ホークス、スワローズ、イーグルスは酉年シーズンにはばたけたのか~国鉄民営化30年なのでスワローズを中心に
今年、2017年は酉年。プロ野球にも鳥にまつわるチーム名がある。ソフトバンクホークス、東京ヤクルトスワローズ、そして楽天ゴールデンイーグルス。それぞれ酉年の成績はどうだったのか調べてみた。
【ホークス】カッコ内は監督、以下同じ。
1945 戦時中
1957 2位(山本一人)
1969 6位(飯田徳治)
1981 5位(ブレイザー)
1993 6位(根本陸夫)
2005 2位(王貞治)
【スワローズ】
1957 4位(宇野光雄)
1969 5位(別所毅彦)
1981 4位(武上四郎)
1993 1位(野村克也)
2005 4位(若松勉)
【イーグルス】
2005 6位(田尾安志)
なかなかのBクラスぞろいである。楽天は初年度とあって同情的な面もある。意外だったのはホークス。戦後鶴岡一人(山本一人)による長期政権中は安定してAクラスだったので優勝もあるのかと思いきや、酉年は鶴岡一人監督就任前の1945年で戦争の影響から野球が行われず。1957年は2位。1969年は鶴岡一人から飯田徳治にバトンタッチしてすぐのシーズンで最下位に沈んだ。
スワローズは最下位こそないものの4位だったり5位だったり。ただし鳥系球団唯一の酉年優勝を1993年に達成している。日本シリーズも4勝3敗で西武を下し見事日本一に輝いた。
かつて国鉄がプロ野球チームを持っていた(厳密に言えば外郭団体が運営)ことを知る人も少しずつ減っている。しかし今年は国鉄民営化30年の節目。野球ファンならあえて国鉄スワローズに目を向けてみよう。というわけでおすすめの1冊。
国鉄スワローズ1950‐1964―400勝投手と愛すべき万年Bクラス球団 (交通新聞社新書)
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堤哲さん著「国鉄スワローズ1950-1964」。チーム創設から球団「消滅」まで、そして万年Bクラスの球団を支えた不滅の大投手・金田正一にまつわる話が書き込まれている。
この本が「交通新聞社新書」ということも推しておきたい。当然国鉄についても詳しく書いてあるから鉄道ファン目線でも楽しめると思う。鉄道ファンであり野球ファンなら2倍楽しめる。
本によると、下山事件で有名な下山定則・国鉄総裁の後を引き継いだ加賀山之雄総裁が野球好きだったことがチーム誕生の契機だったそうだ。後に初代スワローズ監督になる西垣徳雄と加賀山之雄は西垣が法政大学卒業後、東京鉄道局に採用された時の人事担当者だった。
1946年11月、東西対抗野球最終第3戦後で審判を務めた西垣徳雄は帰京のため列車に乗った。そこで加賀山之雄にばったり会う。
西垣 「総裁、どうでしょう、国鉄には管理局ごとに野球チームはありますが、全国職員の士気高揚のために、プロ野球チームをお持ちになったらいかがでしょうか」
加賀山 「それは面白いなあ」
もちろんそれだけで球団が出来てしまうほど簡単な話ではないが、国鉄球団創設のきっかけが列車内の会話、というだけでも面白い。
なおチームの愛称は国鉄50万職員から募集。8315通も来たと言う。特急つばめのイメージ。速い、スピード感がある。つば九郎はまるっこくてちょっと違うような…。
1964年には東海道新幹線が開業するも、国鉄は赤字に転落。球団経営が苦しくなり1965年からはサンケイスワローズに。その後アトムズという名前になったりもしたが、1974年からは再びスワローズの名前が引き継がれている。
国鉄民営化30年で、酉年。果たしてスワローズはよい成績を修めることができるのだろうか。
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