黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るワンシーンやプレーヤーについて綴ります。

バッテリーを組む相手がエースの時とそうでない時に同じことをしていては駄目という今中慎二の至言

5月6日の巨人中日戦。ラジオ中継はニッポン放送系列(解説=里崎智也)とNHK(解説=今中慎二)があった。今中、という名前にひかれてNHKを選んで聴いて帰った。

中日ドラゴンズ論 (ベスト新書)

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試合終盤から聴き始め、巨人は負けた。だからというわけではないが、今中のある言葉がずっと耳から離れない。

 

批評の対象になったのは巨人の捕手、小林誠司。今年が正捕手になるかどうか最初のヤマだ。今中は指摘した。「エースじゃないピッチャーじゃないから勝てませんではダメなんだ」と。エースと同じ配球ではダメなんだと。具体的には菅野智之と組んで5日は勝ったが6日はプロ初先発の長谷川潤とバッテリーを組み、負けたのだ。

 

確かに菅野なら構えた所に球が来る前提で組み立てもできよう。しかし経験がない若手と組むのであれば不安定であること込みで作戦を立てないといけない。そもそも小林自身が正捕手としての地位を確立できていない中でなので彼自身も大変とは思うが。今中の指摘は本当に的を射ているな、社会人にも通じるなと思い、心に突き刺さったのだ。

悔いは、あります。

悔いは、あります。

 

 

 例えば頼りになる先輩とならきっちり仕事ができる。納期に間に合う。取引相手に要求されたレベルは全うできる、というのは最低限なのだ。実績がない後輩と組む時に先輩と同じことは要求できないのだ。いや、辛めに言えばどんなペアでも、たとえ一人であっても、雨が降っても、不測の事態が起きても耐えられるようになっていなければ正選手ではないのだ。今中は小林に対して言ったが社会人としても心して聞きたいフレーズだ。

 

ラジオ中継を聴いていていいなと思うのはこうした瞬間だ。もちろん試合の模様を伝えるために実況アナウンサーも解説者もしゃべっている。しかし案外プレーに関係ないところ、極端に言えば試合が終わってからの振り返りで解説者の腕が分かるのかもしれない。今回の今中のフレーズも試合終了後の解説だ。

 

今中の解説は定期的にあるのだろうか。試合終盤しか聴けなかったが、正直なところ聴いていて熱くなる解説ではない。現役時代のゆったりしたカーブのようだ。が、ズバっとくる直球があったのを思い出させる解説だった。またぜひ聴いてみたい。

 

 

 きょうはベースボールマガジン社の「中日ドラゴンズ70年 昇竜の軌跡」を読んでいたが今中と郭源治の対談があった。今中は31歳で引退したというくだりを読んでそりゃえらい早かったなと思った。しかし肩の痛みはどうにもならなかったようだ。何より気持ちが付いて行かなかったとなればプロ野球選手としては致命的だろう。12シーズンで91勝。2ケタ勝利が6回だから頼りになる投手だった。10.8決戦では勝てなかったがドラゴンズファンの心に残る名投手だろう。またYoutubeで今中の投球を見返したがこの大きなカーブと140キロ台のストレートのコンビネーションはえげつない。カットボールのような小さい変化のボールが流行りなのかもしれないが、伊藤智仁のスライダー、潮崎哲也のシンカー、佐々木主浩のフォークなど大きい変化球を生かしたコンビネーションが懐かしい。

 

 

きょうの1枚は今中。単純にかっこいいです。わが黒柴スポーツ新聞読者の皆さんも今中のコンビネーションばりに当面の敵を翻弄してオフタイムを楽しみましょう。

 

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