黒柴スポーツ新聞

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焦る気持ちがミスを呼ぶ~千賀好投の裏でソフトバンクナインの判断力が気がかり

ソフトバンクが連敗を3で止めた。表面上は千賀が8回126球の男気投球なのだろうし、実際気持ちのこもったピッチングだった。被安打2、奪三振11。貧打にあえぐチーム状況から、絶対に点をやらないという強い気持ちが伝わってきた。

 

だが、あえて書く。11安打で2得点は自滅しすぎだ。ロッテに喫した3連敗が重くのしかかり、前のめりの気持ちばかりが空回りしてはいなかったか。

 

 

 

特に走塁面。2回のデスパイネは四球を選ぶも暴投を見て二塁を狙ってアウトに。新打線で5番に降格したことで挽回したい気持ちでも出たのだろうか。

 

2シーズンぶりに4番に座った松田宣浩は三塁ランナーだったが内野ゴロで本塁に突入しタッチアウト。西武・外崎がうまくさばいたようにも思うが、内野ゴロで本塁を狙うからにはそれなりの判断が必要だ。特に最近は打線が湿っており、貴重なチャンスは大事にしたかった。

 

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それともチャンスが少ないと見て無理をしたか。物事がうまく回らない時はそんなものかもしれない。うまくいく時は意識せずに何でもかんでもうまくいく。黙っていても信号は青信号だし、テレビをつけたら面白い番組にぶち当たる。でもうまくいかない時は逆。果敢に本塁突入してもアウトになってしまう。焦る気持ちが脚力に微妙に影響するのだろうか。

 

本塁突入失敗は勝負どころでも。7回に二塁打の牧原大成をバントで送り1死三塁。次打者今宮健太のセカンドゴロで牧原は本塁を狙ったがアウトになった。ゴロなら突入と決めていたのだろうか。6回の無死満塁で無得点に終わったことで、何が何でも得点したいという気持ちが透けて見える。

 

その満塁のチャンスでは甲斐がスクイズを試みた。高めに球が浮いたためファウルになったが、ソフトバンクと西武、どちらが命拾いしたのか。甲斐はロッテ戦で送りバントを連続で失敗。自信を失ったままスクイズを敢行したのではないか。もしそうならうまくいくものもいかない。

 

無死満塁で無得点に終わったことから千賀の「打たれまい」という気持ちがさらに強まったとしたら皮肉なものだが、千賀でなければ気負いすぎたピッチャーが自滅していてもおかしくない流れだった。

 

守備では名手今宮健太がまさかの2エラー。6回はランナー一塁で今宮健太の前に打球が飛べばダブルプレーが難なくとれそうだが捕球できず一、三塁と傷口は拡大。ここは千賀がさすがの投球で後続を断った。最終回はショートゴロをお手玉したものの間一髪一塁アウトに見えたが検証の結果、審判の判定どおりセーフに。守護神の森が四球を与え一発出ればサヨナラ負けだったが何とか逃げ切った。

 

こうして見るとよく勝てたなと思う内容。もちろん今のソフトバンクには勝ちが何よりだから素直に喜ぶべきだが喜んでばかりもいられない。判断力は高めてもらいたい。勝つことで落ち着きを取り戻してもらいたい。

 

離脱続出で日替わり打線を組んできたが、今季は今宮健太が好調なこともあり2番釜元豪、3番今宮健太、4番松田宣浩は面白い並びだ。デスパイネはヒットが出たから4番に戻るかもしれないが気負わず打てるなら5番のままでいいのかも。9番高田知季も1番牧原へのつながりを意識できて「打線」になっている印象だ。毎日打線を組むのも大変である。今宮、松田はひとまずタイムリーが出たし、このまま乗っていってもらいたい。

 

ともかく連敗は脱した。どんなにできる人でも、焦る気持ちがミスを呼ぶ。その焦りを防ぐためにも日々、目の前のことは着実に終わらせて結果を出したいものだ。そしてうまくいかない時でも千賀のように最後は踏ん張る。これも大事だ。連敗を止めるのもエースの大事な役割。千賀はそれを体現したように思う。


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