黒柴スポーツ新聞

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活躍する場は自分でつくる~川島慶三の活躍でソフトバンクCS制覇へ

1番秋山翔吾が象徴するような不動の西武打線に対し、さまざまな組み合わせができるのがソフトバンク打線の強みだ。これが大一番のクライマックスシリーズファイナルステージ初戦で威力を発揮。16安打の猛攻で西武のアドバンテージ1勝を帳消しにし、1勝1敗とした。


ソフトバンクは打線を組み変えた。特に1番起用の川島慶三がタイムリー2本を含む3安打と大当たり。左キラーゆえに菊池雄星対策だったのだろうが見事に勝負強さを発揮した。



川島慶三はシーズン終盤から試合の序盤以降の代打や守備固めでコツコツ結果を出してきた。CSでもヒットを重ねてきた。そう、限りなく低かった逆転優勝狙いの日々や日本ハムとのCSファーストステージの間、川島慶三明石健志、福田秀平、高田知季、西田らと出番争いをしてきた。もっとも、それぞれポジションや持ち味が違うので誰かが全く出ないということもなかったのだが。それでも、誰にしようかなとなった時、やはり頭に浮かぶのは結果を出している人。その意味では西武とのセカンドステージ初戦スタメンは川島慶三が自力で勝ち取ったものだった。

この日の川島慶三の逆転タイムリーはシビれた。先制しながらも連打で逆転され嫌なムードだったが4回表二死満塁のチャンス。前の打者・甲斐拓也が粘って四球を選んだことで菊池雄星が苦しくなった。さらに川島慶三に対してもツーボールとストライクが入らない。1球見送るかと思いきや、そこは「殺し屋」川島慶三インコースの球を見事に打ち返し3-2と逆転した。日頃、ひと振りに懸ける場面が多いことが見事に生きた。

さらに上林誠知が三塁打、グラシアルもタイムリーと一挙5得点。川島慶三からのこの1~3番を組んだ工藤公康監督ら首脳陣も笑いが止まらなかったに違いない。


中継でも触れられたが、川島慶三と言えば、西武との3連戦に全敗した時が「むちゃくちゃ悔しかった」ので「残り全部勝つつもり」と別の試合後のインタビューで宣言した。実際には勝てなかったのだが意気込みとしては最高だった。そう、このファイナルステージはホークスにとってはリベンジマッチなのだ。

生え抜き感出しまくりの川島慶三だが日本ハム、ヤクルトを経ての3球団目。しかし今やすっかりホークスのスポークスマンである。そんな川島慶三がファイナルステージ初戦で大暴れし、お立ち台に上がった。

「エースの菊池雄星君を潰して勝つイメージをしていた」「(次のステージ=日本シリーズへ)行けます、行きます!」。あまり西武を刺激してもいけないので近鉄加藤哲郎みたいな舌禍を起こさないかヒヤヒヤしながら聞いていたが、ギリギリセーフか。まあ西武は強いからこれくらいファイティングポーズを取らなければ勝てないだろう。

ファイティングポーズと言えば最終回の森唯斗起用は隙を見せないためだったのか。慣らしの登板だったのか。6点リードしていたので別の投手という選択肢もあった。


実は中継で解説の松沼博久が気になることを言っていた。ライオンズとしては森唯斗を手こずらせて球数を投げさせておきたい、と。西武ソフトバンクが競れば自ずと森唯斗の登板機会が増える。疲労が蓄積していくはずだと言うのだ。

そう考えれば加治屋蓮や嘉弥真新也の登板パターンも検討の余地はある。迷ってはいけないが引っ張りすぎず、薄氷も踏まず、出し惜しみもせず……というのは欲張りだがもつれにもつれる展開も頭に置いておきたい。

川島慶三に話を戻す。昨年日本一をきめるタイムリーを放ったのがこの川島だった。それをブログに書いたところ、「ただ来年まで現役生活が延びただけ」という感想をいただいた。川島慶三ファンとしては何てことを!と一瞬沸騰したがリアルな感想にも思えた。川島慶三は今年35歳。レギュラーではないからまさに1打席、1試合が勝負だ。
tf-zan96baian-m-stones14.hatenablog.com


そういう意味ではCSでまだまだやれるというアピールをしておきたい。それができれば自然とソフトバンク優位の流れになるはずだ。今後は右腕の多和田真三郎や今井達也らの登板となれば左キラー川島慶三の登場は限定されてくるが、左のワンポイントで好調な小川との対決も鍵になりそう。今後も川島慶三の働きに注目していきたい。