黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

見てくれている人はきっといる~悪送球に備えカバーに走った高木守道とそれを見逃さずほめた別当薫監督

デキる人は気配りもできる。きょうは2274安打を打った高木守道が守備も密かに頑張っていた話から展開する。

 高木守道二塁手ベストナイン7回、ダイヤモンドグラブ賞を3回取っている。ここで問題。二塁手はどこを守るのか?

 

どっち寄りかは別にして一塁と二塁の間の延長線上に位置する。このあたりに飛んできた打球を処理したり、二塁に走ってくるランナーにタッチしたり、ほかの野手からの送球を二塁付近で受けてダブルプレーを完成させたりする。

だが高木守道一塁手の後方によく走っていたという。そう、一塁への送球がそれた場合に備えカバーに走っていたのだった。

プロだから、草野球みたいにそう暴投はない。だが人間のやることに完璧はない。送球がそれたら打者走者は二塁に達してしまう。失点の危険性が拡大する。だがもし高木守道がカバー出来たら二塁への進塁は防げるかもしれない。高木守道はその可能性を増やしていた。

カバーが報われることはそうそうあるわけではない。じゃあカバーなんてしなくてもいいじゃんと思うかどうか。そこは考えようだ。まさに保険。掛け捨て保険である。だが世の中はよくできている。確認しなかった時、あるいはちょっと目を離したすきにこそアクシデントは起きる。そしてそれは運が悪いことに致命的だったりする。今回のネタはベースボールマガジン社中日ドラゴンズ70年 昇竜の軌跡」に収録されている高木守道中利夫の対談がベースだが、高木守道自身が言っていた。そういうカバーに行かなかった時に限って悪送球だったりするんだよなあ、と。

それが嫌だったのかどうか、とにかく高木守道は全力でカバーに励んでいた。ここである気持ちが浮かんでくる。「だれかこの頑張りを認めてくれないかな」。中日のフロントはその辺の評価が、高木守道的には足りなかったらしい。

 

うんうん、わかるなあ、その気持ち。高木守道とて別にほめられたいからカバーに走っているわけじゃない。あくまでもフォア・ザ・チームだから。二塁手として当たり前のことをしているだけだ。が、一人くらいこの頑張りを見ていてくれてもいいじゃないか…という気持ちにはなった。

 

そして運が良いことに「見ていてくれる人」がいた。なんと敵チームの大洋・別当薫監督だった。素晴らしいプレーだと言ってくれて連盟の特別賞をもらえることになった。サラリーマン的に言えば、ライバル会社の部長に「あの営業マンはなかなか頑張っとるやないか」と褒められて業界内で表彰されるようなものだ。

高木守道の名誉のために強調するが表彰されたかったわけではない。だれかに気付いてもらえたらうれしい、という話だ。肯定である。めんどくさ、と片付けてはいけない。人の気持ちなんてちょっとしたことで燃え上がるエネルギーになったりするのだから。逆につまらない一言でやる気をなくしたりする危険もあるのだが。

 

密かに頑張っている人は往々にして自分との約束を果たす意味で頑張っている。だがそこに第三者からの評価があればもっと頑張ることができる。あなたには別当薫監督のように「見てくれている人」はいるだろうか。たぶん一人くらいはいる。だから頑張っても意味がない、なんて卑下しなくてもいい。筆者には一人どころか4人心当たりがあり、心の支えになっている。

 

もちろんあなた自身が別当薫監督のように「見てあげている人」になってもいい。同僚や後輩にこつこつ頑張っている人はいないだろうか。いたらありのまま、「なかなかいいね」と評価してあげてほしい。きっとその人は、高木守道みたいに意気に感じてバリバリやってくれるはずだから。

高木守道さんが2020年1月17日に亡くなりました。ご冥福をお祈りします。

阪急・上田利治監督1時間19分の猛抗議の遠因とは~後藤正治「中断」を読んで

阪急で黄金時代を築いた上田利治元監督が亡くなった。80歳。1975年からの日本シリーズ3連覇をリアルタイムで見たかった。山田久志福本豊ら元阪急の人たちはいるけれど、上田利治氏が亡くなって名実ともにブレーブスが消滅したように思える。

オリックス球団最大の失敗はブレーブスの名前を残さなかったことだ。ブルーウエーブになる前の一時期、オリックスブレーブスという時代があった。それでよかったではないか。のちの話にはなるが、ブレーブスでなくなっていたから逆に近鉄バファローズと一緒になりやすかったのであれば皮肉な話。端的に言えば歴史へのリスペクトがない。なのに思い出したように復刻ユニフォームを数試合着たりする。歴史を重んじるというのはそういうことではない。

 

上田利治氏は最後は日本ハムの監督だったが、やはり阪急、オリックスが主戦場だったのでオリックスには何らかのアクションを期待する。

 

上田利治氏と言えばやはり1978年日本シリーズでの1時間19分にわたる猛抗議だろう。抗議時間としては異常に長い。待っているお客さんも、もしかしたら選手たちもいい加減そろそろ…と思っていたことだろう。しかし勝負事だからこのくらい粘るのはアリだと思う。

知将 上田利治

知将 上田利治

 

 

上田利治氏の訃報に接し、後藤正治先生の人物ノンフィクション「孤高の戦い人」を読み返した。岩波現代文庫。125ページから166ページまでが「中断」というタイトルで、上田利治氏がテーマなのだ。上田利治氏や阪急の歴史に触れたい方は必読と言っていい、おすすめの作品である。

 中断というタイトルではあるが上田利治氏に監督のバトンを渡す西本幸雄氏のことから丁寧に阪急の歴史がつづられているのでゴリゴリの野球通でなくとも分かりやすい。もちろん阪急を懐かしみたい方も楽しめるエピソード満載だ。

 

黒柴スポーツ新聞が特ダネとして付け加えたいのが「高知球場ウナギ事件」。西暦は不明だが高知キャンプに訪れた阪急ナインを激励しようと高知県内のウナギ料理店主が場外でかば焼きを作り始めた。するとおいしそうな香りが場内に到達。練習に支障があったようで上田利治監督に「やめて」と言われた伝説がある。この時の抗議は1時間19分でなく1.19秒で済んだと推定する。

 

それにしても抗議の発端となったヤクルト・大杉勝男の打球はホームランだったのか、ファールだったのか。この「中断」ではざっくり言うとファールという証言が多い。中沢伸二捕手、加藤秀司一塁手ブルペンにいた今井雄太郎…。それぞれの証言や置かれていた状況はぜひ「中断」をご覧ください。

 

上田利治氏の猛抗議はなぜ起きたのか。それは場面が3勝3敗で迎えた日本シリーズ第7戦という大勝負であり、上田利治氏の頑固一徹な性格にもよるのだが後藤正治氏はそもそも第7戦までもつれたのは第4戦の上田利治監督のあの采配の結果だと指摘している。そしてその采配の遠因はシーズン途中の体調不良にあったとみている。

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今井雄太郎完全試合も影響している。

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その今井雄太郎にビールを飲ませたのは梶本隆夫

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豊田真由子議員ばりに言えば「物事にはねえ、表と裏があんの」である。いまや個人が情報発信するのは当たり前。プロ野球だって1球速報がある時代。だからこそそのプレーや采配の背景には何があるのかを解く作業が重要だ。上田利治氏の場合は抗議だったがその裏にこんなドラマがからみあっているのかということを学ぶことができた。

