黒柴スポーツ新聞

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自分のストライクゾーンをつくれ!~岡本和真は村田修一を追い越せるか

巨人の岡本和真に対し、ラジオで解説していた山崎武司がこう言っていた。まだまだ未完成。もっとよくなる、と。3割40発もいけますよ、と。

そのために必要なのは、「自分のストライクゾーン」なのだという。

ストライクゾーンはだいたいこの辺だと決まっている。しかし、もしバットが届いてヒットにできるのであれば、そこはストライクゾーンというか、振っていっていいらしい。

そう、ヒットにできるゾーンは人それぞれ。ある人には苦手なコースでも、別の人には大好きなコースだったりする。まだまだ発展途上の岡本和真のストライクゾーンは定まっていないのだろう。

経験が浅いと、自分ではボール球だと見送った球が「ストライク」とコールされる場合もある。この場合、ストライク!とジャッジするのは価値観が合わない上司だったりするのだが。それはもう、かつてパ・リーグにいた村田康一審判ばりにストライクだアウトだと価値観を押し付けてくる。もう、従うしかない。ではなくて、きちんとここからここまでなら勝負できるんだぞと自分で把握できていたら、あたふたすることもない。線引きさえできていたら、仮に他人に、思っていたのと違う判定をされても「ああ、考え方が違うのだな」と割り切ればいい。

では、自分のストライクゾーンって、どうやったらつくれるんだろう? やっぱり、最初はとりあえず振っていくしかなさそうだ。ここは当たる。ここは当たらない。ここはヒットにできる。ここはヒットにできない。経験を地道に積み重ねていくしかあるまい。

そういう意味では試行錯誤のシーズンなのに、岡本和真はスタメン定着初年度にして3割という数字を残そうとしている。ゆえに山崎武司が「まだまだよくなる」というのもうなずける。

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岡本和真が自分のストライクゾーンを確立できた時は、どんな数字を残すだろうか。まだまだ背中は遠いが、同じように高卒ドラフト1位の筒香嘉智のように「大木」に育つのが楽しみだ。そういう意味では2018年のNPB復帰が消滅し、否応なしに引退を突き付けられた村田修一は、巨人が「間伐」したことになるのだろうか。

巨人は伝統的に外様の強打者に冷たい。古くは張本勲が3000安打前にロッテへ。巨人への初恋を実らせた清原和博にも戦力外通告を突き付け、村田修一もその座を追われた。着けていた背番号25を背負っているのは実質的に村田修一を追いやった岡本和真である。もちろんこればっかりは巡り合わせだから、岡本和真が悪いわけではないのだが。岡本ならば、村田修一に匹敵する選手になれる可能性を十分感じさせてくれている。

岡本和真が自分なりのストライクゾーンを確立し、大打者になった時、ひっそりと浮かばれるのが村田修一なのかもしれない。

その頃にはまた、次のジャイアンツを担う若手が背番号25を奪いに来たりして…プロ野球の生存競争は恐ろしい。