黒柴スポーツ新聞

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できる人は常に自分有利の状況をつくる~千賀滉大を刺激した菅野智之のピッチングとは

ソフトバンク開幕投手の千賀滉大が巨人のエース菅野智之と投げ合った。どちらもほぼ完璧。オープン戦とはいえ、ファンはしびれる試合を見られたのでないか。千賀も菅野もさすがだという記事が当然書かれるのだが、西日本スポーツ記事「ソフトB千賀7回2死まで完全 G菅野と圧巻バトル!!」は着眼点がさすがだった。



秀逸な分析だったのは菅野智之がストライク先行を徹底していたということ。実に打者20人中、18人の初球がストライク。千賀は打者21人のうち9人の初球がストライクだったから、半分でしかない。

これにより、少ない球数で試合を乗りきれるメリットがある。また、テンポがよくなることで打線にもリズムが出ることが期待できる。私は草野球の経験しかないが、それでも守りが余りにも長いと集中力が切れてしまうことは知っている。元々打てないバッターは余計にキツいのだ。

西日本スポーツ記事では、菅野が「徹底して投手有利の状況をつくった」と表現していたが、正にこれが仕事をスムーズに進める武器だ。鍵になる作業をなるべく初手で決める。そうすることで後々に余裕が生まれる。逆に初手で決まらず何とか綱渡りで進めると体力と時間の消耗が激しい。下手したら失敗してしまう。ずっと3ボール2ストライクが続くのもしんどすぎる。


いい加減、優しい人ほど周りに合わせてしまい予定が崩れるのだから、せめて中盤までは自分有利の状況で進めたい。予定が変わっても微調整で済ませたいところだ。ちゃぶ台返しを食らうとただただツラいだけなのだが、そうされないためには地力を付け、できればエースに上り詰める。そうなればちゃぶ台を腕力で押さえつけることができる、かもしれない。
千賀はぼちぼちそうなりつつある。打たれたとしてももう口やかましくは言われないだろう。だが記事を見るとまだまだ向上心があるから、菅野智之の投球はとてもよい刺激&教材になったようだ。ぜひ菅野のストライク先行型のピッチングを取り入れて、パ・リーグの球団を力でねじ伏せてもらいたい。力強く勝つのもエースの仕事なのだから。

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