 

良質のノンフィクションはまるで短編映画を見ているような気分にさせてくれる。上田利治氏は亡くなってしまったが数々の采配は書物の中で生き続ける。ご冥福をお祈りします。

 

後藤正治先生ほかノンフィクション関連記事はこちら。

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中田翔の奇抜なひげはあり?なし?~個性はいかに発揮するべきか

日本ハム中田翔があごひげを金色にしている。筆者もあれっと思ったが、野村克也もあれはない、と一刀両断していた。

ラグビー日本代表の堀江翔太は髪を編み込みつつ全体的にはあまりまとまりのない、もう言ってしまえばボサっとした髪型をしている。こちらも業界のお偉方からイエローカードが出た模様だ。
田中史朗と堀江翔太が日本代表に欠かせない本当の理由 ~最強ジャパン・戦術分析~ (ラグビー魂BOOKS-1)

田中史朗と堀江翔太が日本代表に欠かせない本当の理由 ~最強ジャパン・戦術分析~ (ラグビー魂BOOKS-1)

どちらもトップ選手でありありがちな表現をすれば子どもたちの良きお手本にならねばならない立場にいる。

一方でプロ選手だから個性を発揮して何が悪いのかという考え方もある。

日本はあからさまな個性には手厳しいから、こういうプレー以外の個性の発揮に対しては、プレーの質の低下と共にバッシングになる。そういうことやってるからだ、と。

仮に中田翔があごひげが金色のままタイトルを取ったらどうなるのか。ありなのか。批判する人は野村克也みたいに最初から指摘したらいいと思う。結果が悪くなった途端に言うのではなく。あとから言うのもまたフェアじゃない。

翔! 頂点目指して

翔! 頂点目指して

就職活動中、恩師が学生たちに言ったことを思い出す。

「茶髪とか、ひげとか、そういうのでしか個性出せない人はそれまで」

最新の就活のファッションは分からないが、当時はみんな似たような紺色のリクルートスーツが定番だった。グレーは少数派だった印象。見た目で差別化を図ることはちょっと難しかった。

恩師はそれ以前に、これから就職活動を本格化させる学生に対して引き締めを図っての発言だった。筆者はそれを素直に聞いた、というよりは「茶髪とかひげとかでしか個性出せない人はそれまで」というのが説得力あるなあと思ったので素直に聞けた。

就職活動中の学生と、億単位の金を稼ぐ稀有なプロ野球選手を同列に論じるのは少々無理もあるが、やはりアスリートにも、見た目でしか個性を発揮できないならそれまで論は適用されると思う。むしろプロ選手だからこそハードルは高い。

もしかしたら中田翔や堀江翔太はそれを承知で、退路を断つ意味でやっているのだろうか。

プロ選手はファッションの個性を出したいなら徹底してやればいい。巨人は金髪もひげもダメでもその選手にポリシーがあれば貫かねば。そこで黒く染め直したりひげも剃るんなら、やっぱりそれまでなんだなあとファンは思う。

リアルタイムでは知らないが大洋から巨人に行ったシピンがそうだったんじゃないかなと。野球カードから推察した。もみあげから鼻の下のひげまでつながりWに見える。大洋ホエールズにいたのだからWでよかったのだが。

小笠原道大ですらひげは剃ったからなあ……それが巨人の伝統というやつなのか。

魂のフルスイング

魂のフルスイング

その他大勢になりやすいサラリーマン的にも、個性をいかに発揮するかは腕の見せ所。見た目で目立つか、仕事で目立つか、その両方か……。あなたは見た目で個性を表すプロ選手、どう評価しますか?

北海道日本ハム新球場は遊び疲れてクタクタに?~イメージ図だけでいろいろつっこんでみた

6月29日、日本ハムが新球場の構想を公表した。あくまでもイメージ図であり未確定要素満載ということは承知の上でいろいろ突っ込もうかと思う。イメージ図を勝手に引っ張っては来られないので読者の皆さんはネット上で予習するかパソコンの画面上にスポーツ紙サイトなどからイメージ図を表示してください。

屋根はない

まず、屋根があるのかどうか。イメージ図では、ない。久しく北海道に行っていないが寒さ対策という点で不安。北海道の方に向かって釈迦に説法とは思うが。ネット上のコメントでも寒さ対策の必要性が指摘されていた。思い出してほしい。2016年の日本シリーズだって広島ですら寒そうに見えなかったか? 雨も降ったし。近年の日本ハムは強いのだから11月まで試合(日本シリーズ)がある前提で球場を作った方がいい。

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ただで見れちゃう?

メイン球場は掘り下げて作るのか、手前のサブグラウンドのレベルが外野席の最上段くらいに見える。フェンスでもない限り「ただ見」が可能ではないか? あの10.19川崎決戦の時の野次馬をほうふつさせる。ただ見のスケールはマツダスタジアムの比ではない。それともこの界隈に入る時点で有料なのだろうか。気になる。外野席のさらに外野にも一角、観客席がかなりの数ある。収容人数は3万から3万5千人という。

人工芝ではなく天然芝

芝はマツダスタジアムをほうふつさせる。共同通信の記事を見たら天然芝だった。これも気候との兼ね合いで芝のコンディションが気になる。

メインストリートには商業施設

メインストリートは商業施設があるように見える。中央には「TEAM STORE」と書いてあるのでチームのグッズ売り場か。ご存知のように京セラドームはイオンが隣にあるので家族連れにはちょうどいい。特にパパの方が野球好きの場合。パパは野球メイン。ママと子どもは買い物もできる。お互い気を遣わずに過ごせる。今回の日本ハムのイメージ図ではそういうショッピングモールがあるのかまではちょっと分からない。ネット上では早速、食品会社のメリットが生きそうみたいなコメントを見かけた。そうだった。親会社は日本ハムなのだ。食の充実は期待したい。 

温泉施設、映画館もある

イメージ図ではどれか分からないが、温泉施設や映画館まである。野球を見てから温泉につかるのか、温泉だけつかりにいくのか、映画を見て野球を見て温泉につかるのか。近年のプロ野球は、というか特に日本ハムは先発、中継ぎ、抑えの分業が確立されており試合は3時間コースが基本。風呂が1時間。映画が2時間としたらフルコースで6時間。家から球場まで片道1時間として往復2時間。家族サービスとしては長丁場だ。日曜日に試合があったら子供たちを連れて行く北海道のパパたちは月曜日、ぐったりして道内経済に影響必至である。

札幌なの?北広島なの?

建設地はまだ決まっていないらしい。札幌市なのか北広島市なのか。札幌市はスペース確保が難しく、北広島市はスペースはあるがアクセスが課題という。北海道日本ハムの本拠地なのに「北広島」というのも悩ましい話。結局、用地確保や建設費、維持費、交通アクセスなどもろもろの課題を検討した結果、場所が決まるのだろう。ちなみに敵チームのファン目線だと野球観戦のついでに食事も含めて観光も楽しみたいからアクセスは非常に重要。まずはホームの方々の利便性だろうがアウェー民のこともほんの少し考えてもらえるとありがたい。

なぜ世界一を目指さない?

