人にはそれぞれ役割がある~反撃ムード作った松田遼馬とサヨナラお膳立ての川島慶三
5月3日、ソフトバンクが楽天との壮絶な打ち合いを制した。12-11というスコアもなかなか。だが故障者続出という状況もあるが全員野球で勝ったのがソフトバンクファンにはたまらない。その中でも二人の脇役のことを書きたい。
まずは松田遼馬。勝ちパターンではなくビハインドの場面で投入されることが多いがきょうも武田翔太が打たれた後に登板。逆転して意気上がる楽天打線をよく抑えた。リズムを変えてソフトバンクの反撃ムードにつなげた。中継ぎ投手として最高の結果だ。
松田遼馬は昨年阪神から加入。長崎県出身なだけにソフトバンクで輝けば地元の方も大喜びだろう。連続無失点と言えばルーキー甲斐野央が開幕から13試合無失点(きょうは2本塁打を喫して記録がストップ)だったが、松田遼馬もきょうで10登板目だが未だ失点ゼロ。NHK中継で解説の小久保裕紀が「他球団なら勝ちパターンで行ける能力」と話していた。きょうはシーソーゲームになったが、ソフトバンクの追い上げの陰の立役者は松田遼馬だった。
打つ方では川島慶三。もちろん節目の250号の松田宣浩、復帰即逆転ホームランのグラシアル、起死回生の同点打の内川聖一、サヨナラタイムリーのデスパイネと、活躍した人は数々いるが延長12回に一塁ランナーの高田知季と決めた見事なエンドランはめちゃくちゃ興奮した(高田もよく打った!)。
ツーストライクと追い込まれてもこの人だったらと信じられる。まさにその通り、川島慶三はランナー一、三塁とチャンスを広げてサヨナラへのお膳立てをした。解説の小久保裕紀が言っていた。今一番打てる球が待てる選手だと。ヒットにできる最も確率の高い球が待てる。だからやたらめったらは振らない。今回も何とかファウルで粘り、右打ちに最適な外角よりのストレートを狙い打ち。まさに職人芸だ。
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ソフトバンクは層が厚いと言われる。実際そうなのだが、実はその層は一枚一枚の個性だ。それがうまく重なりあっている。今年は開幕から離脱する選手が続出し、スタメンの平均年齢も随分若返った。長打力は昨年より落ちるが、機動力は高まっている。失った選手を残念がっても点は取れない。今いる戦力でできることをやる。ある意味その集大成がきょう5月3日のゲームだ。野手は高谷以外は出たようだが高谷には控え捕手としての役割がある。高谷もれっきとした戦力だ。
役割は一人一人にある。大事なのはそれが効果的に実行されてチームが勝つこと。きょうのゲームでは打たれたり守れなかったり打てなかったりした選手もいるが、彼らが輝く試合もきっとある。それまでは調子のいい選手が引っ張ればいいだけだ。きょうのゲームは勝ったこともあってなかなかいいものが見られた。私はいぶし銀大好きだから総力戦はたまらない。
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敵ながら楽天もよく粘った。特に山下斐紹。柳田や千賀、甲斐と同じ2010年ドラフト組。しかも山下は2位の柳田を上回る1位だ。育成契約の千賀はエースにのしあがり、甲斐は正捕手になった。山下はトレードで楽天に加入して、今回は代打でソフトバンク戦に登場。そして同じくドラフト1位の甲斐野のストレートを豪快にスタンドに叩き込み、連続無失点記録を止めた。次の打席は勝ち越しホームランを放ちヒーローになれるところだったがデスパイネにサヨナラ打を喫して悔しい敗戦となった。人生山あり谷ありである。甲斐野のストレートを打ち砕いたことから山下の打撃は注目されることだろう。ぜひソフトバンク戦以外で打ちまくってもらいたい。
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壮絶な打撃戦だっただけに新聞各紙、ネット記事はどんな書き方か非常に興味深い。わが黒柴スポーツ新聞は松田遼馬、川島慶三、山下斐紹をピックアップしたがこれからも独自の目線を大切に、マニアックなメディアとしての役割に徹していこうと考えている。よかったらぜひまた遊びに来てください!