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黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るワンシーンやプレーヤーについて綴ります。

結果を出せば風景が変わる~リオパラ・五輪メダリストが初の合同凱旋パレード

「車椅子ラグビー」「ウェルチェアラグビー 銅 池」。そんな検索を経て黒柴スポーツ新聞にお越しになる読者がいるようだ。


うれしい。何がうれしいって、ウィルチェアーラグビーや、その日本代表で銅メダリストの池透暢選手が検索対象になっていることが実感できるからだ。ウェルチェアって、ちょっと間違えているのもご愛敬。



パラスポーツ選手と五輪メダリストが10月7日、初めて一緒に凱旋パレードを都内で行った。テレビは相変わらず五輪選手重視だったがパラとすべてが平等になるのは一足とびにはいかない。ファン側には車椅子専用ゾーンが設けられており、世の中は確実に変わってきたことが分かる。


池選手のファンで、何時間も待ってパレードを見届けた人がいた。編集局長に送っていただいた写真には池選手と仲間がバッチリ写っていた。選手は車両の右、左に別れて沿道のファンに手を振る。だから目当ての選手を見られる確率は半々。池選手の銅メダルに涙したこの人が池選手側にいたのはきっと、神様からのプレゼントだろう。


さて、池選手ファンの編集局長ではあるがこの日のコメントで最も心を打たれたのは競泳で四つもメダルをとった木村敬一選手。「たくさんの声が聞こえて本当にうれしい時間だった」そうだ。


そう、木村選手は視覚障害だから80万人とも言われた観衆を見ることはできない。だから「たくさんの声が聞こえた」のだ。80万人の歓声ってどんなだろう。五輪メダリストも立ち会っているから同じ音量を聞いているはず。しかし木村選手はもろもろの情報を視覚以外をフル活用して得ているのだから、きっとより立体的に音声を体感したことだろう。



メダルがすべてではないが、この日パレードに参加したパラのメダリスト37人はメダルをとったからこそ呼ばれたのだ。メダルをとることで「ラグビー 銅」などと検索されるし、パレードの車両上から大観衆に手を振れる。自らの努力次第で見える風景を変えることができると、アスリートたちは教えてくれている。


あの江川卓も言っていた。「20勝をすると見える景色が変わる」と。階段を一段上がる。すると今までよりちょっと遠くまで見える。そこが美しい風景なら行ってみたくなる。もっと見たくなる。だから人は階段を上がろうとする。


池選手の地元の高知新聞には写真付きでこうコメントが載っていた。


「4年後もこの場所に戻ってきて、もう一度この祝福を味わいたくなった」


先日、池選手にメダルを掛けさせてもらった編集局長ももう一度あの感動、感激を味わいたい。ただでというのは虫がよすぎる。競技や選手の紹介を通じてちょっとでもパラスポーツの素晴らしさを伝えよう。そして選手と一緒に、さらに垣根のない風景を目指したい。