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黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るワンシーンやプレーヤーについて綴ります。

必死にもがけ。自分次第だ~ドラ1田中正義担当の山本省吾スカウトが心に刻んだコーチの言葉

ドラフトの目玉、田中正義(創価大)が5球団競合の末、ソフトバンクに交渉権が与えられた。そのことよりも、というと少々オーバーだが「おっ」と思ったことがあった。ソフトバンクホークスツイッターに「『空振りが奪えるストレート』が真骨頂。ローテーションの中心へ、将来は球界を代表する投手へと期待。(山本省吾スカウト)」というくだりが。そっか、山本省吾はスカウトになっていたのか(熱心なホークスファンには怒られそうだが)。申し遅れましたが黒柴スポーツ新聞のツイッターはこちら(@kuroshibasports)。フォローしていただいている方には最新記事をお伝えしております。


山本省吾星稜高校時代に甲子園準優勝。慶応大学では通算21勝。逆指名で近鉄入りした左腕だ。派手さはないが巧さを感じさせ、印象に残っていた。


近鉄消滅に伴いオリックスに行った山本省吾寺原隼人高宮和也と、喜田剛山本省吾のペアが入れ替わるトレードで横浜に渡る。2011年には開幕投手も務めた(ときょう知った)。そして今度は多村仁志ら3人と山本省吾ら3人が入れ替わるトレードで2013年はソフトバンクでプレーした。


通算40勝42敗。ドラフト1位としてはいくらか物足りない気もするが40勝というのも立派な数字である。過去、どれだけのドラフト選手が勝ち星に恵まれなかったことか。物足りなさを感じてしまうのは甲子園や東京六大学での華やかなキャリアにしてみれば、という意味だ。


きょうの1枚はここで。入団会見の時の1枚だろう。こういう野球カードもいいものだ。隣の梨田昌孝監督と山本省吾。今年、2016年のドラフトは楽天監督と、ソフトバンクスカウトとして相まみえることになった。
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田中正義だ、佐々木千隼だ、柳裕也だ、寺島成輝だ、今井達也だ、藤平尚真だ、ビッグネームが続々と名を連ねた2016年のドラフト会議。逆指名であったが山本省吾も2001年、同じようにドラフトの日を迎えた。その15年後はスカウトとしてこの日を迎えた。これぞプロ野球、と思う。まばゆいカクテル光線、グラウンドを渡る風の中に人生が詰まっている。それがプロ野球。だから目が離せない。


山本省吾はなかなか文章が上手い。ネットでもオフィシャルブログの名文が取り上げられていた。名文と言うとちょっと違うかもしれないが何とも言えない雰囲気がある。黒柴スポーツ新聞編集局長は2016年のドラフト直後と引退決断時の二つ読んでみたがうならされた。くせがなく、透明感がある。文は人なり、という言葉もあるからそれに照らし合わせれば山本省吾という人はとても正直な人だろうと想像する。


ソフトバンクの発表では2014年1月1日付で東海・北信越担当スカウトになるとされていた。ただし2016年ドラフト関連の記事では交渉権を獲得した「田中正義担当スカウト」になっていた。担当地区が関東になっていたのだろうか。
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かつてのドラフト1位がスカウトとしてドラフト1位を取りに行く。いちいち現役時代のプライドなんて考えていたらできない職業だ。だが山本省吾の文章にはつまらないプライドなど感じられない。そればかりかすでに優しいまなざしを持って、必要な心構えを説いている。まだ数年ではあるがこの人、いいスカウトになるかもしれないと予感させる。ぜひドラフト後にアップしたオフィシャルブログの「一夜明けて」をご覧ください。
一夜明けて | 山本省吾オフィシャルブログ


ユニフォームを脱ぐ日が、1年でも先になるように。偽らざる願いだろう。「1年でも先に」というのがリアルである。


引用されているコーチの言葉も説得力がある。たいがいの選手はユニフォームを脱ぐのではなく脱がされる。引退する日は必ず来るのだがそれを先延ばしにすることはできる。それは自分次第。だから必死にもがけ…。心に突き刺さる言葉だ。無断引用を避けるためリライトしたがぜひ「山本省吾オフィシャルブログ」で検索するなり上のリンクをクリックするなりして原文でお楽しみいただきたい。


定年が決まっているサラリーマンとは違う。個人事業主であるプロ野球選手は1年1年が勝負だ。活躍すれば大金と名声を手にできる。逆なら仕事を失う。先日引退した鈴木尚広高橋由伸監督に意向を伝えた時、「おまえは巨人の中でも、自分の選択をできる人間だ」(東スポweb記事)と言っわれていたがそんな選手は一握りである。


結局は自分次第なのだ。やるか、やらないか。それだけ。ハイリスク、ハイリターン。ローリスク、ローリターン。やり方は人それぞれ。どちらにせよ結果はすべて自分で背負わねばならない。だったらせめてもがきにもがいて自分らしい選択をし続けたいものだ。


山本省吾が引退という選択をした時の文章もよかった。ぜひオフィシャルブログに収められている「30年分のありがとうm(__)m」をぜひご覧ください。
30年分のありがとうm(__)m | 山本省吾オフィシャルブログ


愛すべき左腕が自分を素晴らしい世界に導いてくれた。素敵な言葉だ。


山本省吾が担当する田中正義の右腕はホークスとホークスファンをどんな世界へ連れて行ってくれるのだろう。打倒日本ハムへこの上ない戦力を手に入れたホークス。田中正義対大谷翔平の投げ合いが、今から楽しみだ。