黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

いつか神宮球場を思い出してきっと泣いてしまう【3】辻がデカかった

 

引き続き、本紙編集局長が1996年神宮球場ペプシマン=ジュースの売り子をしていた時の話です。

 

池山と辻に挟まれた

売り子は本当の本当の関係者出入り禁止ゾーンを除き、球場のいろいろな通路を歩くことが出来ました。神宮球場はご存じのとおり、選手がグラウンドを外野に向かって歩き、ポールの近くから球場内部へと消えていきます。この内外野の境目くらいの通路でほんのわずかな間でしたが辻発彦池山隆寛に挟まれて歩いたことがありました。

 

 

ブンブン丸の「野村野球」 (小学館文庫)

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目の前に背番号1が

どちらが前だったかはおぼろげですが、確か目の前に背番号1が見えました。それで「ああ、池山だな」と。もちろんこんな至近距離でプロ野球選手を見たのは初めてでした。うわ、大きいなと。がっしりしていたというよりはすらっとして背が高かった印象です。それでふと後ろを見ると辻がいました。辻が思ったより大きくて驚きました。玄人好みなので池山と辻を見てどちらがうれしかったかと言えば辻。西武時代の勝負強い守備はまさに職人芸でした。

 

清原を慰めた辻

無理に清原に絡めるつもりはないのですが、あの憧れた巨人を日本シリーズで倒す目前、涙したファースト清原を慰めたのがセカンドの辻でした。「おい、どうにかしてやれよ」というように苦笑いをした石毛宏典の表情もいい味でした。これを書いている時、ちょうど松崎しげるの「地平を駆ける獅子を見た」がラジオで流れてきました。テンションが上がってしまいます。

 

 

 

 

 

伊東勤とのコンビネーション

辻のプレーで印象的だったのはヤクルトとの日本シリーズで、サードランナー広沢克己をホームで刺したセカンドゴロ。外野に抜けようかという当たりをつんのめりながら好捕。安全策など論外とばかりに強い意思を持ってホームに送球しました。あの芸当は辻にしかできません。広沢の馬鹿正直すぎるスライディングもどうかと思いますが、絶対に1点与えないという辻の強い気持ちと、高めに浮いた辻の送球を上手に取ってブロックにつなげた捕手・伊東勤の高い技術が得点を許しませんでした。

 

松村邦広も高田文夫

選手を目の前で見る機会はほかにはありませんでした。観客席で芸能人を見つけたことはあります。仕事なのかプライベートなのか分かりませんでしたが、松村邦広と高田文夫が一緒に来ていました。混ぜてもらえたらコアな話が尽きず楽しいでしょうね。ほかには将棋の田中寅彦名人と思われる人を記憶しています。

 

次はもっとすごい人が

池山と辻に挟まれて歩いたことは一生の思い出ですが、別の機会にはもっとすごい人に至近距離で遭遇します。ぜひ次回もご覧ください。

 


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