黒柴スポーツ新聞

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他チーム選手との自主トレはマイナス?~ライバルの存在は上手に生かそう

他チームの選手と一緒に自主トレを行うことに、金田正一江本孟紀が意義を唱えていた。呉越同舟はありえないよと。NEWSポストセブン記事で読んだ。



言わんとすることは分からないでもない。記事中にスポーツ紙記者の言葉として出てくるが、巨人のエース菅野智之阪神に移籍した西勇輝が同じ施設で練習したという。確かに巨人と阪神は特にライバルだから、そこの主力が連携しているように見えると、対決ムードの盛り上がりに欠けるかもしれない。

いつしかオリンピックにプロ選手が行き出したり、WBCなど国際大会に日本代表が出ていると、昔より他チーム選手との交流は格段に増える。ライバルという認識が薄まるのはやむを得まい。

ただ、他チームの選手と一緒にトレーニングすることは悪いことばかりでもない。こんな準備をしているんだ、こんな工夫をしているんだとさまざまな発見があり、お互いにレベルアップがはかれる。
金田正一が言うように体作りも競争だから、手の内を明かして不利になる可能性は確かにある。だが、追い付かれる時点でその工夫はそれまでだったのだ。追い付かれたらさらに引き離す。引き離されたらまた追い付く。それが切磋琢磨するということだ。
曲がりなりにもプロ選手なのだから、一緒に自主トレしたとしても試合になれば本能的に相手を上回ろうとするだろう。逆に言えばそれができなければプロ野球選手失格だし、金田正一が言うように嘆かわしいだけだ。
さよならギッチョ やったるで! 20年

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頭ごなしに呉越同舟だ、情けないなというのも古くさい。それでは筒香嘉智に「頭の中がアップデートされていない」とバッサリ斬られることだろう。
tf-zan96baian-m-stones14.hatenablog.com


西本聖江川卓に対して激しいライバル意識を燃やしたように、ライバルは自分を奮い立たせる存在である。そういう意味では、ソフトバンクの次期エース候補の千賀や東浜が合同トレーニングをするのは、前の時代では考えられないのかもしれない。それぞれで開幕投手を狙えばいいのに、と。


でも、一流同士だから分かり合える部分はある。お互いレベルアップした上で、さらに争う。そう考えれば同じチームや、他チームのライバルと一緒にトレーニングをするのはありだと考えるがいかがだろうか?

馴れ合いではなく、レベルアップの手段。ライバルの存在は上手に生かしたいものだ。


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