黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

甲斐野央は令和初の新人王になれるか~昭和45年はホークス抑え佐藤道郎が選出

ソフトバンクのルーキー甲斐野央が平成の登板を無失点で終えた。デビューから12戦連続無失点はドラフト制導入後初で、プロ野球記録になっている。気が早いが令和初のパ・リーグ新人王になれるのではないかと期待している。

 

 

部屋を片付けていたらホークスの球団創立80周年記念の野球カードが箱から出てきた。佐藤道郎のカードもあって、裏のプロフィールを見ると獲得タイトルに新人王があった。入団の年から抑えを任され、55試合に登板して18勝。防御率2.05で最優秀防御率にも輝いた。

 

18勝というのは抑えにしては多いなと思ったが、佐藤道郎はいわゆる交代完了(救援登板してそのままゲームセット)が多かったピッチャーらしい。終盤にチームが試合をひっくり返して佐藤に勝ち星を付けたパターンがたくさんあったのかもしれない。いずれにしても勝ち試合に絡んでいるのが素晴らしい。

 

その意味では甲斐野にも共通点がある。すでに勝ちパターンの継投に組み込まれているのだ。甲斐野は東洋大学時代から抑えの経験があるという。これまではプロ入り後に抑えでブレイクする人はいたが、甲斐野はすでに経験者でありそのあたりは安定感につながっている。

 

甲斐野はデビューした4月から早速使われているがこのペースだと50試合くらいはいくのではないか。ソフトバンクだと森唯斗が5年連続50試合以上と大車輪の活躍だが、岩嵜翔のように72試合投げた翌年は故障で2試合というパターンもある。登板過多にならないよう今のうちから気を付けてもらいたい。

 

森唯斗が本調子ではないながら守護神として勤めを果たしているため、甲斐野にセーブが付く状況ではない。甲斐野が今後抑えとして定着するのか、先発に挑戦するのかも興味深い。

 

ちなみに佐藤道郎は初代セーブ王。もしもセーブ制度が早くからあったら通算39セーブなり通算88勝という数字も変わっていたことだろう。

 

佐藤道郎は11シーズンで500試合に投げ、引退した。先ほど森唯斗が5年連続50試合登板と紹介したが、それに準ずるペースだ。江夏が南海に移籍してきたことに伴い先発に転向。そのまま1977年に12勝しているからすごい。できる人は配置転換されてもすぐに結果を出すのだなと思わされる。

 

佐藤道郎は日大からのドラフト1位。甲斐野央は東洋大からのドラフト1位。共に東都大学リーグ出身だ。甲斐野は大先輩ばりに濃密なプロ野球選手生活を送れるだろうか。いまだ「無傷」の甲斐野だがいつかは打たれることもあろう。佐藤道郎とて、4年目の1973年には3試合で連続サヨナラ本塁打を浴びる屈辱も味わっている。甲斐野も修羅場を乗り越えながら新人王を目指し、記録にも記憶にも残る投手になってもらいたい。

 

あわせて読みたい甲斐野央関連記事はこちら。

tf-zan96baian-m-stones14.hatenablog.com


福岡ソフトバンクホークスランキング