩は一段上にいる。

 

松田はDeNAのエース今永から2打席連続ホームランを放つなどまだまだ元気いっぱい。内川聖一も率は低いが打席での目を見ると集中力が伝わってくる。世代間競争がある方がチームは活性化する。美間や真砂は物足りないが塚田あたりはそろそろ結果が出そうな予感も。左は周東、三森、川瀬、釜元とアピールが続いているので右打者の台頭を期待したい。アラフォーとしてはまだまだ内川聖一に頑張ってもらいたいのだけれど。内川聖一が若手を退けながら、衰えを一定受け入れながら、いかに次のステージに歩を進めるのか、2019年シーズンは非常に興味深い。


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