以上、まったく取材せずイメージ図だけで想像と妄想を膨らませてみた。もう一つだけ注文をつけると「アジアナンバーワンのボールパーク」というフレーズがなあ…と思った。アツい北海道のファンと一緒ならば「世界一」を目指せるんじゃないの? 本家・アメリカは追い越せないという思考が透けて見える。確かに世界一なんて言ったらアメリカンピーポーに「えっ?」と言われるだろう。でも日本の応援も熱烈で楽しいから世界に誇っていいはず。ファンサービスという意味ではOBの岩本勉あたりがいろいろアイデア出してくれそうなのでいっそ岩本勉を建設委員長にしてファンの声も反映させていいものつくってもらえないかなあというのが外野の勝手な言い分である。そして前の記事でも書いたがファイターズやフライヤーズなどチームの歴史を大事にするスペースも忘れずに作ってほしい。新球場はあくまでも新しい歴史をつくる場所なのだから。

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最多登板を争う岩瀬仁紀と米田哲也はどちらがエラい?~プロは2位じゃだめなんです

レンホーさんが「2位じゃだめなんですか」と言ったことがあるがプロ野球記録において2位というのは忘れられてしまう存在だ。通算最多勝金田正一の400勝だが2位はどのくらい知名度があるか。念のため書いておくと米田哲也の350勝だ。

あの黒田博樹ですら200勝で一区切りという雰囲気だった。そこからさらに150勝。米田哲也は19年連続2けた勝利プロ野球記録も持っている。そもそも19年間第一線で投げ続けるだけでも大変なのに毎年2けた勝っている。今なら米田哲也の年俸は10億円くらいいくのではないか。いや、「10億円であれ!」と言いたくなる。

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なぜいま米田哲也のことをいうかと言えば前人未到と思われてきた米田哲也の通算最多登板949に岩瀬仁紀が届きそうなのだ。2017年6月28日現在で637試合登板。シーズンもまだ中盤なのであと12試合というのは射程圏内だ。

逆に言えばこれを達成するかどうかで岩瀬仁紀の選手生命が変わるかもしれない。最多登板を花道に引退、というのも悪くない話。一方、最多登板にあと一歩でシーズン終了、であれば「もう1年…」という話がでるかもしれない。最近はすぐ記念Tシャツとかグッズが出る(ちょっと安売り感に辟易している)が岩瀬がもし最多登板したらこれはみんなでお祝いせねばならない。球団的にも売り上げが上がるし最多登板の試合は大入り満員になるかもしれない。球団的にも岩瀬仁紀の最多登板は営業課題であろう。いや、営業課題であれ!と言いたい。岩瀬仁紀は中日が誇るレジェンドなのだから。

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世間的にも岩瀬仁紀に新記録を狙ってほしいムードだろう。だが、だからこそ、あえて、米田哲也擁護論を展開してみる。

 

すごさの定義は難しいが、タフさと言えばやはり米田哲也。何せ通算5130イニング投げた。岩瀬仁紀は939.2イニング。実に4000イニング以上違う。先発、中継ぎ、抑えの分業が確立された現代野球ではエースクラスは年間200イニングあたりが相場。実に20年分の差である。

確かにリリーフ投手は登板機会が読めず、連投も日常茶飯事。マウンドに上がるのはチームがピンチあるいは逃げ切りたい時だから精神的な負担も重い。試合に出なくとも肩を作ったり待機するから働いてはいる。

 

一方、米田哲也ら先発組は球数を放るから体が丈夫でないといけない。対戦回数が多いから研究されやすい。エースとしてチームを背負う重圧もある。最近は抑えもその重要性が評価されて年俸も高騰しているがやはり先発ローテーションを守る投手はひとつ上の格が与えられていいかな、と個人的には思う。

ちなみに米田哲也は登板した後は食事をせず、翌日も軽食。だんだん食事の量を増やし、登板前夜は3000円もするステーキを平らげていた説がある。スポニチ記事で読んだ。

 

食事の管理は奥さんがしていて、登板日が分からない時は西本幸雄監督に聞いていたというから熱意がすごい。通算350勝の立役者である。

 

記録の醍醐味は新記録誕生の際に再びレジェンドに光が当たる点だ。岩瀬仁紀という現代の鉄腕のおかげで昭和の鉄腕の米田哲也がクローズアップされている。このまま行けば岩瀬仁紀が最多登板になる。だがやはり5000イニング以上投げた米田哲也に最多登板の冠をつけさせたままにしたい、というのは感傷に浸りすぎだろうか。

なお、米田哲也の先発登板626はプロ野球記録。被安打4561と失点1940もそうだ。が、こちらは名誉の負傷と言えるだろう。そういう好戦的な表現は時代錯誤かもしれないが。

 

岩瀬仁紀が新記録を作るにあたり、ほんの一時でもいい。隠れた大投手、米田哲也に注目してほしい。ネット上にはなぜ米田哲也知名度が高くないのか?という問いがあり、その答えに自己最多が29勝(1968年)でもそれは当時特筆すべき数字ではなかったこと、日本シリーズで巨人に勝つなどのアピール材料がないことなどが挙げられていた。29勝で最多勝とれないなんてどんだけレベルが高かったんだか。ちなみに米田哲也のタイトルをはばんだ1968年のパ・リーグ最多勝皆川睦雄。最後の30勝投手である。

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最後までトリビアをぶちこんでおくと、米田哲也は投手として唯一、満塁ホームランとサヨナラホームランを記録しているらしい。しかも満塁ホームランは初勝利の日でプロ2打席目。サヨナラホームラン稲尾和久からのようだ。投手なのに通算33本もホームランを打っている。今後、岩瀬仁紀からの米田哲也記事でさらにトリビアを収集することをもくろんでいる。

 

米田哲也と阪急を支えた梶本隆夫の記事もあわせてご覧ください。

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ここ一番で勝てばいい~通算16勝の完全試合投手・森滝義己

6月28日は藤本英雄が史上初の完全試合を達成した日だった。毎朝聞いているNHKラジオのコーナーの一つ、きょうは何の日、で言っていた。

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それにちなんで完全試合ネタで記事を書こうと考えた。藤本英雄については再々取り上げているので、どうせならまだ手付かずの選手を調べよう、と久々、北原遼三郎氏の「完全試合」を引っ張り出してきた。本日のテキストはこれ。

完全試合―15人の試合と人生

完全試合―15人の試合と人生

 

 完全試合達成者15人の中から森滝義己を選んだ。同年代でもプロ野球選手の名前は知っている方だ(特に古い選手)と自負しているが知らなかった。

有名だからできるわけではない

完全試合は有名な投手だからできるというわけではない。もちろんたくさん勝てる力がある投手ほど完全試合ができる可能性はある。その点、森滝義己は通算16勝。ここにこそ完全試合の味がある。誰にだって大記録を達成できる可能性はあるのだ。

凡人はこういうところに光明を見出さねばならない。どうせオレなんか、なんて自分を卑下してはいけない。あなたにだっていいところはいっぱいあるはずだ(あ、凡人だ、と言っている意味ではありません…)。

 森滝義己は立教大学出身。2017年春季に立教大学は久々に六大学野球リーグを制したのだが森滝義己はエースとして在学8シーズン中5回も優勝した。あと1勝すれば優勝というシーズンもあったがアクシデントでねんざしてそれはかなわなかったという。39試合に登板し18勝6敗、防御率1.43という堂々たる成績だった。

