黒柴スポーツ新聞

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スポーツ紙が一斉に報じた「阿部ノート」に突っ込んでみた~阿部慎之助が小林誠司に伝えたいキャッチャー像に興味津々

昼休み、スマートニュースで情報収集するのが日課だ。ページを並び替えてスポーツ紙からチェックしている。きょうはどこも阿部慎之助の「阿部ノート」を扱っていた。

 

 

 

 

各紙並べてみよう。

 

 

www.nikkansports.com

 

www.sponichi.co.jp

 

www.daily.co.jp

 

www.hochi.co.jp

 

要は阿部慎之助が後輩キャッチャーの小林誠司にキャッチャーとしての心構え、考え方、行動といったものを伝授しようという話。

 

 

各紙同じ日に一斉に報じるあたり、ネタ枯れ臭を感じてしまった。さらに。

 

 

「ノート」という言葉の使い方に納得がいかない。それぞれの記事を読んでいただければ分かるが阿部慎之助がつづったものは「A4用紙4枚」である。今なお書き込んでいるという記事もあったので増えているかもしれないがきのうのきょうだからそんなに増えてはいないだろう。これではノートではなく「メモ」である。

 

 

深読みしてみると別に「阿部メモ」でもいいんだろうがやっぱり重みがないし、語呂的にも「阿部ノート」のほうがいいな、先輩が伝授するんだからノートのほうがかっこいいなとスポーツ紙が体裁を整えちゃったのではなかろうか。

 

 

ノムさんの野村ノートを引き合いに出したかったのかもしれない。しかし野村ノートは本になるくらいのボリュームがあったのだろうが阿部ノートはまだA4四枚だから本にするのは無理だろう。

 

野村ノート (小学館文庫)

野村ノート (小学館文庫)

 

 

 

日刊スポーツの見出しでは「捕手人生全て記す」とある。16年のキャリアのエキスのみかもしれないが16年分である。それがA4四枚? どんだけ小さい字で書いてあるのかなと巨人ファンなのに思ってしまった。さらに。

 

 

 スポニチ記事を見てほしい。

・サウナで“キャッチャーとは”というのをブワーッと書いている。

・パリパリになったA4用紙の束。

・プロ16年間で培った経験をまとめるのは初。

 

 

突っ込みどころ満載。まず執筆場所がサウナ。これからの巨人を背負って立つキャッチャーに読ませるものをサウナで書いている。もっとも、大衆的なところではなく東京ドーム内の、ではあるが。

 

 

A4用紙がパリパリになったのは阿部慎之助の汗がしみこんだから。先輩の汗がしみこんだメモというのもありがたいに違いない。そのまま渡すのかな? 清書したものを渡してあげてもいいんじゃない?

 

 

そして。これまでの経験をまとめるのが初めてだという。がむしゃらに走ってきたから振り返らなかっただけなのか。いちいちまとめなかっただけで何も残していないわけではないのか。経験豊富な阿部クラスでもそうなんだな。

 

npb.jp

 

 

ちなみに巨人与党の報知に至っては「阿部の極秘ノート入手」という見出しとは裏腹に思いっきりエッセンス10カ条を全世界に披露している。今から阿部ノートを手にしてさあ頑張ろうという小林誠司にしてみたら「オレって一体……」とちびまる子ちゃんの登場人物風に「顔にタテ線」が入っていることだろう。

 

 

とはいえこの10カ条はなかなか興味深い。全部書いちゃうと報知新聞にただ乗りするようでそれは今キュレーションメディアの引用だのリライトだの著作権意識が低いだのといろいろとアレなので、もちろん原典至上主義、原典尊重主義の黒柴スポーツ新聞としては特に気になった三つだけ書かせてもらう(結局書くんかい)。

 

 

第1条「投手は信頼していいが、信用はするな」

第7条「斬新なことに挑戦」

第8条「目配り、気配り、思いやりが大事」

 

 

どうだろう。10カ条全部見たかったり、それぞれもっと深く知りたい方はぜひ報知の記事をご覧ください。職場の戦力アップを促すマネジメント的にも使えそうな気がする。そう、チャレンジと気配り。このバランスが大事だ。

 

www.hochi.co.jp

 

たまたま各紙「阿部ノート」を扱っていたため久々に読み比べをしてしまったがたまには読み比べも面白いものだ。同じネタだが見出しも違うし構成も違うしいかに各紙が工夫しているかが分かる。黒柴スポーツ新聞編集局長も「斬新なことに挑戦」しながら立ち寄ってくださる読者に「目配り、気配り」してよいブログに育てていこう。これからもぜひ応援よろしくお願い致します。

 

 

 きょうの1枚は阿部慎之助の師匠格である村田真一。弟子の阿部慎之助が2016年シーズンを終えて1917安打(イクイナ、生稲晃子ロシア革命=1917年、って暗記しませんでしたか?)だが村田真一は現役20年で673安打。黒柴スポーツ新聞編集局長はこういういぶし銀が大好きである。

 

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