黒柴スポーツ新聞

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インフルエンザ明けで区間賞!都道府県対抗駅伝の鍋島莉奈に学ぶ

都道府県対抗女子駅伝で、高知の鍋島莉奈選手(土佐山田高校出、日本郵政グループ)が1区の区間賞に輝いた。序盤から先頭集団の前方にいて、勝機をうかがっていた。そして満を持してのスパート。やはり勝つのは、脚が速いのはもちろん、クレバーなランナーである。

応援していただけに、区間賞になってうれしかったのだが、その後、思わず得した気分になった。


それは走り終わってからのインタビューの時のこと。

「きょうのベストを出そうと思った」

鍋島莉奈選手は、走るにあたっての気持ちをそう表現した。

何とインフルエンザ明けだったとか。それであの走り! 断続的に駅伝中継をチェックしていたから聞き間違えたかと思ったが、間違いではなかった。

体調が十分ではなかったからこその言葉であり、だからこその発想だったのだろうけれど、この言葉は深いなと思った。

そう、やみくもにベストを狙うというよりも、「きょうの」ベストを出せばいいのだ。


忘れていた。1日1日は違うことを。体調。心境。作業の難易度。仕事をする場所、相手やライバルの有無…。職人のように、決まった場所で作業する人もいるが、気温や湿度、天気などによりやり方を変えているはずだ。そう、自分も周りも同じ日なんてない。

とはいえ、上級者なり、プロだからこそ一定の成果を上げることが求められる。毎回ベストが出せるにこしたことはないが、伸び盛りでもない限り、それは難しい。だからこそ「きょうの」ベストを出せば、狙えばいい。なかなかいい発想に思えた。

不安定な毎日ではあってもその中でのベストを出す。デキる人なら仕事を連続性のある「線」でやる。だがやはり線も1日1日の点のつながりがあってこそ、線に見えるというものだ。

「きょうの」ベストを出し続けることで安定感が出る。安定感を出す。まずはそこから意識しよう。鍋島選手が作った流れを受け継ぎ、高知は過去最高の16位。年頭からいいものを見せてもらった。

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