福士加代子も浅見八瑠奈も4年分の思いは結実するのか
先日お届けした女子マラソン福士加代子の激走。
新展開があった。
何と3月のもう一つの五輪代表選考レース、名古屋ウィメンズに出場するという。
あれでも当確ではない
あの激走をもってしても、あのタイムをもってしても、100%代表になれるという確約がないのだそうだ。
そこで名古屋も走って結果を求めるのだという。
何だか選手がかわいそう。
以前から日本のマラソン代表の選考は物議を醸してきた。
一発勝負で決まらない限り、似たようなことは今後も起きるだろう。
松野明美を思い出した
「私を選んでください」という松野明美の記者会見を思い出した。
当時、あれをパロディーにしたお笑い芸人もなかなかのセンス。
だが、そこまで松野は一生懸命だった、と今は思える。
文字通り「一生懸命」なものを見つけられる選手って、素晴らしいと思う。
今回は柔道です
この選手も代表選考でドラマを作った人である。
きょうはなぜこの人を応援したいか、という話をしよう。
世界選手権2連覇
浅見は愛媛県出身。
48キロ級の選手である。
乗りに乗っていた時のキャリアとしては、2010年と2011年の 世界選手権2連覇。
2012年はロンドン五輪がある。
代表の最有力候補の一人だった。
何とも微妙な表現にはわけがある。
もう一人、福見友子という強敵がいたのである。
谷を2度破った福見
福見はあの谷亮子を2度も破った実力者。
ちなみに福見も、谷の実績を重視した選考により、2008年北京五輪への道が事実上断たれるという辛酸をなめた。
2012年の全日本選抜柔道体重別選手権は、五輪切符をかけた壮絶な戦いになるはずだった。
まさかの1回戦負け
しかし、思わぬことが起きた。
浅見が1回戦で高校生・岡本理帆に破れたのである。
旗判定で1-2。
赤か、白か。
旗一本違いで人生が変わる。
福見は決勝でその岡本に勝って優勝。
五輪行きを決めた。
浅見がもし1勝でもしていたら五輪に行っていた、ともされている。
福見は数少ないチャンスをものにした。
福見にとってもリベンジマッチだった。
応援していた人は喜んだことだろう。
やっぱりこうしたら論は昔から
ただ、福見は五輪では5位だった。
これを受け、浅見だったらどうだったのかという話がぶり返されてしまった。
選ばれた人が結果を出せず、やっぱこうしたらよかったのにというのはマラソンでもある。
新星の小鴨由水が大阪国際マラソンで初マラソン初優勝、当時の日本最高樹立と話題をさらい、バルセロナオリンピックに出場。
しかし、30位(ドーピング選手がいたので29位に繰り上がる)と振るわなかった。
先に書いた松野明美は、小鴨登場で落選したランナーであった。
そもそもペースメーカー
なお、ウィキペディアを見て知ったが、小鴨はそもそも大阪国際を走った、同じダイハツ浅利純子のペースメーカー役だったという。
いつもペースメーカーを見て思っていた。
このままこの人が優勝したらどうなるんだろう?
そんな素敵なストーリーが、過去に日本であったのだ。
小鴨はあくまでもペースメーカー「役」だったので、主役になることができた。
結果はどうなるか
本紙編集局長が見た映像は、どうやらパリで行われるグランドスラム・パリ大会(6、7日)への出発風景だった。
浅見は今回、近藤亜美という年下の選手と代表を争っている。
直接対決で勝った方が今後の選考で有利なのはど素人でも分かる。
個人的には前回悔しい思いをしている浅見を応援したいところだが、結末はいかに。
ともかく、あの敗戦から4年たっても、心を折らず畳に立ち続けていることに敬意を表したい。
福士は大丈夫なのか
なお、何の権限もないが本紙編集局長としては福士の名古屋出場は賛同できない。
まず、いかにも陸連を信用していないので、心証が悪化する。
次に、大ブレーキだと落選の口実になる。
そして、名古屋の有力選手の自己最高は福士の2時間22分17秒を下回っている。
逆に言えば、彼女たちは自己最高タイムを2時間22分30秒を上回った上で優勝しなくてはならない。
福士は堂々と待っていたらよいのではないだろうか?
すでに伊藤舞が代表に内定。
残るは2枠。
福士か、はたまた別の2人という大どんでん返しがあるのか。
名古屋ウィメンズは3月13日に行われる。