黒柴スポーツ新聞

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平成の終わりに平成元年のプロ野球を振り返る~新元号初年度のペナントレースを制するのは?

2019年はいよいよ元号が変わる。平成を振り返る企画があちこちで進行中だが、黒柴スポーツ新聞は特に、30年前の平成元年をフォーカスして、プロ野球を楽しく振り返ってみたい。テキストは久々、宇佐美徹也先生のプロ野球記録大鑑。

プロ野球記録大鑑〈昭和11年‐平成4年〉

プロ野球記録大鑑〈昭和11年‐平成4年〉



いきなりだが平成元年のパ・リーグはどこが制したか。


そう、近鉄バファローズだ。昭和63(1988)年の10・19の悲劇を乗り越え、2年越しの優勝を果たした。

近鉄のエースは誰だったか?そう、阿波野秀幸。29登板で19勝8敗。さすがエースである。

もちろんMVPも阿波野秀幸かと思いきや違う。誰だったか?


答えはブライアント。19勝の阿波野とホームラン49本のブライアント。どちらもすごいのだがやはりブライアントはシーズン最終盤の4打数連続ホームランの印象が強かったのだろう。MVP選考ではブライアントが818点。次点の阿波野は657点だった。
阿波野の成績で度肝を抜かれたのが21完投。先日ソフトバンク東浜巨が2019年シーズンの目標の一つを10完投とした記事を見たが、平成元年の阿波野は29登板で21完投。投球回数は235回3分の2だった。

21完投なんて見間違いかと思ってセ・リーグを調べた。最多完投は斎藤雅樹が21。さすが巨人のエース。斎藤雅樹は30登板で20勝7敗。投球回数は245回、防御率は何と1.62でもちろんリーグ1位だった。

だが当時のセ・リーグはハイレベル。斎藤雅樹最多勝西本聖と分け合った。西本は20勝6敗で、勝率1位(.769)。

最多投球回数は桑田真澄の249回。巨人にはこの年200回以上投げたピッチャーが2人もいたのだ。
Number PLUS 桑田真澄 完全復刻版 (Sports graphic Number plus)

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ちなみに平成元年の8月にはナゴヤ球場でこんなドラマもありました。
tf-zan96baian-m-stones14.hatenablog.com


平成元年のパ・リーグ打撃部門はブライアントが総なめかと思いきや実は違う。打点王は誰だったか?


答えはブーマー(打点124)。ブーマーは打率.322で首位打者にも輝いた。なおブーマーあるあるだが、ブーマーは登録名。「ブームを呼ぶ男」の意味からだが、本名はGregory DeWayne Wellsらしい。



さて、パ・リーグを制した近鉄だが4番打者は誰だったか? プロ野球記録大鑑がすごいのは打線も記録してあるところだ。

1大石
2新井
3ブライアント
4リベラ
5淡口
6鈴木
7金村
8山下
9真喜志(村上)

そう、4番はブライアントではなくリベラだった。ブライアントの活躍がまぶしすぎてあまり評価されていないが、リベラは25本塁打、79打点。ブライアントが4本塁打した西武とのダブルヘッダーでもダメ押しのホームランを放っている。

リベラは熱い男だ。その西武戦では併殺崩しを狙って二塁にすさまじいスライディングを行った。食らったのは辻だったか、田辺だったか? ガチンコの天王山、助っ人も一丸となって容赦ないスライディングをする。危険なスライディングは決してほめられないが、近鉄の団結力を感じられる名場面である。



リベラは熱い男だ。平成元年のリーグ優勝を決めた、ダイエーホークスとのゲームの最終回。山本和範の大飛球をライトの鈴木貴久がフェンスに激突しながらナイスキャッチ。だが鈴木は立ち上がれない。そこに駆け寄ってきたのがリベラ。何と、一塁を守っていたリベラがフェンスまで移動していたのだ。
近鉄バファローズの時代 (知的発見! BOOKS)

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残念ながらリベラはこの1シーズンだけで日本球界を去った。助っ人としては確かに若干物足りなさも感じるが、リベラなくして平成元年の近鉄の優勝はなかったと思っている。

プロ野球を振り返るつもりが近鉄を厚めに振り返ってしまった。まあ、いい。日本シリーズで巨人に3連勝からまさかの4連敗という大逆転負けを喫しはしたが、リーグ上位3チームがゲーム差わずか0.5の中にひしめく大混戦を制した近鉄は確かに輝いていたのだ。

2019年早々、近鉄のOB会が解散するという記事を見つけた。オリックスと合併して球団は消滅。バファローズの名前のみ残ったが、新たな入会者が現れる見込みはないという。一応、坂口智隆や近藤和樹、岩隈久志近鉄在籍歴はあるのだが。平成元年に優勝した近鉄は、平成と共にOB会に幕を引く。それも潔い決断だと思う。さすがに鈴木啓示OB会長も「投げたらアカん」とは言わなかったか。
投げたらアカン!―わが友・わが人生訓

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さぁ、果たして新元号の初年度、ペナントレースを制するのはどの球団か。新しい元号になっても、ファンをワクワクさせるプロ野球であり続けてもらいたい。


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