よきリーダーは舞台を用意する～ポテンシャルを最大限発揮させようとする栗山英樹監督

同じ業務をふられるにしても、そこに意図があるかないかで結果は違ってくるのではないか。やはり人は気持ちで動くのだから。その意味で、最も意図をもって選手起用しているのは日本ハムの栗山英樹監督だと思わされた。GOETHEの記事「栗山英樹監督に見るリーダー（上司）の仕事とは何なのか？＜前編＞」を読んだからだ。

北海道日本ハムファイターズ監督栗山英樹~人心掌握の"哲学" [DVD]

出版社/メーカー: ポニーキャニオン
発売日: 2013/03/20
メディア: DVD
この商品を含むブログを見る

事例として、清宮幸太郎を、彼の風貌に通じると思っているベーブ・ルースの銅像がある草薙球場でプレーさせたり、低迷が続く斎藤佑樹を彼が最も輝いた甲子園で登板させたりしたことが紹介されていた。ほかの投手も出身地やゆかりの球場、対戦相手で登板させていた。

北海道日本ハムファイターズ清宮幸太郎半袖プレイヤーズT (ホーム) - XL

親心なのかもしれないが、栗山英樹監督は選手に奮起を促しているのではないか。意気に感じてほしいのではないか。栗山監督は著書「稚心を去る　一流とそれ以外の差はどこにあるのか」の中でこう書いている。
「どうせ使うなら、選手のポテンシャルを最大限に、あるいはプラスアルファまで引き出す可能性を秘めた舞台を用意するのも、こっちの仕事だと思っている。もちろん、その背景を理解したチームメイトが『勝たせてやりたい』と思ってくれる、その効果も見込んでのことだ」

稚心を去る

作者: 栗山英樹
出版社/メーカー: ワニブックス
発売日: 2019/01/24
メディア: 単行本（ソフトカバー）
この商品を含むブログを見る

チームの状態や日程などから全部が全部、選手優先で起用できるわけではない。しかし選手の力を最大限発揮させようとするのはまさにリーダーや指揮官の大事な仕事だと思う。

育てる力

作者: 栗山英樹,小松成美
出版社/メーカー: 宝島社
発売日: 2018/04/05
メディア: 単行本
この商品を含むブログを見る

もちろん若手だって漫然と舞台を用意してもらうのを待ってはいけない。舞台を用意してやりたいなという実績は残さないといけない。そして人柄も大事。上は上で見ている。

「最高のチーム」の作り方

作者: 栗山英樹
出版社/メーカー: ベストセラーズ
発売日: 2016/12/21
メディア: 単行本（ソフトカバー）
この商品を含むブログ (1件) を見る

選手は選手で、なぜ自分が今このタイミングで起用されているのかは感じたい。そこは間違えないようにしたい。やっかいなのは意図がない起用だ。人数合わせ。玉突き人事。若い時こそ餌食になる可能性が高いのだが……そこを脱出するためにも地力が必要だ。舞台を用意されてすぐ自分らしさを発揮できるよう、準備はしっかりしておこう。