出場機会は自らつくるべし

森滝義己に声を掛けた球団は国鉄ともう一つの2チームだったという。なぜ国鉄を選んだかというと同じ下手投げのピッチャーがいなかったから。このあたりがクレバーな選択。出場機会を自ら作るのも大事なことだ。プロ初年度は初勝利のみ。2年目にもう10勝しているが以後は0勝が4シーズンと5勝が1シーズン。通算7年で16勝だった。このうちの一つが完全試合なのだから人生は分からない。

 首の皮一枚つながった奇跡の1球

北原遼三郎氏は森滝義己の完全試合の中で、「あの1球」にクローズアップした。というかせざるを得なかったのかもしれない。7回、対戦相手の中日の井上登に投げた球は井上の体めがけて進んでいった。カウントはノースリー。死球なら完全試合消滅。当たらなくても死球完全試合消滅。ここで信じられない奇跡が起こり完全試合への挑戦は続行された。はたしてその奇跡とは…? 答えはぜひ北原遼三郎氏「完全試合」でご覧ください。ざっくり言えば、水島新司の野球漫画みたいな展開です。

試合は1-0で勝ち、森滝義己は史上七番目の完全試合を達成した。奇跡の1球は大きかった。もし死球か四球になっていたら完全試合はフイになっており、通算16勝というキャリアで森滝義己は「その他大勢」にのみ分類されていたことだろう。もっとも、完全試合投手になってもそこまで名が知れているわけではないが。ただし80年を超えるプロ野球の歴史の中で完全試合投手は15人しかいないのだから森滝義己の存在価値はすさまじいものがある。

偉業はなぜできたのか?

森滝義己はなぜ完全試合ができたのか。もちろん奇跡の1球も欠かせないが、黒柴スポーツ新聞編集局長としては「執念」とみる。あの奇跡の1球から森滝義己は「天が味方しているとしか思えない」「こんなチャンスはもう絶対一生ない」と考え相手を抑えにかかった。そう、「打たれても仕方ない」なんて考えていたら快挙なんて達成できない。

「やればできる」という言葉は好きじゃないがやろうともしなければ何も生まれない。何も始まらない。本当の勝負強さとは連戦連勝ではなくここ一番で勝つことだと思う。森滝義己の完全試合はプロ2年目。現代ならスマホに号外ニュースが通知され大騒ぎになったことだろう。ちなみに森滝義己が完全試合をしたのは昭和36(1961)年だがお祝いに100万円も集まったという。

 レジェンドとその他大勢

完全試合をした年は10勝したが翌年0勝、2年後も0勝。3年後に5勝するも、4年後と5年目も0勝でついに戦力外通告。腰痛と打球直撃という不運にも見舞われたが果たして森滝義己は持っていた才能を十分発揮できたのだろうか。完全試合達成者には藤本英雄金田正一外木場義郎槙原寛己ら名前が通った人と、「その他大勢」(完全試合達成者の一人である佐々木吉郎氏の表現)にざっくり分けられる。レジェンドたちはもちろんすごいけれど、この彗星的に表れた「その他大勢」の方が、人生において「ここ一番に勝った」意味は大きいと思う。

 実際、森滝義己は引退後サラリーマンとなり、差し出した名刺を見た人が「あの完全試合の?」と言ってくれたそうだ。時は流れもう今のプロ野球ファンに森滝義己の名前はなじみがないだろうが「ここ一番に勝った」森滝義己の名前はプロ野球史にくっきりと刻まれている。それでいいかな、と思う。勝てる人は勝てるだけ勝てばいい。勝てない人でも「ここ一番」で勝てばいいんだ、と。それが進学、就職、結婚(もちろん独身という生き方も素敵です)、転職、独立など、どの局面かは分からないけれどその人が納得する結論を出せたらそれが一番だ。

人間がやることに完全はない

人間がやることに完全はない、と中学校の先生が言っていてなるほどなと思った。完全試合という表現はその対極にあるのだけれど、実は後ろで守っている野手が信じられないファインプレーをしたり森滝義己みたいに奇跡の1球があったりする。史上初の藤本英雄の登板だってローテーション上で投げるはずだった多田文久三がおなかを下した結果の代役での完全試合である。不安定な要素の集合体が完全試合なのだ、と北原遼三郎氏の「完全試合」を読むたび思うのである。

 

あわせて読みたい完全試合投手たちの記事はこちら。

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437本の投稿でやっとこさ10万アクセスになって考えたこと

将棋の藤井聡太四段が29連勝の新記録を作った。21時台のNHKニュースには師匠の杉本昌隆七段が出演。藤井聡太四段の強さの秘密の一つに、膨大な数をこなした詰め将棋があると説明していた。

将棋をたしなまない筆者にはすごさが分からなかったがこのようにトレーニングは地味で、「筋トレ」のようなものだ、と杉本昌隆七段は例えていた。やはり勢いだけで連勝は続かない。この流れで言うのは恥ずかしいがせっかくなので。このブログ、黒柴スポーツ新聞はいただいたアクセスが10万に到達した。いまだ1カ月で最高は9000台とサクサク数が稼げないが、まあこんなマニアックな話によく1日数百アクセスあるなあと自分でも思う。

書くことでいろんな能力が鍛えられた。ブログを書くことは筋トレみたいだ。

それにしてもなぜ今、片岡治大の記事が読まれているの?
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なぜ今、梶本隆夫
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なぜ今、山本集
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なぜ今、酒井圭一?
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書いてる本人にすら分からない。

しかし分かることはある。

なぜ今読まれるかって、ただ読者が「気になっている」からだ。

たまにはグーグルアナリティクスなんか見ちゃうが、直近30分で読まれている記事がバラバラ。たまに中居正広の記事とか、黒田博樹の記事とか一気に読まれることもあるが基本はニッチ産業なので渋い人の記事が多い。
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だからよくここまでたどり着くよなあ、とそのマニアック魂に脱帽する。
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ちなみに1年半やってリピーターは15%。鍾乳石みたいだがじわじわ増えてきていてうれしい。

「着眼点が面白い」と言われるのが一番うれしい。今や一球速報も当たり前の時代、打った投げた、勝った負けただけの記事なんか意味がない。その背景にあるドラマが知りたい。自分がそう思うからいろいろ調べて書いている。

めんどくさいことをしているように思われそうだが好きでやっている。今日はこれだなというネタがない日は無理やり書かない。好きでやっている。そう、この点だけは藤井聡太四段と同じだ。端から見たら筋トレに思える詰め将棋を、藤井聡太四段は「勉強をしている」とは思ってやってはいないだろうと杉本昌隆七段は言っていた。ブログを始めてまだ1年半だが確かに好きでなければ続かないと思う。

今、ちょっと迷っている。時事ニュースなど読者のことを最優先に考えてネタを選ぶのか、自分が書きたいことだけ書くのか。あまりに自分優先だと何のために書いているのか分からないし公開している意味もない。かといっていつも大谷翔平柳田悠岐だと人気選手ばかりネタにするのも芸がない。読者の目には見出しが止まりやすいだろうけれど。
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結局、その時々で表現したいものを表現するしかないかなと思う。アクセスを集めるテクニック的な文章も読んだが、ただ書きたいことを書いていてはダメで読者の欲求を満たさないと!みたいなことが書いてあった。そりゃ自己満足はいけないと思うがこれを書きたいという気持ちは大切にしたい。

