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黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るワンシーンやプレーヤーについて綴ります。

広島25年ぶり優勝は24年連続V逸の裏返し~巨人ファンの遠吠え

広島の優勝目前である。逆転勝ちが多いのが2016年の特徴で、ここ数年の終盤ひっくり返されるパターンの逆。ひっくり返せる打力と、ひっくり返されない中継ぎ、抑えの充実は誰の目にも明らかだ。


広島の伝統は地道な育成。自前の戦力にこだわりFA補強戦線にも加わらない。それはファン公認であり、潔さもあり、ひとつの哲学だから押し通せばいい。


だが巨人ファン的には一言いいたい。金に物を言わせて大砲を取ってくるとか、何かと広島の対極として引き合いに出されるがFA補強に関しては合法的である。私を獲得したいチームは手を挙げてくださいと呼び掛けがあり、ぜひにと獲得する。そうやってチームを強くするのは投資であり、優勝を勝ち取る手段の一つに過ぎない。


広島はお金がないんだよと言う人もいるだろう。給料の遅配やファンによる樽募金も有名な話。だが「マツダ商店はなぜ赤字にならないのか?」に書かれていたがこの本が出た2012年まで、広島東洋カープは37年連続黒字だった。著者の堀治喜氏は「優勝が最高のファンサービス」だから(この点は激しく同感)それが提供できないオーナーは失格だと、松田元氏をけちょんけちょんに書いている。松田耕平氏のことは評価しているので、よっぽど腹に据えかねたのだろう。補強に資金投入しないことを堀氏は厳しく追及していた。

「マツダ商店(広島東洋カープ)」はなぜ赤字にならないのか?

「マツダ商店(広島東洋カープ)」はなぜ赤字にならないのか?


とにもかくにも広島が自前の戦力にこだわり続けた結果の一つが25年もの空白である。久々の優勝のお祝いムードにケチをつけるようだが、本当の広島ファンなら「四半世紀も待たせるな」と怒るべきだ。楽天は新規参入だから別として、広島は最も優勝から遠ざかってしまった。


堀氏は球団の姿勢を指摘していたが、黒柴スポーツ新聞の分析では戦犯は川口和久江藤智金本知憲新井貴浩黒田博樹ら歴代の移籍選手。彼らが実力者だったからこそ、影響はデカかった。後輩は先輩の背中を見て育つのだ。その点次々とお手本を失う広島の選手が気の毒であった。



もし山本浩二衣笠祥雄北別府学が現役の頃にFA制度があったら移籍していただろうか? この時代の広島の選手が他チームに行くことなど考えられなかったことだろう。



じゃあ広島から出ていった選手が広島に愛着がなかったかと言えばそれも違うだろう。プロ野球選手は個人事業主だから自分が最も輝けそうな場所を選んだだけである。広島はFA戦線に行かないのなら何がなんでもスター選手を引き留めるか、あるいは移籍せず残りたいと思わせるチームにすべきだった。


優勝争いは独特の緊張感もプレッシャーも高揚感もあるだろう。それを味わうことがチームをたくましくする。そういう経験ができないことでチームが育たない。優勝から遠ざかるということはそのシーズンだけの問題ではない。だから毎年優勝を狙わねばならない。巨人はそこを一番理解しているだけだ。


そういう意味では優勝経験のない人たちで優勝するチームは本当に偉い。2015年のヤクルトもそうだった。できてしまった空白は若手が頑張って埋めるしかない。そしてその遺産を上手に引き継がないとまた下り坂が待っている。


ことここに至っては広島に優勝していただいて壮大なガス抜きが行われ、どうして優勝できなかったかの総括が行われないまま2016年の優勝が伝説になる…巨人ファンとしてはそう願うばかりである。


きょうの1枚は1991年MVPの佐々岡真司。17勝9敗。堂々たる成績だ。投球回数が240回でリーグ最多の上に防御率2.44でタイトルを取ったのも立派。沢村賞にも輝いた。優勝特集では佐々岡のことも是非振り返ってほしい。

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