黒柴スポーツ新聞

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結婚式ダブルヘッダー経験者は分かる、ダブルヘッダー2勝5回の秋山登の充実感

何でもいい。1日に同じことをする「ダブルヘッダー」をしたことはあるだろうか?黒柴スポーツ新聞編集局長は結婚式ダブルヘッダーをやったことがある。


しかも日付はサラリーマン的に何かと気忙しい年度末。3月30日か31日だった。まず一人から招待状が来た。次に来た招待状に書いてあった婚礼の日付を見間違え、土日の連チャンと勘違いした。1日違いなら両方行けるなあと思った。



飛行機の手配か何かで勘違いに気付いた。同じ日だ…。完全な友人枠。しかも両方大学の同期。同じ夢に向かう過程で切磋琢磨したり友情を育んだりした仲だ。どっちの婚礼にも出て祝福したい…



ふと気付いた。一方は福島で昼開催。もう一方は名古屋で夜開催。

「行くしかないっしょ」

話のネタにもなるしな、とワクワクさえしてきた。



当日は空路羽田へ。新幹線で福島県内へ。ホテルで友人夫妻の幸せそうな姿を見届けて2時間後に中座。また新幹線で名古屋に向かい、ダブルヘッダー第2試合のプレイボール直前にテーブルに着いた。そこには「遠いところありがとう」のメモが。新郎からの心配りがうれしかった。大移動のかいがあった。1日ごちそう食べてるな、昼間もハッピーな映像見てたなと感慨深かった。もちろんこれができたのはどちらの友人も大事な人だから。ただ呼ばれた式なら無理しなかったしこちらも心からの笑顔にならなかっただろう。今では面白いチャレンジをさせてくれた二人に感謝している。



ダブルヘッダー男の秋山登もこんな充実感を感じたのだろうか。ダブルヘッダー両試合で勝ち投手になることを4年連続、通算5回もやった。さすがに両試合先発ではなかったようだが秋山登の時代は連投が常識だった。今日のようなイニングまたぎなど問題にならない。必要とされたらマウンドに上がるのだ。結婚式ダブルヘッダーをした編集局長には分かる。必要とされるこの心地よさ。酷使と違うのはその人が役割をきっちり理解しているかどうか。誰でもいいことをだらだらさせることとは違うのだ。


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秋山登がタフなことは2日連続完封をしたことでも分かる。どんだけのスタミナと制球力なんだか。南海のスタンカは日本シリーズで2試合連続完封した。秋山登といいスタンカと言い、投げさせる方も投げさせる方だが抑えちゃう人も普通ではない。秋山登は三原大洋の絶対的エースだったが、大洋でなかったらもっと勝てただろう。一方で大洋でなければここまでの登板数にならなかったかもしれない。



それにしても通算193勝とは惜しすぎる。秋山登自身は200勝間近だったことや登板の多さをどう受け止めていただろうか(ただし秋山登の現役時代に名球会はなかった)。「三原脩の昭和三十五年」を読む限りでは秋山登はエースの自覚がみなぎり、アクシデントで中日の中利夫コーチのバットが頭に当たったあとでもどうにか退院しようとしたり復帰後即練習したりしている。仮病の逆でどうにか平気なふりをしていたのだ。



黒柴スポーツ新聞編集局長は長時間労働を百害あって一理なしと思うし、健康を害してまで働かなくてはならない状況があってほしくないのだが、例外的に認めるのはその人にしかできない仕事をする場合。やむを得ない場合はせめて秋山登的な前向きな気分でマウンドに上がりたいと考えている。