一つの記事だけで何万アクセスいく人もいるが、大切なのは読者の欲求を満たす「一分の一」になることではなかろうか。あの選手にはこんなドラマあるんだね、と読者が知ってくれること。それを読んだ人がほんのちょっと前向きになれること。それをこれからの目標にしていこうと考えている。

最後になりましたがいつも星をつけてくださったりシェアしてくださるレアな常連さんたちに感謝します。本当にありがとうございます。好きこそものの上手なれ、でこれからも更新しますので応援よろしくお願いいたします。

五十嵐亮太700試合登板の原動力とは~ナックルカーブには頼らない

ホークス投手陣を支える一人、五十嵐亮太。ヤクルト時代は自信満々にストレートを投げ込み、抑えるか、打たれるかのシンプルな力勝負をしていた印象だった。しかし今は代名詞ともなったナックルカーブを効果的に使い抑えている。通算700試合登板を達成した鉄腕の生き方に学んでみたい。

若き日の五十嵐亮太は自信満々にストレートを投げ込み、打たれるか、抑えるかというシンプルな力勝負をしていた印象だ。石井一久が当時の五十嵐亮太を「コントロールがなかった」と評していたが投手としては致命的。しかしプロ野球選手も社会人も一芸に秀でることは大切。五十嵐亮太は自慢の速球を武器にメジャーに挑戦した。そこでナックルカーブに出合うのが人生の面白さ。速球に磨きをかけるのも一つの生き方だ。だが五十嵐亮太はもう一つの武器を取りに行った。

参考になるのは武器の選び方。五十嵐亮太は速球投手だからその真逆の、スピードを殺し、落ちていくナックルカーブが幅を持たせている。このように元々の武器とは対極的な強みを持つことで戦い方に幅が出る。

だが五十嵐亮太の素晴らしいところはナックルカーブに頼っていない点だ。2017年の交流戦ソフトバンクと広島が勝率1位を争ったが、直接対決でのピンチで起用された五十嵐亮太鈴木誠也から高めの直球で空振り三振を奪った。年齢なりの蓄積されたダメージもあろう。しかしここで力のある直球で三振を奪えるところが五十嵐亮太の真骨頂だ。最初に引用した石井一久の話でも「年齢を重ねても速い球が投げられている」という評価があった。新しい武器を手に入れたらついついそれに頼りたくなるものだ。しかし五十嵐亮太は元々の武器を生かすことで新しい武器を生かしている。もし元々の武器に単に行き詰まりを感じて次の武器を取りに行ったのであれば700試合も登板できなかったのではなかろうか。新しい武器を増やすことも成長。しかしそれを手に入れてほっとしてしまい、成長が鈍化するのは本末転倒だ。幅のある戦い方をするためにもまずはその人本来の長所や得意技、個性に磨きをかけたいところ。まずは自分の強みが何なのか、見直してみよう。

大家友和ギリギリ井口資仁の引退にかぶらず~日米59勝は数字以上の輝き

大家友和という人はこういう人なんだろうな、と思った。何か。一生に一度の引退発表が危うく井口資仁とかぶりそうになった件だ。

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 井口資仁は日米2000安打を達成した名バッター。名球会会員ともなれば大抵の選手はかすんでしまう。だが大家友和になぜか引かれる。日本での最初の5年間でわずか1勝だった時点でもはやプロ野球選手としては厳しい状況だったはず。しかし、むしろそこから大家友和の野球人生が始まっている。

 勝負をかけたアメリカで大家友和は3度の2けた勝利。この事実から言えることは、「人の評価は一カ所では決められない」。進学先が、バイト先が、就職先が、所属先がその人に合っているかなんて最初からは分からない。レッテルを早々に貼るのは愚かな話だ。

 

だから大田泰示のように移籍先でブレイクすると本当にうれしくなる。何と大田泰示阪神へのFA移籍もうわさされる中田翔の後の4番候補だみたいな記事さえ出だした。しかしひょっとするとそこまで行くかもしれない。だとしたらとんでもないシンデレラストーリーだ。まあ中田翔阪神より日本ハムにいた方が存在価値は高いと思うが。

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大家友和もさんざん言われただろうな、日本で1勝の男に何ができる?と。それがどうだ。大リーグで51勝もした。日米通算59勝だからアメリカでの勝ち星の方が圧倒的に多い。メジャー50勝はこれまでに6人しか到達していない。その6人はこちら。

野茂英雄

大家友和

松坂大輔

黒田博樹

岩隈久志

ダルビッシュ有

 

いずれも日本球界で結果を残した人ばかり。いや、だからこそ大家友和に注目してほしい。日本で結果が出せなかった男が世界最高峰レベルで日本以上の結果を出したのだから。

 

この人は本当に野球が好きなのだ。だからアメリカから日本に戻って、横浜にもいたし独立リーグにもいたし、またアメリカにも渡って野球をしている。

 

だからこそ、ありえない夢を見る。今度は四国アイランドリーグにでも行かないかな、と。そう、四国アイランドリーグにはなぜか元メジャーリーガーが来るチームがあるじゃないか…高知ファイティングドッグスだ。

 

これまでに伊良部秀輝藤川球児マニー・ラミレスが入団した。このうち藤川球児は無事、阪神タイガースへの復帰を果たしている。

 

思い出す。黒柴スポーツ新聞編集局長はその時、伊良部秀輝と会話を交わすことに成功した。急きょ開かれたサイン会でのことだった。その日、ダブルヘッダーとは言え午前10時という元メジャーリーガーにはありえない先発開始時刻だった。暑い暑い高知市営球場のマウンドに立つ伊良部秀輝を見た時、「この人は本当に野球が好きなんだな」と思った。試合が終わりサインを求める人の列に加わった。サインをしてもらう時、発作的に「絶対プロに戻ってください」と思わず話しかけてしまった。伊良部秀輝はにやっと笑い「戻れるかなあ」とつぶやいた。調子に乗った編集局長は「握手を」と手を出したら伊良部秀輝は義務的に手を出してくれた。剛速球投手に似合わず、意外にやわらかかった気がした。そんなことがあったから伊良部秀輝の訃報はものすごく悲しかった。

 

野球選手は野球をしているから野球選手だ。そうではなくなる大家友和の第二の人生が気になる。もうプレーしないのならぜひその貴重な経験を若い世代に伝えてほしい。特に自身と同じようにすぐには芽が出なかった選手にこそアドバイスを送ってほしい。その時大家友和はどんな言葉を選ぶだろうか。選手ならずとも、ちょっと聞いてみたい。

 

あわせて読みたい、引退にまつわる記事はこちら。

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王貞治ベースボールミュージアムカウンターシートはお得感あり~ヤフオクドームならではの楽しみ体験談

ヤフオクドームで野球を見る時、席はどこを選んでいますか? 今回、裏技的に見たいなあと、王貞治ベースボールミュージアムカウンターシートを初体験してきました。感想はズバリ、「結構いいです」。
 
※今回は筆者のようなヤフオクまだまだ初心者マークさん向けに書いております。常連さんはどうぞ温かい目でご覧ください。
 
実はわざわざミュージアムカウンターシートを選んだというより急きょ見に行くことにしたため、見たかった内野席が取れませんでした。しかし都合で日程はずらせません。ホークス球団HPで空席検索したら見慣れない「ミュージアムシート」なる文字が。ヤフオク行き慣れてないもので、何これ?と興味がわきました。
 

