黒柴スポーツ新聞

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野球ファンなら読んでおきたい「勇者たちへの伝言」~人生は選択の連続、だからこそ勇気を

鈴木啓示の「投げたらアカン!」を買うにあたり、Amazonを利用。その際ほかのおすすめ商品で「勇者たちへの伝言 いつの日か来た道」(増山実氏著、ハルキ文庫)にビビビと来た。

勇者たちへの伝言 いつの日か来た道 (ハルキ文庫)

勇者たちへの伝言 いつの日か来た道 (ハルキ文庫)

レビューによれば、阪急ブレーブス在日コリアンの歴史がうまく絡んでいる。一気に読ませる、という。普段フィクションを読まない黒柴スポーツ新聞編集局長だが、気になったので買ってみた。そしたら本当に一気に読めた。しかも風呂に3時間ほど浸かりながら…

入浴前に少し読んでいたのでそれでも4時間くらいで読めた。それほどに引き込まれた。直感は信じてみるものだ。といいつつさんざんAmazon上で皆さんの感想を読んでガチガチに品定めをしていたが。

著者、増山実氏は放送作家の経験がある。だから、構成が巧みなのはさすが。本当にいいところで次の章にいく。週一のドラマにしたら、すぐに来週が待ちきれなくなるだろう。

画も浮かびやすい。これも放送作家さんのなせる業か。「勇者たちへの伝言 いつの日か来た道」の軸は今はもうない西宮球場だが、一度でも行ったことがある人ならさらに鮮明に映像化できるだろう。黒柴スポーツ新聞編集局長は、西宮球場は未経験だから無理だったが、球場はあちこち行ってるから観戦シーンなんかはまあ何とか組み立てられた。

情景描写もすっきりしていて読みやすかった。元々修飾語が多用される小説は肩が凝る。だからこの作品くらいがちょうどいい。この点は普段あまり本を読まない人向きと言える。サクサク読めてしまうから、通勤時間のお供になんか最適。続きが気になって早く帰りたくなるかも?

物語は西宮球場やら阪急ブレーブスやら、在日コリアンに呼び掛けられた北朝鮮への帰国事業など実在の場所や歴史がフィクションの世界でうまく噛み合っている。計算されつくされている。小説ではあるが台本的にも読める。読み終えた時、映画を一本見たような満足感と軽い疲労感があった。

そう、コメディではないからワクワクとも言えない。展開が読めないゆえのドキドキか。

登場人物もそれぞれ存在感がある。存在する意味がある。有名人でもスターでもないけど、それでも語るに十分な過去がある。当たり前だけどそれぞれの人に人生がある。そんな当たり前のことを再認識させられる。

人生が選択の連続であるということも。それは必ずしもうまくいくとは限らない。むしろ失敗が多いかもしれない。

だとしても「勇気」を出してやった結果であるかどうか、勇気を出せたかどうかが大事な気がする。そこをかみしめるとこのタイトル「勇者たちへの伝言 いつの日か来た道」に味わいを感じることだろう。

野球好きには阪急のバルボン高井保弘が出てくるのがたまらない。いい味を出している。どこまでほんとなのか、架空なのか分からないが、物語にハマっている。ぜひこの二人にも注目して読んでいただきたい。
tf-zan96baian-m-stones14.hatenablog.com

阪急のエースだった梶本隆夫にも触れてくれているがこれもたまらない。
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とにかくネタバレしないよう、気を付けて書いてきたがまさにてんこ盛りの丼のようなオイシイ作品なので具がこぼれかねない。このへんで終わっておこう。対象年齢はどちらかと言えば若者よりは人生をある程度ふり返れるアラフォー以上の方におすすめか。ネタも阪急だし。

こう考えると阪急ブレーブスが消滅したことが恨めしい。惜しい。球団がなくなるということはビジネスの世界だけの話ではない。人の生き方にまで影響を与えるのだとつくづく思う。そういう意味では大洋ファン、南海ファン、近鉄ファン西鉄ファン、ロッテオリオンズファンあたりでも十分楽しめるとみた。スカッとする作品ではないが体の中からじんわり「読んだな」感がある作品。テレビドラマや映画が好きな野球ファンにはおすすめです。秋の夜長、ぜひお楽しみください。
勇者たちへの伝言 いつの日か来た道 (ハルキ文庫)

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