FA制度導入24年目でも制度と向き合わない広島の姿勢は本当に美談なのか
12月18日配信のスポニチ記事「FA制度導入24年目 獲得選手ゼロの球団とは」に違和感ありだ。
まずは記事を読んでいただきたいが、読まなくてもお分かりだろう。ズバリその球団とは広島。スポニチは2016年に広島と、もう一つの獲得数が少ないチームである日本ハムがリーグ優勝したことで「一つの答え」を出したと書いた。果たしてそうだろうか?
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日本ハムはともかく広島は優勝が25年ぶり。黒柴スポーツ新聞で過去に指摘したこともあるが四半世紀ファンを待たせたことはかなりの罪である。
巨人が選手を獲得するとすぐ金の力にものを言わせてと言われる。だがFA制度はルールだ。寒い時は新しい上着を手に入れていいのに、広島は上着を買うお金がない、いや、寒がったりしないそぶりをしながらずっと半そでで寒い寒いと言ったり、風邪をひいているようなものだ。
24年間FA制度にそっぽを向いた結果が何をもたらしたか。
巨人はFA制度導入(1993年)より後、Bクラスは1997年長嶋茂雄政権での4位、2005年堀内恒夫政権の5位、2006年原辰徳政権の4位のわずか3回だ。
一方の広島はBクラス16回。これこそが広島が出した答えではないのか?
実際、エルドレッドもジョンソンも億単位の待遇で球団に残っている。プロチームなのだから必要な戦力に投資するのは当たり前のことだ。
それにFAは選手がよいパフォーマンスをしてよい成績を残すことで存在価値を高めるからこそよい待遇が得られる制度だ。巨人は2016年シーズンオフに山口俊、森福允彦、陽岱鋼の3選手を獲得したが、巨額の投資はハイリスクハイリターンというだけだ。
今、広島の選手も契約更改中。野村祐輔、丸佳浩、石原慶幸、新井貴浩と1億円プレーヤーがそろってきた。勝つということは、強いチームということはそういうことだ。お金はかかるのだ。
自前の戦力を育てて日本一を目指すのも、そういうカープというチームを愛するのも自由だ。しかしその結果、32年日本一から遠ざかっていることを忘れてはいけない。
きょうの1枚は川口和久。広島が最後に日本一になった1984年にも在籍。その後巨人入りし、胴上げ投手にもなった。川口和久、江藤智、金本知憲あたりが残っていればここまでカープは低迷しなかったことだろう。果たして広島は今後もFA制度に背を向け続けるのだろうか。