現役中は毎日成長しなければならない~巨人移籍を決めた陽岱鋼の野球観
巨人入りを決めた陽岱鋼の心境が、台北共同発の記事になっていた。黒柴スポーツ新聞編集局長が購読している新聞(12月18日付)に載っていた。だいたい1日に一つくらいは新聞記事から新しい発見がある。いや、発見できる感度を毎日高めようとしているという方が正確か。意識してこそ成長の余地がある。
だから陽岱鋼の記事もこのくだりが印象に残った。
「現役であるうちは毎日成長しなくてはいけない」
なんだ、そんなの当たり前じゃないか。そう思うことだろう。しかし黒柴スポーツ新聞編集局長は恥ずかしい思いをしたことがある。尊敬する先輩から、松浦弥太郎の本をお借りした時のことだ。本には「日々勉強しないといけない」旨のことが書いてあった。どうしても何も「勉強しないでよくやっていけますね」と言われているように思えた。それで恥ずかしかったのだ。
毎日同じ作業をきっちりやればいい職場もあるだろう。だが黒柴スポーツ新聞編集局長がそこにいたとしたら、毎日ちょっとでも効率よくできないか考える。別に効率だけ重視するのではない。もし時間が浮いたらそのぶん自分や周りの人のために使えるし、もしお金が浮いたら自分や周りの人のために使いたいから。もちろん楽に作業をするためでもある。
陽岱鋼はこうも言っていた。
「野球って不思議。毎日違うことが起こる。毎日勉強できる」
いい心がけだ。ラミレス監督には「巨人、取り過ぎだ」とFA選手の補強をチクリと批判されたが陽岱鋼の移籍に関しては編集局長も評価している。いや、この記事を見て陽岱鋼獲得はよかったと思えるようになった。
FA選手は数々巨人入りしたが満足な結果が出なかった人が何人もいる。片岡治大の加入時は編集局長も心ときめかせたが往年の輝きは失われたままだ。陽岱鋼はそうなってほしくないし、片岡治大ももうひと花咲かせてほしい。
陽岱鋼といえば2005年のドラフト会議でいったんソフトバンクが交渉権獲得と発表されるも実は日本ハムだったという混乱を思い出す。2016年に新人王になった高山俊も同じようなことが起きた。10年間も改善されなかったんだな。
とはいえ、陽岱鋼と陽仲寿が同一人物だったことには2016年に気付いたから黒柴スポーツ新聞編集局長も人の批判はできない。
というわけできょうの1枚は陽仲寿。2007年4月25日の対ロッテ戦でプロ初ヒットを打った時のものだ。
2013年は47盗塁で盗塁王。ゴールデングラブ賞は2012年からの3年連続と2016年の計4回。走力と守備力が発揮されれば巨人の大きな戦力となることは間違いない。
記憶に新しいのは2016年9月、ソフトバンクとの天王山。2-1の1点リードで迎えた9回裏ソフトバンクの攻撃。2アウトながら2、3塁とソフトバンクが一打サヨナラのチャンスを作った。バッターは江川智晃。
実況アナ「江川打ったあ~。浅いセンターの、遥か頭上だ、遥か頭上だ!」
陽岱鋼はバックスクリーンに向かって江川の打球と追いかけっこする形になった。ヤフオクドームのホークスファンは「抜けた、サヨナラだ」と確信したに違いない。
「センター陽岱鋼、取ったあ! 追いついたあ~!」
何と走りながら顔の前方で捕ってしまった。これが陽岱鋼である。一つの守備がペナントレースの行方を左右することがある。2016年に関してはこれが分岐点になった。
守備に関しての不安はないが、打つ方はどうか。2016年に日本ハムが日本一を決めた日本シリーズで覇気がなかったのが気になる。巨人で再び輝きを取り戻せるか、注目したい。