黒柴スポーツ新聞

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嫌な間も味方にする~ソフトバンク千賀、降雨1時間中断でも保った集中力

西日本スポーツの記事「ソフトB千賀、 集中 切らさず… 感じた精神的成長 / 西村龍次氏の 目」を読んで、本当にそうだなと思った。千賀は5月18日の日本ハム戦で、雨による1時間の中断をものともしなかった。中断明けに三者連続三振。負けていたソフトバンクは打線が奮起し同点、逆転。千賀が切らさなかった集中力がチームに勝利をもたらしたと言える。

 

西村龍次が言うように、負けていても雨でノーゲームになりそうなら「ラッキー♪」と思うピッチャーもいるだろう。セコいというよりは素直な感覚として、だ。しかし武士のような千賀はゲームを続行して自分がリズムを変えることで流れを呼び込もうとした。この中断中の1時間の過ごし方は見習いたい。

 

世の中には思い通りにならないことが山ほどある。思い通りにならないことばかりとも言ってよい。それに対してどう振る舞うか。私はまだまだ未熟だから、いちいち影響されるし、いちいち腹を立ててしまっていた。さすがに最近はイライラする暇があったら善後策を考えるし、そもそも不測の事態が起きても大丈夫なように緩やかに構えている。この日の千賀だって、雨はどうにかなるものでもなかった。しかし千賀は今できることは何だろうかと考えた。それはこの後をしっかり抑えることで流れを持ってくることだった。

 

エースなんだから当たり前かもしれないが、このあたりが西村龍次の言う成長ぶりだろう。エースはいちいち言い訳しないし、結果を出すことでチームを引っ張る。そしてふにゃふにゃと崩れたりはしない。豪速球でバンバン三振を取るだけがエースではない。

 

今できることは何なのかを考え、実行してチームに貢献する。千賀の実践は素晴らしかった。この日の舞台、熊本・藤崎台は千賀がプロ初勝利を挙げた地だ。そのへんはどうですか?とヒーローインタビューで振られた千賀は「脚が震えたのを思い出した」とおどけたが今は「慣れました」と笑っていた。精神的にも技術的にも上り坂の千賀。今後の登板からも目が離せない。


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