飛び出す勇気とやりきる覚悟~箱根駅伝、東海大学が初の総合優勝
第95回箱根駅伝は東海大学が悲願の初優勝を果たした。5連覇を目指した青山学院大学は往路6位に沈んだものの、復路で意地を見せ総合2位。往路を2年連続で制した東洋大学は力負けの総合3位だった。今回は最優秀選手に選ばれた東海大学の小松選手にフォーカスする。
箱根駅伝公式ガイドブック2019 2019年 01 月号 [雑誌]: 陸上競技 増刊
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/12/20
- メディア: 雑誌
- この商品を含むブログを見る
8区の小松がたすきを受け取った時はまだ4秒、首位の東洋大学がリードしていた。小松はすぐに追い付いたが、すぐに抜かず、ぴったり後ろにくっついた。
箱根駅伝ガイド決定版 2019 (YOMIURI SPECIAL 118)
- 作者: 読売新聞社
- 出版社/メーカー: 読売新聞東京本社
- 発売日: 2018/11/29
- メディア: ムック
- この商品を含むブログを見る
持ちタイム的には東洋大学の選手より上だから、小松が先行しても良さそうだがそうはしない。ここが駅伝の面白さでもある。そう、駆け引きだ。元日のニューイヤー駅伝でもアンカー勝負で旭化成の選手がMHPSの選手と並走して最後さしきった。自分の状態と相手の状態を比べ、残り距離を計算して勝負する。駅伝選手は脚が速いだけではダメなのだ。
サンデー毎日増刊 ニューイヤー駅伝 2019in ぐんま 第63回実業団対抗駅伝大会公式ガイドブック
- 出版社/メーカー: 毎日新聞出版
- 発売日: 2018/12/18
- メディア: 雑誌
- この商品を含むブログを見る
小松の場合はアンカーではないので、いかに東洋大学との差を広げるかがポイントだった。小松は相手が「鈍ってきた」と感じると14キロあたりでスパート。東洋大学の選手をみるみる引き離した。ここだと勝負どころを見極める目と、飛び出す勇気、そしてスパートする実行力。三つがうまくはまった。
箱根駅伝 2019 完全ガイド 出場23チーム有力選手写真名鑑&戦力分析 (陸上競技マガジン 2019年1月号増刊)
- 作者: 陸上競技マガジン編集部
- 出版社/メーカー: ベースボール・マガジン社
- 発売日: 2018/11/30
- メディア: 雑誌
- この商品を含むブログを見る
ここだと思っても、実行に移さなければ、思っていなかったのと同じ。いつかやろう、では永遠にできない。小松とて逃げ切ったらよかったものの、追い付かれていたら真逆の評価をされていたに違いない。そう、ここだと踏んだら何がなんでもやりきらねばならない。その大変さの想像がつくからこそ、飛び出す勇気を持てなかったりするのだが。
95回大会完全保存版 女子のための観戦ガイド WE ラブ 箱根駅伝 (集英社ムック)
- 作者: 集英社ノンフィクション編集部
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2018/12/11
- メディア: ムック
- この商品を含むブログを見る
年齢を重ねると、リスクを恐れず、という姿勢でいられない。きっと、失敗したら恥ずかしいと思うからだ。だが本当に恥ずかしいのは何も行動を起こさないこと。幸い、年齢を重ねたなりに状況判断はうまくなっているはずだ。勝負どころで躊躇なく前に出る。そして走りきる。何歳になっても、そんな姿勢は持ち続けたい。