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黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るワンシーンやプレーヤーについて綴ります。

シーズン最終戦6盗塁で逆転盗塁王に輝いた正田耕三のガッツ

 

開幕していないのにビールかけの記事を書いたが今回もタイトルの話をしたい。というのも1枚の野球カードに目が止まったからだ。

 

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正田耕三がものすごく一生懸命走っていた。盗塁王のイメージが強かったが首位打者も2回とっている。現役14年間で100安打以上11回。素晴らしい。通算安打は1546安打だ。

 

正田耕三の表情にひかれて選んだカードの裏を見た。なんと1試合6盗塁もしたという。それには裏があった。タイトルを奪うためだ。ウィキペディアで見ると相手はヤクルトの苫篠賢治。兄は西武の苫篠誠治。一応確認したが奥さんになった松本典子に「とまぴょん」と呼ばれていた人である。とまぴょんは上宮高校出身で中央大学を卒業して新人王をとったんだな。勉強になりました。

 

 

 

とまぴょんを以下、苫篠と書く。1989年、苫篠はすでに32盗塁を決めて最多盗塁を手中にしていたが正田耕三にはまだチャンスが残されていた。最終の中日戦、相手の捕手は山崎武司だったという。にしても走りに走った正田耕三は6盗塁を決めて逆に2差をつけて盗塁王になってしまった。この2差というのがかっこいい。1差では「かろうじて」感がある。しかし2差だから鮮やかに抜き去った感が出る。最終戦でやるならこれくらい徹底的にやらねば。抜かれた苫篠も諦めが付いたのではないだろうか。

 

 

 

1試合6盗塁は最多タイ記録という。じゃあもう一人は誰なのかというと山崎善平という名古屋ドラゴンズの選手。1952年の大洋戦で決めた。面白いのは生涯盗塁がわずか50ということ。8分の1をたった1試合で決めてしまった。引退後は中日スカウトになったそうだがその中日戦で正田耕三タイ記録を作るというのも面白い。

 

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正田耕三の太ももをご覧ください。プロの体はすごいですね。

 

 

なお土壇場でタイトルをとることを正田は別の機会にもやっている。相手は篠塚利夫首位打者である。1987年最終戦で正田耕三はバントヒットを決めた。この結果篠塚と同率3割3分3厘になった。チームに迷惑をかけるパターンでないのならばタイトルは貪欲に狙っていいと思う。正田耕三は1988年にも3割4分打って2年連続の首位打者に。まぐれでも何でもないことを証明してみせた。これがかっこいい。篠塚がとんでもなく跳んでいる写真を以下の記事で紹介したのでまだの方はぜひどうぞ。

 

tf-zan96baian-m-stones14.hatenablog.com

 上記記事で松本匡史の猛烈なスライディングを食らって横っとびしているカープの選手は誰かと問いかけたところ、熱心な読者の方から回答が届いた。木下富雄カープが誇るユーティリティープレーヤーである。写真の場面は内野だろうから木下率は高い。さらに根拠として「ひげが見える」という。どうでしょう? 現在最有力候補である。

 

 

プロ野球首位打者盗塁王もまぐれでなれるものではない。特に打撃の方は相当練習したらしい。持って生まれた素質を磨く練習。それ以前に練習をするぞという意思が素晴らしい。以前高橋慶彦が練習の虫だったと記事に書いたが正田耕三はそれ以上とも言われている。カープ。すごいチームである。この記事では琴奨菊を引き合いに出したが綱とりの場所で痛い2敗目。もう1敗もできない(と書いて文書保存していたが22日時点で3敗してしまった)。

 

tf-zan96baian-m-stones14.hatenablog.com

 

なお正田耕三は通算犠打を282も記録している。首位打者盗塁王もとれる選手だけど犠打もする。これがプロ野球選手だ。まさにフォア・ザ・チーム。 サラリーマンとしても自己犠牲という意味ではなしに才能を持って組織を支えたいものである。そもそも正田耕三阪神ファンだったが指名された以上行くのがプロといわんばかりに広島入りした。就職活動(就活というのがあまり好きではないので)においても行きたい会社があるだろうが縁があった所で一生懸命やるのも一つの生き方である。だがそうしたらと言うつもりもない。今風かもしれないが入ったところで結果を出した上でどこにでもほしいと思われる選手の方がかっこいいと最近は思える。FA制度があったら正田耕三高橋慶彦もきっとあちこちから欲しがられただろう。

1991 Qカード レギュラーカード 高橋慶彦
 

 

黒柴スポーツ新聞編集局長としても毎日素振りを重ねるようにキーボードを連打している。ブログをきっかけに表現の場を持つ機会を与えていただくこともあった。チャンスは待っていないでつかみにいくものなのだろう。そんな時は正田耕三の6盗塁ばりに気合を入れて走りたい。越えなくてはならないものはとまぴょんのようなライバルではなくつい弱気になる自分自身なのだ。