黒柴スポーツ新聞

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山崎康晃、無失点を続けて守護神復帰~信頼はこつこつ取り返すしかない

人事異動で言えば降格だった。DeNAの守護神・山崎康晃は4月、抑えが安定だった。そして中継ぎに配置転換させられていた。だが、5月20日の巨人戦で抑えに復帰した。なぜ復帰できたのか?

 ずばり、中継ぎとして16試合連続無失点だったからだ。

 

そう、失った信頼はこつこつ取り返すしかないのだ。

 

「やれます」「もう二度と失敗しません」

ミスしたあと、ありがちなセリフだ。が、何と弁解するより結果が大事。その点、山崎康晃の無失点記録は実に分かりやすい。同じミスを繰り返していないのだから。

 配置転換あるある

配置転換を打診された人は、3通りの行動がある。

1.新しい持ち場で頑張る

心機一転、新しいポジションでやってみる。力があったり、運が良ければそこで道が開ける。「新しい自分に出会える」可能性もある。

2.腐ってやる気を失う

一番やってはいけない。配置転換(注:左遷ではありません)させられた意味を分かっていない。自暴自棄になればさらにマイナス評価間違いなし。

3.前のポジションに戻ろうとする

そここそが自分の輝ける場所と分かっている人がとる行動。戻るためにレベルアップしようと努力する。

 

山崎康晃の抑え復帰を報じる新聞記事で面白いなと思ったのは次のくだり。「ルーティンを変えないとこだわってきた」。抑えに戻るために、あえて自分のリズムを変えなかったという。そう、山崎康晃は3番目の選択肢「戻る」を強く意識していたのだった。

 

ただし、「戻る」を選んだ場合でも、ただ単にその地位の「居心地がいい」から戻りたいという自己中心的な行動の場合はほめられたものではない。組織においてその人の居心地のよさなんて二の次。戦力になって、その人らしさその人ならではの能力を発揮しないとその人にとっても組織にとっても不幸でしかない。

 

山崎康晃の場合はキレのあるストレートが持ち味。沈むツーシームもある、と新聞記事に書いてあった。巨人を応援しているのになんだが、山崎康晃が自分の力ではい上がってきたのがうれしくてネタに選んでしまった。

 ラミレス監督の深いせりふ

そしてネタ元の新聞記事で面白いなと思った下りがもう一つ。ラミレス監督は山崎康晃にこう伝えたという。

「九回を任せる。今は臨時だが、シーズンの最後まで務められるかは君次第だ」

 

深い。ラミレス監督就任時、筆者はDeNAがやらかしたと思った。話題先行だと思ったのだ。しかしどうだろう。2016年は、中畑清も成し遂げられなかったクライマックスシリーズ進出を果たした。筒香嘉智をタイトルホルダーにし、抑えを任せた山崎康晃プロ野球史上初の「新人から2年連続30セーブ」をマークした。 操縦術はあるのかもしれない。

 ラミレス監督は人情家?

また、ラミレス監督は案外人情家かもしれない。そう思わされたのは三浦大輔引退試合の「続投指令」。最終登板で三浦大輔はめった打ちにあい、降板かな、と誰もが思っただろうが5回も6回も続投。もう交代かと思いきやそのままバッターボックスに立たせ、もう終わりかと思いきや7回もマウンドに送った。

 

この続投や最後のあからさまな雄平の三振は賛否両論あると思うがあれこそがプロ野球の引退興行である。そこに真剣勝負の要素を求めてはいけない。間違っても雄平だけは責めてはいけない。あの状況で上手に空振りするのはさぞ難しいことだろう。もちろんそういうわがままが許されるのは三浦大輔みたいなレジェンド、トップクラスの選手だけだ。

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 自覚を求める

人情を感じさせたラミレス監督ではあるが山崎康晃への「君次第」発言はドライな感じがする。ビジネスの世界ではよくありそう。ドライではあるが「任せたぞ」というよりも「自覚」を求めて言う言葉だ。山崎康晃のような伸び盛りの若者にはもってこいの言葉に思えた。

 

配置転換は意図せず「腐ってやる気を失う」状態に陥れるリスクもある話。今やみんながみんなガッツがあると思ったら大間違いのご時世だ。だからこそ山崎康晃のような若者が実力で前の地位を奪い返した姿に目が行ってしまった。やはり失った信頼はこつこつ取り返すしかないんだなと思った。それはプロ野球選手も一般人も同じ。山崎康晃の頑張る姿を見ると、何だかこっちまでやる気が起きてくる。

 

抑えとは過酷なポジション。リードを守って当たり前。失点して負けたらすべての責任を負わねばならない。それがたった1球の過ちだったとしても。だからこそ1球に魂を込める山崎康晃の救援から目が離せない。山崎康晃が守護神のポジションを守り通したらおのずとDeNAは2016年シーズン同等かそれ以上の成績を収めることだろう。

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