黒柴スポーツ新聞

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可動域は意識しないと広がらない~志国高知 幕末維新博の「そっくり」ポスターを見て自戒する

可動域を広げる。イチローのトレーニング風景を見たことがあるだろうか。あのイメージ。関節の可動域を広げる、もしくは維持している。可動域はパフォーマンスの可能性、とも言い換えられそうだ。

 

可動域。気になっていた言葉であり、今も意識している。その思いは先日、日々頭を使って行動している人たちに会いに上京したことで増幅された。良質のアウトプットをするには良質のインプットが必要。当たり前だ。だからこれからも意識が高い人と関わり、美しいものを見ようと思う。

 

2月11日付の高知新聞で気になる記事を見つけた。

※全文ではないがさわりは下で読めます。

高知県、維新博ポスターそっくり 過去に開催した別の企画展と|高知新聞

 

「志国高知 幕末維新博」という高知県の観光キャンペーンが3月4日に開幕するが、そのポスターが、2010~11年の「土佐・龍馬であい博」に合わせて開かれた企画展ポスターにクリソツなのだ。酷似の度合いは写真を見て判定してください。

 

高知新聞記事によると、プロポーザル方式での審査で参加作が基準点に満たなかったため、「維新博のイメージに合う」と審査員から意見があった例のポスターをベースに、当時デザインを担当した会社に高知県が発注したという。

 

維新博開幕まで時間がなかったからとか、そういう問題ではない。「志国」とか言ってるけど志が低いんじゃないの?とツッコミたくもなる。

 

デザイン会社は高知県から「あれをベースに」と言われていなかったらまっさらな案を提示したのかどうか。今となっては分からないけれど、クリエイターならそうあってほしい。前に合格点をもらえた会社であれば「ハズす」ことはない。今回の維新博ポスターだって、過去のポスターうんぬんの話を聞かされなければ「華やかでいいね」と思われそうな出来栄えだ。だが見れば見るほどこれはAがA'になった作品である。

 

長年ものづくりをしてきた人ならいくつも引き出しがある。こういうリクエストにはこう応えたら喜ばれるという方程式がある。そういう顧客本位のテクニックならいい。だが自分自身もある種の弱さに気付いている。こうしたら失敗はしないという逃げ口上的に過去の引き出しをそっと開けていないかな、と。

 

これは明らかに可動域を狭めている。

 

大失敗はない。代わりに成長の芽を摘んでいる。気付いたら引き出しはどんどん減る。結果、職人としての関節が動かなくなる。死。それは極論かもしれないけれど。

 

そうならないためには出来ること、やることを意識して増やすことだ。可動域を広げる。当分これを念頭に行動していこう。

 

維新博もどうせならケチがついたとひねくれるのではなく「ポスターは一緒だけど中身はグレードアップしています」くらいのお洒落な切り返しを期待したい。高知の歴史やおいしいものに触れてもらうせっかくのチャンスなのだから。

 

bakumatsu-ishinhaku.com

ポスターにまつわる別記事はこちら。

tf-zan96baian-m-stones14.hatenablog.com

 

 


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