緒方カープと阿南カープの意外な共通点~もみじ銀行はついに金利を上乗せするのか
先日の新聞経済面に、もみじ銀行カープV預金の受け付け結果が出ていた。実に1981億円。6月30日が期限で上旬は1日1-2億円ペースだったのが、最終日は111億円にもなったという。
念のためおさらいしておく。
・金利が年0.025%の1年物の定期預金
・リーグ優勝なら0.2%上乗せして0.225%
・1995年の開始以来最高は1813億円
1831億円を集めた時は黒田博樹がヤンキースから復帰した昨年。今年が最高ということはついにカープファンも本気で預金を増やしにかかったか。それとも投資家が資金を投入したか。それにしても1981億円とは相当の額だ。
広島は1991年から一度も優勝していないからこのまま行けば初めて金利を上乗せする。もみじ銀行もよもや上乗せしない前提で今年もV預金を呼び掛けたわけではあるまい。広島の快進撃は続いており、もみじ銀行だけに気分がコウヨウしていることだろう。
今年の強さは打力と見られるが盗塁が73とダントツだ、と7月9日の新聞に書いてあった。8日の試合は相手の失策に盗塁や犠飛をからめて勝っていた。ちょうど阿南準郎監督時代のことを近藤唯之著「プロ野球 優勝その陰のドラマ」で調べていたので驚いた。阿南監督の時も打たないで勝つ野球をしていたのだ。
近藤氏のピックアップした1986年5月26日のヤクルト戦での決勝点シーンを見てみる。
無死から長嶋清幸が四球→正田耕三が送りバントするもヤクルト乱橋幸仁投手が捕り損ない無死一、二塁→達川光男が送って一死二、三塁→代打西田真二が犠飛。
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7月8日の追加点のシーンはこうだ。
丸佳浩が失策で出塁→次打者の二ゴロで二進→三盗→松山竜平が犠飛。
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どちらのシーンも無安打で得点していた。たまたま似たような得点の仕方だったのかもしれないが、こういう相手の隙を見逃さないしたたかな戦い方は日頃から意識していないとできない。8日の試合では藤浪晋太郎に13三振も喫しながら勝つのだからしぶといというほかない。
86年の打線が近藤氏の本に出ていたので懐かしみながら引用してみる。
高橋慶彦.284
山崎隆造.275
小早川毅彦.260
山本浩二.276
衣笠祥雄.205
長嶋清幸.268
正田耕三.288
達川光男.274
一人も優勝チームに3割バッターがいなかったのはセ・リーグ史上初だった。
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9日付の新聞で広島の打線を見てみると菊池涼介と鈴木誠也が3割。ほかの主力も2割5分以上打っている。これで阿南カープと同じ戦い方ができるなら強いに決まっている。
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思えば緒方孝市監督もアグレッシブなプレースタイルだった。引退試合では大観衆の期待に応えて一番盛り上がる三塁打を放った。次打者の時にワイルドピッチがあり緒方は本塁に突入したが直前で足がもつれ到達寸前にゴンザレスにタッチされた。だが広島ファンは温かい拍手を送った。なぜならもう緒方の体は限界だと分かっていたからだ。ユニフォームに土を付けて引退していく姿はいかにも緒方らしい去り際だった。
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足はスランプがないと言われる。3年連続盗塁王に輝いた指揮官はこのあとどうカープを導くのか。打力だけでなく広島の走力に注目していきたい。
ちなみに巨人ファンからの負け惜しみ。もみじ銀行V預金の総額を思いだしてほしい。1981億円。1981年は藤田元司監督率いる巨人が優勝した年だ。2位は古葉竹識監督の広島だった。縁起が悪いことを最後に書いておこう(性格悪いな)。
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きょうの1枚は阿南カープV戦士から山崎隆造。1985年には打率が3割2分8厘だったので首位打者ではないかと調べたがとんでもなかった。1位バース3割5分、2位岡田彰布3割4分2厘、3位吉村禎章3割2分8厘4毛、山崎は4位だった。ちなみに本紙イチオシの八重樫幸雄も3割4厘4毛で10位に食い込んでいる。