黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

経験する価値を知っている大谷翔平

「いくら払っても経験する価値がある」。何かと思えば、大谷翔平が2011年サイヤング賞投手のバーランダーと対戦後にそう話していた。そう、いくら払ってもやっておきたいことはある。

不可能を可能にする  大谷翔平120の思考

不可能を可能にする 大谷翔平120の思考

もちろん、片っ端からやっていてはお金が続かない。しかし人は、どうしてもやりたいことはどんな手を使ってもやる。だから、忙しいとか、お金がないとか、時間がないというのは、結局言い訳なのだ。

もちろん、遠距離恋愛みたいに距離的にも時間的にも制約がある場合はある。しかしやはりそこはどうにかしてしまうものだと思う。

先日、高知市の牧野植物園に行ってきた。草花を観賞するのはもちろん、日本が誇る植物学者、牧野富太郎博士の生涯について学ぶこともできる施設なのだが、そこに博士のある考えが紹介されていた。ざっくり言えば、学ぶ時はケチケチしてはいけないよ、と。書物も必要なら買えとか、そういうことらしい。

MAKINO―牧野富太郎生誕150年記念出版

MAKINO―牧野富太郎生誕150年記念出版

付随して、教えを請うには年齢の上下は関係ないともあった。いわく、学ぶ心さえあれば、するべき投資はするべきだし、年下に教わることも恥ずかしくないということだ。求道者はもろもろ合理的である。

大谷翔平はもう少し日本で過ごしてからメジャーに挑戦すれば、もっと高額の契約が見込めたがそうしなかった。いま行くことに価値があると踏んだのだ。このように考えられることは、大谷翔平の大きな才能と言える。自分を客観視できる点は素晴らしいとしか言いようがない。

大谷翔平 挑戦

大谷翔平 挑戦

野球と植物学はまったくリンクしないのだが、大谷翔平は道を極めた牧野富太郎博士の考えをまさに実践しているように見える。確かに、二人のようなけた違いの投資はなかなかできない。しかし、例えばこれは読みたい本だ!とビビビと来た時はすぐ買うとか借りるとか、また、この人に会いたい、話を聞いてみたいとか思ったら時間を取ってほしいと伝える。そのくらいはきっとできる。

道を極める人と凡人の差は、実は、すぐ動くか動かないかというちょっとした違いなのだが、多くの人はその運命の交差点を気付かずに通り過ぎている。気になったなら、とりあえず信じた方向に行ってみよう。