黒柴スポーツ新聞

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結果は早めに出すほどよい~ソフトバンク開幕カードで高橋礼プロ初勝利、甲斐野と奥村は初ホールド

開幕カードから西武との3連戦。浅村栄斗が抜けたとはいえ強力な西武打線をソフトバンク投手陣がどう封じるかが見ものだったが、終わってみればソフトバンク3連勝。山川穂高中村剛也にホームランを喫したものの、第2戦も3戦も柳田悠岐が逆転ホームランを放って若い投手陣を援護した。

 

 

柳田悠岐のホームランは試合を決めたという意味でも大きいが、もう一つ意味がある。それは後輩たちに勝ち星を付けたことだ。第2戦のミランダは負け投手を免れるどころか勝ち星が転がり込み、第3戦の高橋礼にはプロ初勝利をプレゼントすることになった。

 

 

 

 

この2人は2019年、シーズンを通してローテーションを守ることに初めて挑戦する。先日下の記事でも書いたがソフトバンク投手陣は若返っている。攝津正、五十嵐亮太寺原隼人も好きだったが若い投手陣もこれからの人材だから応援のしがいがある。

tf-zan96baian-m-stones14.hatenablog.com

 

経験がない人にとって、一番自信になるのは結果を残すことだ。できれば目に見える形で。だからミランダにも高橋礼にも、2019年の「1勝目」が早速記録されることに意味があるのだ。1勝しただけで安心してもらっては困るのだが、 まずは自信を付けてもらいたい。そうすればマウンドでも落ち着きが出てくるのではないかと思う。

 

 

その意味ではこの3連戦、ソフトバンク投手陣はまずまずの結果が出た。開幕投手の千賀滉大には勝ち星が付かなかったが無失点で試合を作ったし、新人の奥村政稔と甲斐野央はそれぞれ初ホールドを記録。特に甲斐野はデビュー戦の2イニングで5奪三振。この3連戦の中で2019年ホームラン王の山川穂高から三振を奪ったのは自信になったのではないか。

 

 

プロ野球のルーキーはいわゆる新社会人。新社会人の中には即戦力の人も、あせらず地力を付けろと言われている人もいるだろう。しかし結果は早めに出すにこしたことはない。いちいち周りにアピールする必要はないのだが、アラフォーの私は知っている。いつか、いつかと言っているうちに年月はアッという間に経ってしまうということを。

 

 

一般の社会人よりもプロ野球選手のほうが厳しい。結果が出なければクビになるからだ。近年はドラフトでいくら上位になっても、結果を出すまでの猶予が以前ほどもらえなくなっている気がする。何ごとも過程より結果を重視される風潮がプロ野球の世界にも影響しているのだろうか。

 

 

期待されない新人なんていない(いたら本人も周りも問題大アリだ)。であるからこそ、能力を早速発揮して結果を出すにこしたことはない。もちろん最初からうまくいくばかりではない。下の記事にも書いたが、広島で先発と抑えの両方において結果を残した大野豊はルーキーイヤーの防御率がなんと135.00。あまりのふがいなさに、大野は寮に戻る道で涙を流したくらいだ。

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最初からうまくいかなくとも、大野豊のように努力で成功をつかむ人はいる。だからすぐに結果が出なくても絶望することはない。だが、結果を早めに出す方が戦力外になるリスクは小さくなる。それは間違いない。そして評価も早くしてもらえる。プロ野球選手の場合は年俸にもはね返ってくる。いきなりお金目当てでがっついてくる新人選手もいないだろうが、プロ野球は実力の世界だから1年目からどんどん差がつくはずだ。

 

 

それにしてもプロ初勝利の高橋礼はウイニングボールを手にしてキラキラの笑顔だった。「ここでギータさんが打ってくれたら、勝ち投手になれるんじゃないかと思って、願ってみてたらいきなり決めてくれたんで、かっこいいなと思いました」。うん、素直でよろしい。ヤフオクのお客さんも笑っていた。素直が一番。若手は若手らしく、さわやかに自信と実績を積み上げていってもらいたい。アラフォーの私も負けずに頑張ろう。


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