3つの特徴

ざっくり言うと……
1.王貞治ベースボールミュージアム内から観戦する。
2.外野席後方のガラス越しに観戦する。
3.外野席さながらに3列くらいの「ミュージアムシート」(HPによれば100席)と、外野席の後方に横一列に並ぶ「ミュージアムカウンターシート」(同じく254席)があるので買うときに指定する。
 

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※写真はミュージアムシート。
ミュージアムシートもミュージアムカウンターシートも自由席です。
   

王さんの偉大さを体感

まず王貞治ベースボールミュージアムについて。世界のホームラン王、王貞治ソフトバンクホークス会長の偉大さが数々の展示ガラス体感できる野球博物館です。ブログ用に写真撮影していいか尋ねたらOKでしたので紹介します。展示物そのものは実際に行ってみて楽しんでください。

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ミュージアムは外野後方

ミュージアムは球場の外野席後方をとりまく形であります。2でも書いたように、外野席とミュージアムシートおよびミュージアムカウンターシートとはガラス窓で遮断されています。ミュージアムカウンターシートからの見た目はこんな感じです。 グラウンドまでどんだけ遠いかと思っていましたが、全然許容範囲でした(もちろん受け止めには個人差はありますが…)

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ミュージアム入場料は1000円

 ミュージアムはHPによれば通常、野球のチケット以外に高校生以上は1000円、小学校4年~中学生は400円の入場料がかかります。保護者同伴なら3年生以下は無料だそうです。
  

ミュージアムシートは最高2000円

ミュージアム内部からガラス越しに見るミュージアムシートやミュージアムカウンターの気になるお値段は、高校生以上1400円(小4~中学生700円)か、1800円(同じく1300円)か、2000円(同じく1500円)と、試合のカードにより異なるそうです。筆者は6月10日の阪神戦だったため一番高い2000円でした。
  

ウンチク語れます、体験もできます

この料金は王貞治ベースボールミュージアムの入場料込みです。野球好きの彼氏やパパなら一緒に見て回って、お連れさんに王さんのウンチクを語れること間違いなし。ただし解説はほどほどに(笑)。もちろん、試合展開によっては試合中に気分転換がてら展示を見てもよさそうです。筆者はこの日都合でMAX2時間しかドームにいられなかったこともあり、阪神の攻撃中に小分けしてミュージアムを見学。展示は何年か前に一度見ていましたので、おさらいです。展示物以外にも「89スタジオ」ではホークス選手のバットやバッティンググラブの展示、和田毅投手の牽制球を警戒してのリード体験、ピッチングやバッティング速度の計測コーナーもあり野球少年にはたまらないでしょう。

  

腕輪があるので入退場もすんなり

筆者は童心に帰って体験コーナーでハッスルしてミュージアムカウンターシートに戻ったら先発松本裕樹が四球を出して満塁のピンチ! あわてて応援するも、タイムリーを浴びてしまいました。試合中にミュージアムとの行き来をする場合は見どころを逃さないよう上手にやりましょう。なお当日はミュージアム観覧者の証である黄色いテープの腕輪をすることでミュージアムと、シートの間を行き来できます。

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食事はカウンターでできます 

カウンターシートには文字通りカウンターがあるので、売店で買ってきた食べ物もそこに広げて食べられます。ヤフオクドームは試合前でも人、人、人ですからパパや彼氏は上手にお連れさんの食べ物を用意してあげることで株価が上昇します。逆に食事であたふたすると野球場は人がいっぱい→疲れる→一緒に行かないという最悪のケースもあり得ます。スマートにエスコートしましょう。
  

ラジオの音声も流れる

一つ気になったのはフロアに流れるラジオ中継の音声。カウンターシートでは据え付けのスピーカーから聞こえるのですが目の前のプレーからビミョーな4秒くらいのタイムラグが。一つ一つのプレーを予知できている錯覚に陥ります。また、ガラス越しにうっすら聞こえる声援とラジオ音声の声援が「渋滞」します。慣れるまで大変でした。ただしラジオは解説者がいらっしゃるのでうまく聞くと、より試合が楽しめます。
 

わあわあ応援する所ではない 

ミュージアムシートは応援席とはおもむきが違うのでわあわあ応援する所ではありません。思わず出る拍手、「オオッ」という反応くらいでしょうか。
ちなみに筆者が行った日は柳田悠岐がセンター前ヒットに猛チャージしてノーバウンドのバックホームで2塁ランナーを刺しました。打球がセンターに抜けた時、うろうろしていた筆者はちょうど阪神ファンが多いレフト側のカウンターシート後方を歩いていました。で、阪神ファンが「よっしゃ(追加点や)」と喜び、筆者は「ガーン(また失点かあ)」と見ていたらギータが「とりゃあああ!」とバックホームしたので「えっ、まさかの?」と期待したらホントに殺しました。カウンターシートで矢のような送球が堪能できました。
  

結論

選手への近さ、迫力を求めるならバックネット裏など高価な席であることはいうまでもありません。まさに特等席だからそれなりのお値段。自分や家族へのご褒美的にもぴったりでしょう。しかし球場に行く回数を稼ぎたいとか同行者がまあまあ多いとか、そこまでお連れさんが野球をガッツリ見なくても雰囲気を味わえたらいいかなくらいならミュージアムシートは十分コストパフォーマンス高いと思います。
 
特に小さなお子さん連れだとなにかと人混みは気を使います。その点ミュージアムシートは入れる人に限りがあるので混雑はありません。逆にミュージアムという特性から大声は禁物。静かに見られる年齢ならば、という印象です。トイレもミュージアム内にあります。分からないことがあれば係員さんに聞きましょう。筆者は親切に対応してもらえました。
 
というわけで話の種にもなるミュージアムシート、次回のヤフオクドーム観戦時の選択肢にいかがでしょうか。料金や注意事項など公式情報はチケット予約の前に念のため王貞治ベースボールミュージアムのHPをご覧ください。それではこれからもヤフオクドームでの野球観戦を一緒に楽しみましょう!
 
あわせて読みたいヤフオクドームでの観戦記はこちら。

青木宣親日米2000安打で宮崎日日新聞がラッピング紙面~プルーブ・ユアセルフ・ライトの意味とは?

