黒柴スポーツ新聞

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選択が正しかったかは自分次第~佐賀北がばい旋風から11年

広島の野村祐輔が久々の一軍マウンドに立っている。舞台は甲子園。きょう6月23日までに2勝。他球団の主力は8勝~10勝しているから、野村はだいぶ水をあけられている。

野村祐輔はあす6月24日が誕生日で29歳になる。野村祐輔は18歳の夏、甲子園の決勝で躍動しながらも一発のホームランに打ち砕かれた。あの有名な佐賀北の副島浩史による満塁ホームランだ。

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その副島浩史の記事を見つけた。西日本新聞の「新がばい旋風!甲子園V佐賀北OB指導者3人が火花 満弾男・副島は今…/夏の高校野球 佐賀大会」だ。懐かしみながら、楽しませてもらった。

書いておいてなんだが、野村祐輔にしろ副島浩史にしろ、何かとあのホームランに絡められてしまう。それはアスリートの宿命でもあるのだが、特に高校野球ファンは恐ろしいほどの記憶力なのでもはやあきらめてもらうしかない。

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しかし野村祐輔明治大学へと進学してカープに入り、主力へと成長したのであのホームランはきちんと糧にできたはず。となると俄然副島浩史が気になる。

副島浩史は佐賀北ではなく、同じ佐賀県内の唐津工の副部長になっていた。大学卒業後に佐賀銀行に就職。おそらく佐賀県内では有名人だから、いや、それでなくともまじめにコツコツ働けば、それなりに地元で幸せをつかめたに違いない。

しかし副島浩史は教員試験にチャレンジした。今は保健体育の先生だという。詳しくは前述の記事を読んでいただきたいが、新たな生き方を高校野球の現場で探すことにした。

言うは易く行うは難し。試験は一発でパスした訳でもない。その時の選択が正しかったかなんて、すぐには分からない。正解にできるかどうかは自分次第だし、結果を残すしかない。

果たして副島浩史の「2本目の逆転満塁ホームラン」は出るのだろうか。それは育てた唐津工ナインと甲子園に出場することなのか。別に地元企業にいたままでも劣勢な訳ではないから「逆転」ホームランでもないのだが、ぜひ教え子らと夢を叶えてほしいなあと思う。それはきっと「がばい旋風」の続きなのだ。あれから11年。副島浩史も、野村祐輔も、それぞれの現場で戦っている。


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