黒柴スポーツ新聞

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パの各エースは2016年の目標を達成したのか~3月27日のサンデースポーツを検証

3月27日のサンデースポーツパ・リーグ各球団のエース級に2016年度の目標を問う企画があった。きょうはその結果発表をしてみる。


それぞれ何と答えていたか。カッコ内は掲げた数字の理由である。

・則本昴大21勝1敗(これだけ勝てば優勝に近づく)

武田翔太15勝3敗(15が最低。できるだけ負けを少なくできたら)

大谷翔平20勝5敗(去年の15を超えるのは厳しいがやるからには頑張りたい)

菊池雄星15勝7敗(10勝を通過点にできればなと)

涌井秀章14勝6敗(去年より1少ないがと突っ込まれ「最後無理やり投げたので」)

西勇輝 13勝7敗(これまで12が最高なので1個越えればなと)
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これに結果を合わせてみよう。
・則本21勝1敗=11勝11敗
・武田15勝3敗=14勝8敗
・大谷20勝5敗=10勝4敗
・菊池15勝7敗=12勝7敗
・涌井14勝6敗=10勝7敗
・ 西13勝7敗=10勝12敗


だてにスタジオに呼ばれていない。皆、曲がりなりにも2ケタを達成した。それぞれ個別に見てみよう。


【則本】意気込みは良かったが目標に10も届かず。貯金もなし。エースがこれでは楽天もしんどかった。入団以来4年連続の2ケタは評価できるが省エネも考えてはどうだろうか。奪三振は204個、215個、216個と3年連続200個以上で、3年連続の最多奪三振を達成。一人一人と勝負するのは打たせてとるピッチングとは真逆だが、自分のスタイルを貫くかチームのために球数を減らして登板回数を稼ぐか思案のしどころである。

【武田】2015年は13勝6敗で貯金7、今年は6とチームに貢献している。そろそろ右のエースと認知されそう。同じ右で年齢も近い千賀滉大がライバルになりそうだ。目標の15勝を達成していたらペナントレースも面白くなっていた。いきなり20勝は無理だろうがまずは15勝を達成して階段を一つ上ってほしい。

【大谷】序盤勝てない日が続いたことを考えれば10勝は立派。しかもバットでチームに貢献した。優勝決定試合となった西武戦では1安打完封と大舞台になればなるほど力を発揮する。二刀流はやめておけとさんざん言われながらも結果を出すことでそれを封じている。前例にとらわれない起用法は栗山英樹監督だからこそできた。才能プラス理解のある上司。最高の結果が出るはずである。

【菊池】9勝が2回といまいち殻が破れていない印象だったが6シーズン目にしてついに2ケタ。菊池が踏ん張らないと西武浮上はない。もしこれまでに足りなかったものが「自信」だったとしたら2017年はもっと安定するかもしれない。ずっと12勝近辺なら郭泰源っぽい印象のまま終わり、15勝なり16勝すれば渡辺久信的な立ち位置になる。

【涌井】14勝とは遠慮がちな目標に思えたが四つ下回る10勝では本人も物足りなかっただろう。涌井が10勝ではチームは苦しい。防御率2.16で最優秀防御率に輝いた石川歩をまだまだ寄せ付けない実績はあるが、石川は14勝5敗とすっかり柱に。入団以来3年連続2ケタと着実に地位を築いている。石川は生え抜き、涌井は中途入社ということも考えれば涌井はうかうかしていられない。

【西】13勝と地味な目標を立てたがさらに下回る10勝。しかも12敗だから借金2とはお話にならない。3年連続2ケタとはいえ12勝、10勝、10勝だから力強い印象も他チームに植え付けられていない。金子千尋が本調子でないなら西がもっと頑張らないとオリックスの浮上はあり得ない。まずは15勝して自他ともに認めるエースになることが求められる。


という訳で黒柴スポーツ新聞が出した結論は、目標は高すぎても低すぎてもダメ。やっぱりそこに落ち着く。低めに見積もって着実にクリアするのもいいが実力がある人なら有言実行の方がカッコいい。夢を売るプロ野球選手ならなおさらだ。


それにしてもみんな爽やか。パ・リーグのエースはいつからこんなに爽やかになったのか。東尾修山田久志村田兆治鈴木啓示だと各チームのエースは大物感が尋常ではなかったが。人相も含めて爽やかエースたちがどう成長していくか楽しみだ。

きょうの1枚はトレンディーエースの一角、西崎。大谷翔平に負けない人気だったことだろう。入団から3年連続15勝以上と実力も抜群だった。もしも今のファイターズのような戦力で西崎がいたらもっと勝っていたかもしれない。西崎はオレンジ色のユニフォームが最も似合う美しい選手であった。
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