2017年6月12日(日本時間)にアストロズ青木宣親が日米2000安打を達成した。関連記事はいろいろ読んだが、青木宣親の好きな言葉が興味深かった。

 

「プルーブ・ユアセルフ・ライト(自分が正しいと証明しろ)」

 

カタカナで書かれていたので、見当を付けて英和辞典を引いてみた。

 

あった。

prove oneself  C = (自分が)Cであることを証明する

青木宣親の場合、「ライト(right=正しい)」を使っているから、自分が正しいということを証明する、となる。

 

社会人としてもかみしめたい言葉だ。過程も含め評価してくれる先生がいる学生とは違い、社会人は評価に値する結果を出し続けるしかないのだ。

さて、努力の結晶である2000安打ハンターを自任する黒柴スポーツ新聞編集局長は荒木雅博の地元、熊本県で発行される熊本日日新聞をゲット。偉業達成を報じる地元紙の手厚さを再確認した。

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引き続きアンテナを張っていた結果、青木宣親の出身地で発行されている宮崎日日新聞が出した、青木宣親の2000安打号外と記念のラッピング紙面(6月14日付)を入手できた。

 

サクッと写真でお見せしたいところだが、紙面写真を勝手にネットにアップするのはご法度だ。それにできれば実物を楽しみに見ていただきたいので(入手方法は後述)、文字でダイジェストをお届けする。

MIZUNO(ミズノ) 青木宣親選手 2000本安打達成記念フェイスタオル 12JRXA0200

MIZUNO(ミズノ) 青木宣親選手 2000本安打達成記念フェイスタオル 12JRXA0200

 

ラッピング紙面とは新聞1部を、1面から最終面まで文字通り「包んだ」もの。包んでいる紙面は、書籍のカバーのイメージだ。青木宣親の「表紙」は、打ってから駆け出す青木宣親の縦写真を左右見開きではなく上下展開で使っていた。なかなかダイナミックだ。

 

その裏面は左右見開き。青木宣親少年がいかにして一流打者になっていったのか、小学校時代から大リーグまでの写真を並べた「アルバム」形式だ。写真は全部で8枚使われている。宮崎県民および青木宣親ファン必見の紙面と言っていい。

 

8枚の写真の下には地元企業がお祝いの広告。青木宣親の出身小中高校PTA、放送局、プロ野球宮崎県人会のほか一般企業も含め幅広く広告が集まっていて地元感満載だ。

 

青木宣親は甲子園で名を馳せた訳でもなく、早稲田大学出身だが野球推薦で入れたら訳でもなく、プロ入り初年度から活躍できた訳でもなく、大リーグも華々しいデビューではなかった。史上初の2度目のシーズン200安打や、メジャーリーグの剛球対策、頭部への死球からのカムバック。青木宣親は2000安打を達成した日も3安打とサクサク安打を重ねたように見えてしまいがちだがまさに「プルーブ・ユアセルフ・ライト(自分が正しいと証明しろ)」を実践してきた。

 宮崎日日新聞もラッピング紙面では「青木選手2000安打達成おめでとう」という巨大見出しのほか、本紙1面の本人コメント、社会面の少年野球教室風景と、地元紙ならではの展開。「プルーブ・宮崎日日新聞・地元紙」といったところだ。

 

黒柴スポーツ新聞の取材により、このラッピング紙面の問い合わせ先が判明した。宮崎日日新聞読者局0985-26-9300です。1部180円。郵便振替用紙が同封されるので送料とともに支払う方式だそう。興味がある方はもう二度とない青木宣親2000安打ラッピング紙面をぜひ手に入れてください。スマホではあり得ない超特大サイズの紙面、なかなかです。

プロ初勝利の公文克彦の異常な勝負強さ~降雨ノーゲーム、けが、トレードにも負けず

日本ハム公文克彦が6月14日にプロ初勝利を挙げた。巨人が山口俊、マシソン、カミネロのノーヒットノーラン継投をしたからその調べものをしていて気付かなかったが、朝、新聞のインデックス見て気が付いた。

そして公文克彦の経歴をおさらいしていたら、実に勝負強いことに気が付いた。

1.史上初の2戦連続降雨ノーゲームを経て甲子園勝利

公文克彦高知高校出身。高知高校明徳義塾高校などと甲子園行きを争うのだが同時期には明徳義塾からホンダを経て楽天入りする石橋良太がいた。公文克彦明徳義塾に勝って見事甲子園切符を手に入れた。

しかし初戦の如水館戦は苦戦。3回を終わって0-2だったが雨のためノーゲームに。仕切り直しの試合も5-6と接戦だったが5回表にまた降雨ノーゲームに。いずれもリードしていた如水館には本当に気の毒だが「三度目の正直」で3戦目は高知高校が勝った。公文克彦は14奪三振の力投だった。降雨ノーゲームの是非はいろいろあろう。個人的には選手にも応援団にも負担の少ない京セラドーム開催案を提案しておく。

2.肩を痛めて伴侶をゲット

公文克彦高知高校卒業後、大阪ガスに入社。そして肩を痛めてしまう。ピッチャーには選手生命に関わる大ピンチだが、治療に訪れた先の看護師さんがどストライクだった。交際は順調だったらしく、公文克彦がプロ入り後に結婚した。これぞ災い転じて福となす、である。

3.大田泰示日本ハムにトレード

報道的には巨人のドラフト1位だった大田泰示日本ハムにトレードされたニュースだったが、2016年、公文克彦もセットで新天地、日本ハムへ。巨人では埋没感があったので個人的には非常に楽しみなトレードだった。
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何せ行き先が、投手をやりくりして勝つのがうまい日本ハム。ちょうど2016年は日本ハムが日本一に輝いている。栗山英樹監督や吉井理人投手コーチがどう公文克彦の良さを引き出してくれるかなあとワクワクしていた。2017年は2軍での調整もあったがすでに1軍で、巨人時代の15試合を上回る16試合に登板(6月14日現在)。プロ5年目で念願の初勝利を挙げた。古巣巨人戦でも好リリーフ。一緒に来た大田泰示日本ハムでブレイクしており、公文克彦も続きたいところだ。
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どうだろう。どれも運命の分かれ道だがすべてよい方向に進んでいるように見える。運もあっただろうがもちろんサイドスローへの転向など本人の努力があってこそだ。初勝利は延長での登板だったが三者凡退で切り抜けたことで味方の得点につながった。表現的には初勝利が「転がり込んだ」のだろうがここは野球の神様から公文克彦へのご褒美なり激励と受け止めたいところだ。

うまくいかないことは誰にでもある。だったら公文克彦のように「災い転じて福となす」を実践したらいい。抑えのピッチャーはすぐに次の登板があるから下を向いている暇もない。それは毎日仕事を頑張る社会人も同じだ。切り替えを上手にして、一緒に充実した毎日を過ごしましょう!

大田泰示のブレイクは巨人の恥なのか?~成長を認めない思考にうんざり

久々に他人事で腹が立った。大田泰示が移籍先の日本ハムで大ブレイクしたことを、広岡達朗が「巨人の恥」と評した。

恥?

あえて好戦的に年長者を一つの枠にとらえるが、どうして大ベテランたちは若手の頑張りを認めないのか? 成長を素直に認めることをしない人って何なんだろう?確かに編成上、芽が出なかった選手がトレード先で花開いたら「見る目がなかった」「育てきれなかった」という話になるのは仕方ない。しかし大田泰示が巨人にいたのは8年。さすがに、育てきれなかったとコーチばかりを責める年月ではない。そして大田泰示自身、コーチのせいにはしないだろう。

よくも悪くも毎年新戦力が入りスタメン定着が難しい巨人ならではの側面もあっただろうが、それはプロ野球の球団なら大なり小なりあること。他チームにも失礼な比較だ。

注目された古巣巨人との対戦中、大田泰示は驚異の10打数7安打2本塁打と大暴れ。何でできたかってそんなの意地に決まっている。巨人への恩返しの気持ちは偽らざるところだろう。そして今はファイターズの戦力になっているという自覚がある。意地と自覚があるから結果は出て当たり前だ。それを広岡達朗は、大田泰示がこのまま成長したら巨人の恥だ、という。なぜに大田泰示の奮起と評価できないのか。いい加減、トレードを悲哀を込めて語るのはやめたらどうか。もはや移籍、転職も珍しくない時代。一つの組織でコツコツ勤め続ける姿勢もカッコいいが、自分に合わない所に縛られ続けるのは不幸な話だ。

