黒柴スポーツ新聞

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日本シリーズMVP甲斐が保留。年俸提示額は妥当?

smartnewsに並んだ甲斐保留の記事。ソフトバンクの甲斐拓也が1500万円アップの年俸5500万円を保留したという。メディアがこぞって取り上げたのは、ひとえに日本シリーズMVPの男が保留した、という事象からであろう。



しかしプロ野球ファンの関心事は甲斐の年俸の妥当性だった。細かく見れば、5500万円というよりは上げ幅1500万円に甲斐は納得がいかなかったように見えた。

なお、きっちり書いておきたいが甲斐拓也はごねてはいない。数字的には胸を張れない趣旨のコメントもしている。ネット上では「勘違いしている」とも書かれているが、勘違いなんてしていない。一度整理したい、と言っている。

面白い分析をしている方をヤフコメで見つけた。守備で2500万円アップ。打撃は1000万円ダウン。だから1500万円アップになるのは妥当だと。なるほどなと思った。確かに投手と違い、野手は打撃と守備の両立が求められる。この点、甲斐も自覚している通り打撃の数字(打率は.213)は物足りない。ここが大きく足を引っ張っている。

では守備はどうかというと、甲斐キャノンという言葉が象徴する強肩で日本シリーズを制したものの、レギュラーシーズンは2位だったのだ。そう、クライマックスシリーズから日本シリーズまでソフトバンクが快進撃したためにホークスファンは嫌な記憶に上書きしてしまっていたのだが、ソフトバンクはレギュラーシーズンは2位だったのだ(筆者もホークスファンなのであえて2回書いた)。

そう、捕手の評価はレギュラーシーズンの順位と連動すべきと筆者は考える。やはりチームの要なのだから。きつい書き方にはなるが、2018年、西武とのマッチレースで致命傷を負ったのは千賀と甲斐のバッテリーだったと思っている。所沢での直接対決で浅村にホームランを喫した瞬間、ソフトバンクのレギュラーシーズン優勝は限りなく厳しくなった。そんな一発を浴びたことを考えると、甲斐の上げ幅は抑制されても仕方ない。
だが、チームの成績と連動するならば、日本シリーズも考慮していい。MVPを獲得できたのは甲斐拓也の力が大きい。結果からみたらソフトバンクが押しきったと見えるが、広島がいくつか盗塁を決めていたら押せ押せムードになっていただろう。そんな広島は手が付けられない。やはり甲斐の貢献度は高かったのだ。

ということから、甲斐の頑張りから現状の1500万円アップに500万円を加えて年俸6000万円としたらどうかと思うがいかがだろうか。


なお、守備の面でも、甲斐拓也が1試合フル出場していない点を指摘する声がある。それについては一部だけ反論したい。ソフトバンクは捕手併用制が奏功して日本一になった。だからウイークポイントではない。終盤、もうひと押しするきっかけとして甲斐に代打を送り、高谷を投入して逃げ切る。少なくとも2018年はコレがうまくはまった。もし高谷的な存在がいなければ、甲斐がそのまま9回までマスクをかぶったはずである。ゆえにどさくさ紛れでアピールするが高谷の評価もしっかりしてあげてほしい。



もちろん甲斐がリード面でも成長し、打撃でも数字を残せば名実ともに一流選手の仲間入りをするに違いない。課題が分かっている人はそこをしっかり手当てすればいいのだ。捕手の負担が重いのは否めないが球史に名を残す名捕手は打撃面でも数字を残している。甲斐拓也にもぜひそこにチャレンジしてほしい。

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