黒柴スポーツ新聞

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啐啄同時でないと部下はツラい~ちぐはぐな金本監督と藤浪晋太郎

ポテンシャルの高い部下が伸びないのは、上司にも原因がある。阪神金本知憲監督と藤浪晋太郎の組み合わせはその典型に思える。

開幕2戦目に藤浪晋太郎が起用されたのを知り、ああ、よかったなと思った。2017年シーズンは3勝に終わったから2018年は復活しないといけない。入団以来3年連続2桁勝利の輝きを取り戻さねばならない。藤浪晋太郎復活は阪神首脳陣も全員願っているだろう。

ならば、と言いたい。阪神ファンはすでに議論済みであろうが、4-2とリードしていた5回を終えて交代すべきではなかったか。日本テレビの中継で解説者の桑田真澄も「ボクなら代えます」と断言していた。いわく「シーズン初登板で勝つという結果が残ればいい」。

しかし金本知憲は違った。「今シーズンの軸」と期待するからこそ続投させた。だから代え時に藤浪晋太郎に打席が回ってきたがそのままバッターボックスに送った。梅野にバントさせたのなら藤浪晋太郎に代打→追加点、というシナリオは素人でも思い付くのだが。勝つための最善策を選ぶのが指揮官のはずだが?

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そう、金本知憲監督が二つ上の結果を求めてしまっているのだ。二段階一気に伸びる逸材は確かにいる。しかし、藤浪晋太郎の成績を振り返ってほしい。勝利数は10→11→14→7→3と、伸びて、下がっているのだ。いま何が必要かと言えば結果だ。

名選手が名監督になるとは限らない。いや、よくいる。プレーヤー時代の感覚が抜けきれずマネージャーに徹することができない上司が。金本知憲のストイックな姿勢は、残した実績から誰も否定しない。が、部下が同じようにできるわけではない。

人生賭けて―苦しみの後には必ず成長があった

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2018年シーズンは打線が充実しており、これは金本知憲監督が就任以来、我慢して若手にチャンスを与えてきた賜物だ。打つ方には結果が出ているのだが、喝を入れて伸びる人とそうでない人はいるのだ。

ちなみに桑田真澄は言っていた。藤浪晋太郎に足りないのは走り込みではなく、技術力だと。大阪桐蔭時代から素晴らしいパフォーマンスを披露してきたものの、やはり狙ったところに投げきれないとプロ野球では長く生き残れない。藤浪晋太郎の今後を考えるなら、いい感覚のまま降板させた方がいいと思うのだが、甘やかせすぎだろうか?

殻を破れないとエースになれない。そんな声があるのは百も承知。しかし部下のコンディションを理解せず期待だけするのは無責任だ。

啐啄同時という言葉がある。禅の教えらしいが、啐はひながかえる際に卵の殻を内側からつつくこと、啄とは親鳥が外から殻をつついてやることを意味する。弟子がまさに悟りを開こうというタイミングで師匠が教えを与えることで悟りの境地に行ける。啐啄同時とか啐啄の機という言葉で表現される。いかがだろうか。筆者には待ちきれない金本知憲監督が外から卵の殻をハンマーで叩いているように見えるのだが。

高校時代、双璧だった大谷翔平は海をわたりメジャーリーグ開幕戦スタメンで初ヒット。藤浪晋太郎も潜在能力は折り紙つきだ。きっかけさえあればまだまだ上を目指せるし、そうなってほしい。今日から新年度。上司が栗山英樹タイプになるか金本知憲タイプになるかで部下の人生は大きく変わる。


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