黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

コリジョンルールに続き「投球なし敬遠」も? プロ野球が草食化していかないか心配

黒柴スポーツ新聞がネタ元にしている新聞記事で、気になるニュースを見た。メジャーでは4球投げずとも敬遠できるようになるかもしれないそうだ。新聞はオワコンだなんだと言われているがまだまだブログのネタになったり話題のネタにできている。スポーツ紙なら芸能人、著名人の恋愛ネタもスクープしている。きょうもスポニチがフェンシングの太田雄貴とTBSの笹川友里アナウンサーの交際を報じていた。黒柴スポーツ新聞はなかなかスクープなんてできないがせめて独自目線で重箱の隅をつついて読者の気分転換を演出したいと思っている。せっかく時間をさいてこのブログを読んでくださっているのだから。それにしても笹川アナウンサーってアナウンサー試験不合格を経て一般職入社からのアナウンサー配属とはなかなかのガッツだな。鈴木啓示ばりの「草魂」である。

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敬遠と聞いて本紙読者ならすぐフラッシュバックしたであろう3大敬遠事件。主人公は柏原純一、クロマティ新庄剛志だ。柏原は1981年の西武戦で永射保からホームランを打った。クロマティは9年後の1990年に広島の金石昭人からサヨナラヒット。さらにその9年後の1999年に新庄が槙原寛己無防備な球をとらえサヨナラヒット。当時の阪神コーチは柏原だったので師弟そろっての敬遠殺しとなった。

 

敬遠はやはり故意四球という本来の名前通り4球投げるのが筋ではなかろうか。本紙編集局長が読んだネタ元の記事でもレッドソックス上原浩治が「4球投げたら何かが起きる」と述べている。ウィキペディアで見たが金田正一小林繁も敬遠球をサヨナラ暴投して負けている。敬遠は同じ「敬う」という漢字を使うとはいえ、将棋やカーリングで「参りました」と相手に敬意を表するのとは違う、偶然の要素をはらんでいるのだ。

 

ウィキペディア故意四球まとめが面白くて見ていたら、された人のベスト20が載っていた。10位までを見てみよう。

1 王貞治427

 2 張本勲228

3 長嶋茂雄205

4 野村克也189

5 門田博光182

6 落合博満160

7 谷繁元信158

8 田淵幸一125

9 江藤慎一118

10 中村武志112

 

いずれも強打者ぞろいなのだが、注目は7位谷繁と10位中村。いずれもパンチ力はあるが猛者ではない。ここは次打者がピッチャーであることが作用しての数字と見て差し支えあるまい。なお18位には達川光男(88回)が入っている。

 

敬遠は地味ながら人間ドラマの縮図でもある。高校野球ではあの有名な松井秀喜5敬遠があった。とかく明徳義塾が悪者にされがちだがあれは松井のすさまじさを世間で最も理解しているから取った作戦。事実、のちに国民栄誉賞を受けるほどのスーパースターになったのだからあの作戦を取ったことが間違いでなかったことはもう認められてしかるべきだ。世間が明徳=悪と見る向きが多い中で深く明徳や星稜ナインを追った中村計氏の「甲子園が割れた日ー松井秀喜5連続敬遠の真実」はぜひ一度読んでいただきたい作品。こういう世間に流されない視点を本紙も見習いたい。だいたい全力疾走なり爽やかさ、はつらつさ、クリーンさを高校野球に求めすぎではなかろうか? もっとも本紙編集局長もあの夏は松井に感情移入してしまい「勝負させてあげてほしかったな」と思っていたが。

甲子園が割れた日―松井秀喜5連続敬遠の真実 (新潮文庫)

甲子園が割れた日―松井秀喜5連続敬遠の真実 (新潮文庫)

 

 

 敬遠といえば長嶋茂雄が1971年6月17日の広島戦で敬遠に抗議の意味を込め、バットを持たずに打席に立った。「記憶の中の長嶋茂雄」で写真を見たがちゃんと「透明バット」を持って構えている。だが白黒写真でもはっきりと怒った表情だ。口元が引き締まっている。ウィキペディアによればこれとは別に1968年5月11日の中日戦で同様のことをしている。さすがミスター。やることが違うなあ。 

 

 

それに引きかえコリジョンルールといい、投球なし敬遠(どういう俗称になるかは今後を注視)といい、プロ野球がどんどん味気ないものになってしまわないか不安になる。敬遠と分かった瞬間の「あれっ! 勝負しろー!」といわんばかりの何とも言えないざわざわ感が球場からなくなってしまうのか。そういう物々しい雰囲気で次打者が「甘く見るなよ」と燃えて結果を出すドラマが少なくなってしまうのではないか。首位打者を取らせないための敬遠に抗議して空振りした田尾安志、バットを投げてまで打とうとした松永浩美…。地味ながら男気いっぱい、ドラマチックな要素いっぱいの敬遠の場面はなくなってほしくない。

 

 きょうの1枚は敬遠にちなんだカードがいい…なんて思ったがそんなカードないよなとダメ元でファイルをガサゴソ。あった。松井秀喜伝説の星稜時代のものを見つけたら裏の写真がまさに! 背番号8は河野和洋。ベースボールマガジンはきちんとこういう写真もカード裏とはいえ使ってくれてさすが。まさに松井伝説の1ページがカードになっている。

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