黒柴スポーツ新聞

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丸佳浩は巨人で何番を打つのか~西鉄・三原脩監督譲りの流線型打線の可能性も

日経新聞を読んでいたら、巨人の打線構想が出てきた。原辰徳監督は丸佳浩を2番で起用する考えがあるという。これには少々驚いた。



じゃあ3番は誰かといえば坂本勇人。4番は岡本和真。岡本は昨シーズンの活躍から、アクシデントさえなければ順当にくるだろうと思っていた。だから、ポイントは丸や坂本の位置だ。

てっきり丸が3番と思っていた。が、坂本は5番という感じでもない。1番もなくはないが、斬り込み隊長でもない。チャンスで回したいバッターだ。
坂本勇人―読売ジャイアンツ (スポーツアルバム No. 25)

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それは丸佳浩も同じだから、丸を5番に置いたらどうかと思うのだが、あえて2番に置くことで、打線前半に厚みを持たせたいのだろう。

流線型打線を思い出した。昭和30年前後、西鉄三原脩監督が実行した強力打線。2番に強力打者を置くのが特徴だ。

今でも2番は送りバントなど小技ができる打者が起用されることが多い。ゆえに流線型打線は良し悪しなのだろう。仮に丸がいた広島が、丸を3番にしていたら流線型打線と呼んでもよかったかもしれない。しかし、その場合は菊池涼介のよさは発揮されなかったように思う。

単に小技ができる2番を用意できなかっただけなのか。それとも丸、坂本、岡本で打ち勝つ野球を目指すのか。そうだとしたら、丸の巨人入りは戦い方にかなり影響を与えたことになる。

なお、強力打線は打率を問うものではなかった。西鉄が初優勝した昭和29年は2番に豊田泰光を置く流線型打線だった。3割バッターは大下弘だけだったが、得点は487から590にはね上がった(出典は立石泰則「魔術師〈上〉三原脩西鉄ライオンズ小学館文庫)。ちなみに並びは以下の通り。
1番仰木彬
2番豊田泰光
3番中西太
4番大下弘
5番関口清治
6番河野昭修
7番高倉照幸
8番日比野武
9番ピッチャー

2番に強力打者を置くことには賛否あるだろう。ただ、やれる人材がいればやる価値はあるかなと思う。巨人はいつだったかホームランバッターをずらり並べて不発だったことがあった。それと今回は違う印象だ。丸という好打者の加入で戦略が立てられたことは興味深い。単純に面白い。まあ、巨人の意思というよりは丸のFA宣言の副産物だったのだが。



黒柴スポーツ新聞も副産物効果でまさかの流線型打線の調査ができた。ネタ探しで日経新聞を読んでよかった。アンテナを張っていたら知識はどんどん増えていく。新聞の効能はこれだと実感している。
小宮一慶の「日経新聞」深読み講座 2019年版

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さあ、流線型打線が実現したら巨人はペナントを奪回できるのか。確かにこのくらいの手を打たなければ広島には勝てない。開幕戦はこの2チームが直接対決。両チームの打線にも注目しよう。


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