黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

組織でミスをしてはいけない理由~ソフトバンク、川瀬晃のミスをきっかけに満塁ホームランを浴びる

川瀬晃は焦ったことだろう。自分のエラーをきっかけに、どんどんランナーが貯まっていく。そして完封ペースだったバンデンハークが堂上直倫に満塁ホームランを浴びた。それでもソフトバンクはなお1点リードしていたし、その後デスパイネがダメ押しタイムリーを打ったから、川瀬晃は「戦犯」にはならなかった。だがきっと責任は感じているだろう。

 

組織でミスをしてはいけない理由がここにある。自分のミスでチームが、あるいは同僚が危険な目に遭う可能性が高まるからだ。もちろんミスをしようと思ってする人はいない。川瀬も丁寧にグラブを差し出したに違いない。しかし、決して難しいセカンドゴロではなかった。辛めの評価を受けても仕方ない。

 

私がイチオシの川島慶三は肩が本調子ではなく、いったん2軍で調整している。川瀬晃には先輩がいない間、しっかり穴を埋めてもらわねば困る。川瀬はエラー後、チャンスで打席が回ってきた。ここで取り返すくらいでなければプロ野球の世界では生きていけない。しかしそんなに甘い世界でもない。川瀬は内野フライに倒れた。

 

川瀬はどこのポジションを狙うのか。ソフトバンクの中ではセカンドはバリバリのスタメンはいない。外野手の離脱が続出しなければ、セカンドは牧原大成が筆頭だった。しかし牧原は打率や出塁率が振るわない。川島慶三と一緒に2軍に行った。いま川瀬が結果を出せば1軍に定着できるチャンスなのだが、逆にミスをしてしまった。チームにダメージを与えたと同時に、川瀬のキャリアを脅かしかねないミスだった。そのままチームが逃げ切って本当によかった。

 

最初から完璧にできる人なんていない。あの世界の盗塁王福本豊でさえ初出場の代走時は余裕でアウトになった、ときのう近藤唯之氏の著作で読んだ。川瀬もまだまだこれから。

初めは先輩に助けられてばかりかもしれないが、しっかり力を付けて先輩たちに負けないくらいチームに貢献してほしい。この日は一足先に、釜元豪が1試合2本のホームランで猛アピール。川瀬も負けないように、1日も早く戦力になってほしい。


福岡ソフトバンクホークスランキング