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黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るワンシーンやプレーヤーについて綴ります。

勝てない相手にはまともに勝負しなくてもいい~8時半の男・宮田征典の投球術に学ぶ

専門家の意見ではないのであくまでも一例として読んで、なんらかの参考になればうれしいです。特に黒柴スポーツ新聞編集局長のように融通がきかないゆえに孤軍奮闘しがちなあなたに…


きちんと診断を受けたことすらないので滅多なことは言えないのだがかつて心が不調だったかもしれない、と思ったことがある。メンタルヘルス講習でこれこれに当てはまる人は不調かもしれません、という事例にいくつも当てはまったのだ。もちろんそういうことが客観的に考えられる精神状態だったということはもう最大のピンチではなかったことを意味する。今や毎日野球ネタでお気楽なブログ生活を満喫しており(記事は一生懸命書いております!)何ら心配いただくこともない。しかし講習中は嫌な思いがフラッシュバックしてしんどかった。


黒柴スポーツ新聞編集局長がどう切りぬけられたかといえば大きく二つポイントがあった。まずは異変に気付いたこと。野村克也流に言えばプロとは24時間仕事のことを考えられる特権を与えられた人なのだが実際仕事の心配が途切れないとものすごくつらくしんどい。職場では張りつめても家に帰りさえすればリラックスはできていた。自分らしく振る舞える場所なのだ。


それがどうだろう。とある一週間はずっと「楽しい」という感情がわいてこなかった…これってヤバいんじゃ…幸いすぐすがれる上司がいた。話を聞いてほしいです、と。ありがたいことにすぐ時間を作ってもらえた。さらに上の上司も情報共有し話を聞いてもらえた。残念ながらそれで根本的に解決するものではなかったが今どれだけピンチなのかというSOSが発信できて状況は好転し始めた。実際改善されるにはまだまだ時間が必要だったのだが。


こんなのは序ノ口だろうが夜型生活も要注意だ。夜勤でもないのに毎日帰宅が22時台(もっと遅いよという方もいらっしゃるでしょうね)。出勤が遅いことを注意された時点ですでに体が重い毎日だったが単に怠けていると思われていた。朝起きられないのは危険信号と疑ってみていい。皆さん、頑張りすぎにはご用心。


二つ目のポイントが、繰返し面談してもらうなかでポロっとかけられた上司からの一言。「壁はリンボーダンスをしてでも越えろ」。ともすると根性論的に聞こえるが全く違う。公式に逃げていいと言われたのだ。方法は任せるので何とか越えろと。これならできるかもしれないと光明が見えた。


何せ毎度物事に正面衝突するので体力も気力も消耗するに決まっている。避けるのはせこいとすら思う性分。それでずいぶん損もすると分かってはいるが上手にスルーできない。だから消耗するのは仕方ないと諦めていた。


それがリンボーダンスの通行手形をゲットした。高跳びのバーは意地でも越えないといけないと思っていたがリンボーダンスをやっていいという。お墨付きを得たからには合法的にやろうと開き直った。


と言ってもやはり根本的な解決は無理だったのでひたすら耐えた。耐えろ、というアドバイスさえあった。もはやプライドも何もない。心身ともに健康第一であった。結局耐えることでしか解決はできなかったがリンボーダンスをしてでも越えろというアドバイスは今でも心に燦然と輝いている。ちょっと大げさだけれど。



なぜこの体験を思い出したかと言えば8時半の男として有名な宮田征典も強敵には無理に立ち向かわない戦法で20勝もしたというエピソードを知ったからだ。ピッチャーは3球ストライクとらないといけないのにバッターは一球打てばいいのだから、五分と五分の力同士が戦えばピッチャーは不利なんだという考えが根底にあるそうだ。


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だから宮田はボール球を上手に使った。これがさしずめ編集局長の上司のいうリンボーダンスなのだ。まともにストライクゾーンでばかり勝負しなくていいのだ。際どいところに一球、二球と投げ込んで、あわよくばストライクにとってもらう。とってもらえなくてもバッターの目線をずらすことができる。三振狙いでもなく最後は詰まらせる。



編集局長もそうだがメンタル不調になりやすいという性格はあるし、なりやすい考えの持ち主はいる。編集局長は締め切りまであと一日あるとは考えられず、あと一日しかないと考えてしまう。例えて言えばそういうことだ。大事なのは自分がそうなりやすいタイプと自覚すること。自覚できたらそれなりに対処するものだ。宮田も宮田なりに自分の特性を見極めての戦法だったのだろう。なお、宮田の投球間隔が長かったのは脈が時おり一定ではなかったことへの対処だったようだ。


せっかくだから社会人としては職場では戦力になりたい。自分の力を生かしてそうなれればいうことなしだ。今はそれができているというささやかな自負があるだけにあの苦境を取り返したい思いでいっぱいだ。


と同時に思わぬ形で追い込まれてつらい思いをしている人に伝えたい。あなたは悪くない。むしろここまでよくやりましたよと、お疲れさまと伝えたい。できるだけ早く信頼できる人に相談してほしい。そして困ったときには恥ずかしがらずにリンボーダンスを。無理して体や心を壊したら何にもならない。あなたらしく輝ける日がくることを心から祈っています。