黒柴スポーツ新聞

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平野謙が食らった石ころ事件がなでしこの五輪予選でも起きた

 

今回も特にネタはないなあ、と思いつつなでしこジャパンリオ五輪アジア最終予選の中継を見始めた。すると、信じられないことが起きた。前半、日本選手が蹴ったボールが審判に当たり、相手・オーストラリアのチャンスになってしまった。もうおあつらえむきのボールだったので不謹慎にも「これが得点になったら面白いな」と思っていたら本当に決まってしまった。スタジアムでもネット上でも審判へ大ブーイングだったに違いない。

 

もうお分かりですね

黒柴スポーツ新聞のコアな読者ならもうお分かりだろう。今回のネタは中日対西武の日本シリーズで起きたあの「石ころ事件」である。

 

塁審の足を直撃

1982年、西武球場で行われたシリーズ第5戦、3回表の中日の攻撃で事件は起きた。2死ながら2塁に田尾安志。バッター平野謙の打球は1塁線を破り長打コース、になるはずだった。しかし打球は1塁塁審の村田康一の足を直撃。セカンド山崎裕之の近くに戻ってきた。田尾は3塁を回っていたが慌てて帰塁するも、送球の方が早くあえなくタッチアウト。中継では中日ベンチの黒江透修コーチと近藤貞雄監督が唖然呆然といった顔で映っていた。平野は「やってらんねえよ」と言わんばかりの憮然とした顔。背番号57というのがそそる。「あれ逃げられない審判って最悪」と解説者も言っていた。なおこのプレーが尾を引いたのかは定かではないが、この第5戦をとった西武が3勝とリード。そのまま4勝2敗でシリーズを制してしまった。石ころ事件は相当のビッグプレーと見ることもできる。

 

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※2006年版ベースボールマガジンのカードを使わせていただきました。

 

 

プレーは続行

賢明な読者の方向けにいちいち説明するまでもないが、事件名の「石ころ」とはグラウンド上の審判は当たっても石ころと同じ扱い、つまりプレーはそのまま続行される。本紙編集局長もこのルールは知っていた。

 

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※2006年版ベースボールマガジンのカードを使わせていただきました。確かに背番号は57でした。

 

 

え? 石ころじゃないの?

ところが、だ。2015年に同じようなことがまた起きた。6月2日のソフトバンク対横浜戦で柳田悠岐の外野へ抜けようという打球が審判に当たり、1得点がフイになった。たまらず工藤公康監督が飛び出し抗議を行ったのだが判定は覆されなかった。なぜか。審判の位置が問題だったのだ。下のスポニチ記事を下敷きにするが、「打球が投手を通過してから、内野内に位置していた審判員に触れた場合は、ボールデッドとなる」のだそうだ。内野内…。

www.sponichi.co.jp

 

村田ネタ

村田審判は元パ・リーグ審判部長。珍プレー好プレーでは選手にこれ見よがしにアウトコールをするシーンがよく見られる。ウィキペディアによれば元近鉄パールス捕手で、四国アイランドリーグplusの初代審判部長だったという。

 

エアーズロックを粉砕せよ

 なでしこはオーストラリア戦を1-3で落としてしまった。幾多の試練を乗り越えてきたなでしこにとって、この石ころ事件はあの時の中日と同じような不運な結末になってしまうのか。相手がオーストラリアだっただけに本紙はこれを「エアーズロック事件」と命名した。不死鳥のようにピンチの度に立ちあがってきたなでしこ。今回もこのエアーズロックを粉砕することを期待したい。あなた方の方が本当の一枚岩なのだから。

 

 

 


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