黒柴スポーツ新聞

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野球は怖い。だけど面白い~センバツ9回ノーヒットノーランでも彦根東・増居敗れる

ノーヒットノーランです、とアナウンサーが言った途端に記録が途切れるのは野球あるある。そして途切れたら、負けるというのもよくある話。第90回選抜高校野球彦根東、増居翔太投手もそうなってしまった。


近年は打撃力の向上が目覚ましく、打ち合いの試合も珍しくない。そんな中、増居翔太投手と、対戦相手の花巻東・伊藤翼投手の投げ合いは久々に投手戦の面白さを思い出させてくれた。

試合開始から見ていなかったのでしばらく気付かなかったが、伊藤翼投手は1回ノーアウトからのリリーフで10回まで投げたから、実質完投、完封だ。被安打6ではあるが、野球の勝ち負けは安打数ではない。

それはそのまま増居翔太投手にも当てはまる。10回に初ヒットを許し、その後ヒットや四球で満塁となったが最後は犠牲フライ。わずか被安打2で敗れた。これが野球の怖さであり面白さでもある。

特にこの第90回選抜高校野球大会は劇的。3本のサヨナラホームランがあり、うち2本は逆転サヨナラ3点ホームラン(明徳義塾の谷合と日本航空石川の原田)。30日は1日に二度もサヨナラホームラン(前述の日本航空石川の原田と、創成館の松山)。1大会に3本のサヨナラホームランは史上初、1日に2本のサヨナラホームランも史上初だ。

明徳義塾に至っては初戦で谷合が9回ツーアウトから逆転サヨナラホームランを放ち、次の3回戦では逆に日本航空石川に逆転サヨナラホームランを食らう、しかも谷合の頭越しにというドラマ。野球の神様、甲子園の脚本家は天才だ。

明徳しかり彦根東しかりだが、やはりチャンスにきっちり得点しておくことが大事。結果がまったく違ってくる。そして逆の立場ならこうも言える。「次の1本」さえ打たれなければいいのだ、と。たとえノーアウト満塁でも3人続けてアウトにできたらいいのだ。

花巻東の伊藤投手も9回にツーアウト1、3塁とピンチになったがファウルフライでピンチを脱したし、8回もツーアウトからセンター前に落ちようかという当たりを打たれたが、菅野がダイビングキャッチ。花巻東がよくしのいだとも言えるのだ。その点、増居投手の最後の球は高くなり、犠牲フライにつながってしまった。たらればを言うときりがないが、あれだけ低めに制球できていても、一度でもミスをしたら命取りになる。だからこそ、野球から目が離せない。面白い。やっている方は大変だろうけど。

センバツの裏でプロ野球が開幕した。球児たちも懸命だが、プロ野球選手も人生をかけている。その一球でスターになり、その一球で2軍に落ち、下手したら引退することも…野球は恐ろしい。そして、だからこそ面白い。2018年も野球を存分に楽しみましょう。

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