適材適所という言葉がある。早々レッテルを貼る前にその人がどこなら輝くことができるのか、本人の意向も含めて考えた方が組織のためにも本人のためにもなる。本人が特性を勘違いしている例があるかもしれないが、そういう時は得てして、だれが見ても分かる。それなら、異動したらいい話。

大田泰示松井秀喜の後継者とも目される期待の星だった。しかし巨人という土壌では芽が出なかった。それが北の大地に移り、いま芽が出始めている。巨人在籍8年でホームラン9本の男が日本ハム1年目の6月11日の試合を終えてすでに8本。うち2本が古巣から。大田泰示は自分の力でこのトレードを「成功」にしている。

だからこそ恥、なんて言葉は使わないでもらいたい。

大田泰示と一緒に日本ハムに移籍した公文克彦も先日の巨人戦で中継ぎとして登場。後続を絶った。大田泰示同様、かつての巨人ドラフト1位だった村田透は巨人戦に先発しプロ入り10年目で念願の初勝利。今のところ日本ハム入りした選手たちの方が戦力になれている。大田泰示は10日の巨人戦でのお立ち台で「ファイターズ最高」の決めぜりふのフリを受けるも「諸事情があるので」と固辞したという。これにはネット上でいい奴だな的な賛辞が。奇しくも古巣巨人は6月に歴史的な13連敗を記録しており、放出した大田泰示に「ファイターズ最高」なんて絶叫されたらそれこそ恥をかくところだった。逆に、大田泰示に気遣われた巨人も痛々しい。いや、この際恥も外聞もない。高沢秀昭音重鎮ばりに古巣に戻った例もある。どうせ巨人OBが恥をかくならば大田泰示の再獲得を提言したらいかがだろうか。まあ、熱くなった日本ハムファンが簡単には許してくれないだろうけど。
 
あわせて読みたい大田泰示関連記事はこちら。
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柳田悠岐21試合連続安打をアシストした工藤公康監督の言葉とは

21試合連続安打で止まった柳田悠岐だが、ちょっと前までは不調で、ストライク、ボールの判定に不満を漏らすこともあったという。

 

 

すごく気持ちが分かる。うまくいかない時は当たりたくなる。何かのせいにしたくもなる。特に自分なりに頑張っているんだという自負がある時はなおさらだ。 しかし学生ならいざ知らず、社会人ともなれば思ったことをそのまま口にするのはスマートではない。発言の影響まで想像する力は必須だ。かくいう筆者も売り言葉に買い言葉的に地雷を何度も踏んでしまった。

 

発した言葉は自分に帰ってくる。ミスった時の「自打球」で悶絶する姿ほど痛々しいものはない。イライラしていた柳田悠岐球審の印象を害していたかもしれない。

 

新聞記事で読んだのだが、そんな柳田悠岐に送った工藤公康監督の一言にうならされた。

 「心穏やかに一日を過ごそう」 

そう、それがいかに大事なことか。 柳田悠岐ほどのバッターであれば技術をとやかくいう話ではない。心と技のバランスが大事だ。そこを工藤公康監督は突いた訳だ。

 

 

こういう指摘ができる上司や先輩ってカッコいい。ついつい「焦るな」と禁止のワードを伝えてしまいがちだ。そうじゃない。「穏やかに過ごそう」と「let's~」という、やってみよう的なアドバイスができる人は生き方そのものがスマートだ。

指摘の仕方は人間性が出る。「let's」の対局は「why」だ。なぜキミはできない?やらない?と畳み掛ける。ただでさえうまくいっていない人を追い詰めてもうまくいくはずがないのに。

確かに伸び悩んでいる人に毎回「let's」というのもしんどい話。そこまで懐は広くないよという声もありそうだ。しかし経験は少しずつしか積めない。まずは「丁寧に」事に当たる姿勢を徹底しないと、いずれ支障をきたす。

柳田悠岐の場合は経験があるから心技体のバランスさえ保てたら結果はついてくる。6月は冒頭8試合で7発と、ホームランを量産した。そしてあの歴史的なボテボテのサヨナラヒットまで出た。

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守っては6月10日にセンターからチャージして矢のようなバックホーム。刺せる自信があるから「(2塁ランナーは)3塁を回れ」とさえ思っていたという。そりゃ、刺せちゃうはずだ。

 

心の持ちよう一つで結果は変わる。それは技術力が確かな人ほど顕著だ。とかくストレスにやられがちな日常だけれども、まずは柳田悠岐のように心を穏やかに保つことで最良の結果を求めたい。

 

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荒木雅博2000安打を報じた熊本日日新聞紙面に感動~県出身5人目の快挙

熊本の知人と再会した。熊本と言えばこのほど2000安打を達成した荒木雅博の出身地。その話から知人が飲みながら「熊本って2000安打が5人くらいいるんで、結構スゴいんスよ」と言ったからさあ大変。

5人って?

荒木雅博は達成ほやほや。

前田智徳もまあまあ新しめ。

やっぱり定番は川上哲治
遺言 (文春文庫)

遺言 (文春文庫)

ここで止まってしまった。

伊東勤は2000安打に届かなかったんだよなあ。

石井琢朗?と思ったが栃木で大外れ。

疾走!琢朗主義

疾走!琢朗主義

広瀬叔功は広島だしなあ。

すると知人がスマホで探して「江藤慎一」。渋すぎる。「確か日鉄でしたよね」と返すと「知らないっす」とちびまる子ちゃんばりに顔にタテ線が入っていた。

江藤慎一―

江藤慎一―"闘将"と呼ばれた男 (名球会comics (3))

じゃあ最後の一人は?

うなっても全然出てこない。2000安打達成者だから絶対超有名人なのに……

悶絶していたら知人があっさり「あ、秋山」。秋山幸二を忘れていたとは……!

秋山引退記念―Hawks2002完全版

秋山引退記念―Hawks2002完全版

そして2000安打マニアにはたまらない、荒木雅博2000安打を報じる地元紙、熊本日日新聞をゲット!!!

確かに1面の見出しに「県出身5人目」と書いてあった。

全部の新聞をチェックしていないがおそらく1面は達成の事実を伝える記事、いわゆる内政面に横顔の記事、そしてスポーツ面には荒木雅博のサイドストーリー、というのが定番だろう。

熊本日日新聞もそうなのだが地元紙である上に荒木雅博の出身地、菊陽町もまた被災地であるため社会面でも荒木雅博の生き方を紹介していて、これがぐっときた。

社会面の記事によれば荒木雅博の実家は瓦は落ちるわ電気も水も止まるわで大変だった。親戚も被災した。町の家々がブルーシートで覆われているのを見て心を痛めた荒木雅博は被災地の支援活動をしたという。

荒木雅博が2000安打を打っても町の復興が急激にスピードアップするわけでもない。ただし荒木雅博はバッティングに関して非力なことを自覚しながらも努力努力で一流打者の仲間入りを果たした。この姿そのものが菊陽町への応援歌になっているはずだ。

こういう手厚い報道は地元紙の真骨頂。次の2000安打達成者が誰になるか分からないが、その時はまた地元紙がどんな紙面を作っているか見てみたい。

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