第90回選抜高校野球で高知の
明徳義塾が初戦を突破した。
劇的な逆転サヨナラ3ラン。
フォーカスされたが、
明徳ウォッチャーは知っている。
だったということを。
最悪のダブルプレー
やられたらやり返したいところだが
その8回の攻撃は先頭の渡部颯太が
四球を選ぶも主砲・谷合悠斗が
最悪のダブルプレー。谷合も必死の
ヘッドスライディングを試みるも
アウトになり、あごに付いた土が
余計に敗戦ムードを漂わせている
ように見えてしまった。
明徳たるゆえん
が、おそらく敗戦ムード云々を
言うのは部外者だけで、
だったのだろう。ここからが、
続く中隈廉王が内野安打。そして
すかさず盗塁成功。二死ながら
ランナーは進み、安田陸が
しぶとくタイムリーを放ち1点を
返した。これで4-5。試合は
まだまだ分からない。
ずるずるいかない
最終回を1点リードで迎えるか
2点リードで迎えるかは、
2点リードでもまったく
セーフティリードではないのだが。
しかし、明徳の8回の1点は、
勝ちにつなげようという
一手だった。そう、明徳は
黄金期の西武ライオンズばりに
「負けない」チームなのだ。
大事だなと再認識させられた。
じわじわいく
じわじわいく反撃は9回にも。
野球はツーアウトからの言葉通り、
さらに最善を尽くして代走に
保市勇平を送った。そして
渡部颯太は死球を受け、舞台は
整った。バッターボックスには
あごに土を付けたままの
谷合悠斗が入り、豪快に
逆転サヨナラ弾をスタンドに
叩き込んだのだった。
陰のMVPは
というわけで陰のMVPは8回
谷合ゲッツーの後も気持ちを
切らさなかった中隈&追い上げ
タイムリーの安田を個人的には
選びたい。エース市川だけ
でもなく、四番谷合だけでもなく。
忠実な継承者がそろっているように見える今年の明徳義塾。初戦の厳しいヤマを越えたから余計に、優勝が狙えるのではと期待している。