黒柴スポーツ新聞

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飛び出す勇気とやりきる覚悟~箱根駅伝、東海大学が初の総合優勝

第95回箱根駅伝東海大学が悲願の初優勝を果たした。5連覇を目指した青山学院大学は往路6位に沈んだものの、復路で意地を見せ総合2位。往路を2年連続で制した東洋大学は力負けの総合3位だった。今回は最優秀選手に選ばれた東海大学の小松選手にフォーカスする。



8区の小松がたすきを受け取った時はまだ4秒、首位の東洋大学がリードしていた。小松はすぐに追い付いたが、すぐに抜かず、ぴったり後ろにくっついた。

持ちタイム的には東洋大学の選手より上だから、小松が先行しても良さそうだがそうはしない。ここが駅伝の面白さでもある。そう、駆け引きだ。元日のニューイヤー駅伝でもアンカー勝負で旭化成の選手がMHPSの選手と並走して最後さしきった。自分の状態と相手の状態を比べ、残り距離を計算して勝負する。駅伝選手は脚が速いだけではダメなのだ。

小松の場合はアンカーではないので、いかに東洋大学との差を広げるかがポイントだった。小松は相手が「鈍ってきた」と感じると14キロあたりでスパート。東洋大学の選手をみるみる引き離した。ここだと勝負どころを見極める目と、飛び出す勇気、そしてスパートする実行力。三つがうまくはまった。

ここだと思っても、実行に移さなければ、思っていなかったのと同じ。いつかやろう、では永遠にできない。小松とて逃げ切ったらよかったものの、追い付かれていたら真逆の評価をされていたに違いない。そう、ここだと踏んだら何がなんでもやりきらねばならない。その大変さの想像がつくからこそ、飛び出す勇気を持てなかったりするのだが。
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年齢を重ねると、リスクを恐れず、という姿勢でいられない。きっと、失敗したら恥ずかしいと思うからだ。だが本当に恥ずかしいのは何も行動を起こさないこと。幸い、年齢を重ねたなりに状況判断はうまくなっているはずだ。勝負どころで躊躇なく前に出る。そして走りきる。何歳になっても、そんな姿勢は持ち続けたい。

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