長谷川勇也昇格で若鷹軍団は戦々恐々~ソフトバンクの出番争いますますヒートアップ
私がソフトバンクファンになった瞬間があるとしたら、長谷川勇也のあの打席だ。2011年、西武とのクライマックスシリーズファイナルステージ第3戦。杉内俊哉と涌井秀章の行き詰まる投手戦で、長谷川はあとストライク一つで負ける土壇場から起死回生の同点打を放った。本当の意味で、私がソフトバンクファンになった瞬間だった。
あの日の長谷川勇也は神がかっていた。延長でもサヨナラヒット。ソフトバンクの日本シリーズ進出に花を添えた。ちょっとしたことをすぐ「神対応」なんていう風潮には辟易しているのだが、私には長谷川が神様のように思えた。
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だが時は流れ、気付いた時には長谷川勇也はスタメンではなく代打要員となっていて、今では1軍に帯同もしていない。やはり足のけがが払拭できないのか。特に長谷川のポジションは外野。足に不安があったら起用しにくい。
2018年契約更改では長谷川勇也も記事になった。大幅減俸よりも、若手に対する挑発的な言葉(と私は受け止めた)が印象的だった。「若い選手に負けるとはさらさら思ってない」「何のために練習しているのか、はっきりと、明確に意思がこう…あんまり伝わらないなという選手が多かった」。言葉の端々に長谷川の苛立ちが見受けられはしまいか。
その苛立ちは後輩に対するものなのか、遠回しに自分自身に対するものなのか。とにかく長谷川の不完全燃焼感がすごく伝わってきた。
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それを払拭するためか、キャンプでは長谷川勇也の打ち込みが話題になった。日刊スポーツには「ソフトバンク長谷川勇也、1000球ノルマ妥協なし」という記事が出た。だが開幕が近付くにつれて報じられるのは現在の主力ばかりになり、主力が故障で離脱しても、起用されるのは若手、もしくは福田秀平と川島慶三だった。
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長谷川がいるじゃないか、と思っているソフトバンクファンもいる。昇格させてもらえないのは長谷川と工藤監督の間に確執があるからだ、という人もいる。本当だろうか。正直なところ、その辺りには興味ない。だがもし実力以外、例えば若手にチャンスを譲らされていることが2軍にいる理由だとしたらもったいないなと思う。
長谷川の年俸は1億円。すでに大幅減俸は経験済みだ。想像したくもないがこのままだと長谷川は攝津正や五十嵐亮太、寺原隼人と同じ運命になると思う。この3人とも現役続行の意思を示したが、長谷川とてまだまだやれると思っている。じゃないと1000球も打ち込まないはずだ。
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そんな長谷川勇也がついに昇格する。福田秀平のあのフルスイングがこんな結果になるとは。福田にとっては酷な結果だが長谷川には千載一遇の大チャンス。プロ野球はまことに過酷な現場である。
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若手にしてみれば戦々恐々だろう。実績が十分なことに加えて、若手が物足りないと言っていた大先輩と争わねばならないのだ。
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しかし若手は若手で先輩を超えないと自分の居場所は作れない。先輩は先輩で自分の居場所は守らねばならない。ソフトバンクの最近の出番争いは近年稀に見る激しさだ。福田より長谷川の方が危機感があるから、激しさは増すに違いない。
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それが結果としてチーム力の底上げになればよいのだが。そうしているうちに柳田悠岐やグラシアルや中村晃が戻ればよいのだが。それは控え軍団が控えに戻ることを意味する。それとも若手のうち誰かが主力の一角を崩すのか。
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福田のフルスイングによりまさかの展開に。長谷川勇也が舞台に立ちますますヒートアップするソフトバンクのスタメン争いから目が離せない。私たちは毎日のように極上のドラマを見せてもらっている。