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黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るワンシーンやプレーヤーについて綴ります。

三菱自の燃費不正に顧客として巻き込まれて言いたいことと学んだこと

 

不祥事というのは人知れず進行し、いきなり表面化するものだ。受ける側としたら落とし穴に落ちるようなもの。ずばり三菱自動車の燃費不正にやられました。

 

車を選ぶ時、重視するのは人それぞれ。デザイン、ブランド、走行性、値段、セールスマンの人柄。どれか一つでなく、組み合わさって買おうとなるのかもしれない。

 

本紙編集局長の場合、発端は「節約」。同じ車なのに普通車と軽自動車では税金の額が違う。車検の費用はまちまちだろうが軽は安いとしたものだ。15万キロ走った愛車は普通車だったが走行性は快適で、単なる移動手段ではなく走る喜びというかうれしさを感じさせてくれた。恐らくこういう気持ちが強い人が根っからの車好きなのだろう。それでもなお軽にかじを切った。断捨離に近い心境だが身の丈にあった生活をという心構えの一つが軽への乗り換えであった。

 

黒柴スポーツ新聞編集局長の少年時代、軽といえばドアをしめるとバンという音が響き、いかにも安そうなかんじがした。しかし時代が進み技術も進み軽も快適な車へと進化。ここは素直に軽自動車の開発者に敬意を表したい。軽で十分な人は軽でいいし、やっぱり普通車だよなという人は普通車に乗ればいい。シンプルな話だ。

 

今回の不正、最も悪いのは不正を思いついた人物だ。どれだけの迷惑がかかるか想像しなかったのだろうか。まず、自分のためにやったのか会社のためにやったのか。会社のためにしたとしても三菱自は販売会社や購入者への損失補てんが求められる立場になっている。会社のためにはならない。

 

具体的に「性能実験部長」なる人物が取りざたされている。一つだけ注意しておきたいのは組織の体質だ。東芝も「チャレンジ」という言葉が出てきた。越えねばならないハードルがあり無理をしてでも帳尻を合わせねばならない理由があった、と考えることもできる。ただこれは全く想像の域を出ないのだが。

www3.nhk.or.jp

 

顧客の怒りの矛先は三菱自なのだが検査方法もこんなもんなのかと言いたくなる。性善説に基づいている、とは美しい言葉遣いだがそもそも検査を受ける側がデータをそろえた上でやるというのもいかがなものか。医者でいえば問診みたいなものなのだろうか。「そりゃ風邪だと思うがどれ、ほう、ほう」と確かめるような絵が浮かんでくる。「うん、風邪!」それで検査が終わっているように見えてならないが。実際、そうやって問題の車種は不正に染まった数字を背負って顧客のもとにやってきている。検査する側の態勢も無罪ではあるまい。

www.nikkei.com

 

販売会社の立ち回りは難しい。三菱系はともかくとして日産。追い詰めすぎれば三菱自が立ちゆかなくなる。日産自身も被害者であることは間違いない。不正に気付いた本人でもある。そこは評価されるべきだが日産も売った以上は責任を背負っている。その対価として代金が支払われているのだ。顧客のバックアップは当然、仕事の一つだ。事後対応の現場の方は正直、気の毒だが。

 

顧客としては補償を求めたくなる。エコカー減税に引っ掛かれば減税の恩恵は受けられない。何のためによい(とされた、が事実だが)燃費のものを選んだのか。もちろん究極のエコは自力歩行、自力走行だが。

www.yomiuri.co.jp

 

顧客が想定した以上にガソリン代はかかっているのだからその補てんの話も出ているがこれはなかなか金額が特定できない。それとも「見なし」で補てんしてくれるのか。まあこれは無理だろう。

 

ネット上でちらっとだけ見えたが「だまされた方が悪い」論は言語道断である。では薬の効能の説明が違っていても、やはりのんだ人が悪いのか。広告でこういうことをしたら誇大広告と言われる話。思い切って書くが今回の不正は「詐欺」と同じだ。そもそも燃費がカタログと実使用時は違うのは「常識」とさえ言われることが非常識。アマちゃん的考えと言われようが、売る側に都合のよい情報の出し方をしている時点で誠意はない。

 

日産がこれを機に自社開発に傾注せよという意見には同感。効率を求めているのだろうがやはり同業他社の作品に冠をかぶせて売るというのはやっぱり違和感がぬぐえない。それともそういう手法もまた車業界の常識とやらなのか。

 

もちろん自覚はしている。残念ながら三菱自には前科があるのだ。そこを踏まえていなかった点は認めざるを得ない。顧客ができる最大の防御と報復は問題を起こした会社の商品を買わないことだ。顧客や協力会社を欺く会社は市場が許さない。それとも水に流すのが大好きな日本だからこそ三菱自が存続しているのか。困った末っ子のような立ち位置で。

 

toyokeizai.net

 

顧客としては、誠意をもって顧客に対応している会社こそ応援したいもの。今回の燃費不正についてはただ文句を並べるだけではなくさまざまな物の見方を学ぶ機会としたい。本家のスポーツ新聞も政治経済の話を書いていることだ。燃費不正で今回は図らずもいつもの野球などスポーツネタとはならなかったが社会的なネタを書く機会を得られてよしとしなければ。スポーツだけじゃないんだぞと、いつか胸を張ってみたい。目指すは燃費のいい新聞だ。ことさら三菱自に声を荒げることもないが事態の推移は見守らなければならない。だって当事者なのだから。そう言えば、話題にされる立場にもなれたんだな。どうせなら明るい話題で当事者になりたい。それが率直な感想である。