黒柴スポーツ新聞

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チャレンジの先に見える景色~中日ドラゴンズ新人の鈴木博志に期待

中日ドラゴンズの新人、鈴木博志に密かに注目している。ドラゴンズファンでもあるまいに。

たまたまテレビ中継で鈴木博志の投球を見たのがきっかけだが、勢いのある、荒々しいストレートに心を奪われた。リーグが違うのだが、何か懐かしいパ・リーグの香りを嗅いだような気分になった。中日は素晴らしい新人を獲得したたなあと思ったことだった。2017年のドラフト1位である。社会人のヤマハを経ての入団。即戦力とされていたのだろうが、8月2日までで45試合に登板。中日は95試合を消化しているので半分ほどになる。これはもう、なくてはならない戦力ということだ。

中日には鉄腕・岩瀬仁紀がまだいるが、鈴木博志はどうなるだろうか。ダイナミックな投げっぷりから、太く、短く、かなと想像している。近年のプロ野球は、再びかつての酷使時代に戻っている気がする。とにかくいいピッチャーは惜しげもなく、短い登板間隔で使っている。鈴木博志も2試合に1回のペースに近い。投手の肩は消耗品だから、鈴木博志はシーズンオフ、かなり年俸を望んでいい。

細く長くがいいのか、短くても行けるとこまで行っておくか。以前は細く長くがいいに決まっていると思っていた。しかし最近は期間は度外視している。結果さえ残せば、短期でも長期でも、どちらでもいいじゃないか、と。

鈴木博志に感じてほしいのは、今まさにチームに必要とされているんだなということ。筆者は精神論とか根性論は嫌いなのだが、鈴木博志には、新人にもかかわらず、ずっとチームに必要とされていることを意気に感じてほしい。

鈴木博志は、2日までで4勝4敗。救援投手として4敗というのはあまりよろしくない。きのう8月3日の巨人戦でも9回、阿部慎之助に同点タイムリーを喫し、岩瀬仁紀の救援を仰ぐ形になってしまった。

中日は首位争いをしているわけではないから、鈴木博志を育てながら起用できていると見た。上位争いをしているチームなら救援失敗はすぐ責任論に発展する。特に鈴木博志は新人だから、先輩の勝ち星を消してしまった場合は立つ瀬がない。新人投手はそういう事とも戦わねばならない。

だが、2試合に1回のペースで登板するからには、失敗してもいちいち落ち込んではいられない。とはいえ何も感じていないように振る舞えば「責任を感じていないのか」とつっこまれる可能性もある。難しい。

鈴木博志は今、打たれるのが仕事のような気がする。そうやって駆け引きなり投球術を身に付けていくのだ。いくらブルペンで豪速球を投げ込めようとも、そこに相手打者はいない。やはり実戦に勝る経験はない。いかにヒリヒリする場に立てるか。そう、場数を踏むことが成長につながる。

ヒリヒリする場面は、ミスをした場合のダメージも軽くはないし、とにかくその最中はしんどい。しかし乗り越えた時の成長は約束されている。いきなり責任あるポジションを任されて、鈴木博志も大変だろうけれど、2018年シーズンが終わる頃、マウンドから見える景色はずいぶん違ったものになっているのではないだろうか。

それはチャレンジした者にしか見えない。ドラゴンズファンでもないくせに、思う。いつか鈴木博志が優勝を決めるマウンドで仁王立ちしている姿を見てみたい。