黒柴スポーツ新聞

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自分のツボを作る~阪急ブレーブス4番長池徳士が説く打撃の神髄

懐かしいユニホームが入り乱れた2019年の関西クラシック、オリックスソフトバンク。5月28日は山田久志が、29日は長池徳士が始球式を務め、そのまま中継の解説を務めた。オールドファンにはたまらないエピソードも交え、蘊蓄のある語りであった。

 

着用した復刻ユニホームは1970年から71年のもの。ブレーブスはクリーム色の生地に縦じま。ホークスはグレー生地、胸にNANKAIの文字。どちらもカッコいいから1年くらいはこのユニホームでもよさそうだ。私はソフトバンクファンだから特にグレーと深緑の取り合わせに心を奪われた。

 

[ニューエラ] キャップ 11121733 ダークグリーン O

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もう1つ心を奪われたのが、長池徳士のこの言葉。

「バッターに大事なことは、『自分のツボを作る』」。

ここに来たら芯でとらえられる。そんなポイントだという。

 

ツボを作るためにはどうしたらよいのか、というと打ち込みだという。長池は一般練習以外で1日400球は打った。芯に当たらないから手が腫れてくる。それでも芯に当てたい一心で打ち込んだ。そうやって体に覚えさせた。そういう時期が必要だ、と言っていた。

 

阪急初優勝の年は何が違ったのか、と聞かれた長池は、元日から練習したと言っていた。話の流れからすると、自主トレではなくチームで、ということらしい。練習により打撃力のあるチームに変化を遂げたことが優勝さらには黄金期につながった。初優勝時の監督は西本幸雄だった。

 

ここ来たら仕留められる。そんな得意分野を持つことは大事だ。一つでも必殺技があるのは心の余裕にもつながるし、結果にもつながりやすい。ただし得意分野や必殺技を作るまでは練習が必要だ。センスも重要だが長池は量も求めていた。

 

センスについては選球眼を指摘していた。3点差で迎えた最終回、オリックスはランナー一塁から打者小島がスリーボールになった。ここで、見送れば四球になるボールに手を出してファウルとなり、最終的に三振に倒れた。四球を選んでいたらランナー一、二塁。一発出れば同点のシチュエーションだ。あの球に手を出してくれて、ソフトバンクは本当に助かった。選球眼。これも場数が必要だ。ここで四球にどんな意味があるのかを分からねば、プロ野球選手としては物足りない。

 

このあたりも社会人としては必須の能力。それをやるとどうなるのか。それをやらないとどうなるのか。会社員の場合はセンスというよりは常識が試されるのかもしれない。常に半歩先、一歩先を読むようにしたい。

 

ここなら打てる、結果を出せるというポイントを作る。また、先を見越してやる、やらないを判断する姿勢。打者に求められる大事なことだが、社会人にも当てはまると思った。さすがにアラフォーともなると、自分のツボはどこなのか分かりません!とも言えない。ツボはある。だから作るのではなくより真芯に当たる精度を高めていこうと思う。そのために、やっぱり打ち込みをしていこう。


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